新型ジープグランドチェロキーはクォドラドライブIIという4×4システムを採用。これにより究極のオフロード走破性を実現させる。

NV245トランスファーと3つの電子制御式LSDを組み合わせるクォドラドライブIIはリミテッドおよびリミテッド5.7に標準装備。

ラレードにはNV245アクティブトランスファーと、ブレーキトラクションコントロールシステムが組み合わされるクォッドトラックIIが標準装備となる。

ボディ剛性が劇的にアップした新型グランドチェロキーは、オンロードの走行性能も劇的にアップした。

新設計のサスペンションを採用し、バネ下重量の軽量化もおこなわれ、オンロードの乗り心地も格段に向上した。

新型グランドチェロキーにはクライスラーが誇る名器、5.7リッターV8HEMIが用意されているのだ。

新型ジープグランドチェロキーのトランスミッションは全グレード5速ATである。

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悪路走破性は相変わらず天下一品、オンロードも著しく向上!

4WDシステムはベースグレードのラレード用が従来のシステムを進化させたクワドラトラック?。センターデフ式フルタイム4WDにブレーキトラクションコントロールシステムを備えたものだ。上級グレードのリミテッド用はクワドラドライブ?と呼ぶ新しい4WDシステムが採用された。これは電子制御トランスファーと3つの電子制御リミテッドスリップデフを持つ新開発のシステムだ。
搭載エンジンはいずれもV型8気筒でSOHCの4.7LとOHVの5.7Lの2機種。ともに5速ATと組み合わされる。5.7Lは300Cにも搭載されたクライスラー伝統のHEMIエンジンで、240kW/500N・mの圧倒的なパワー&トルクを発生する。ぬかるみや急坂などオフロードの荒れた路面でも低速域から発生する力強いトルクによって確かな走破性を示してくれる。
サスペンションは前輪がロング&ショートアームのダブルウィッシュボーン式独立懸架に変わり、リヤは5リンクコイルのリジッドを採用するが、ともに十分なサスペンションストロークを確保することで、極めて高い路面追従性を発揮する。またクワドラドライブ?により、3輪がスリップした状態からの脱出も可能になった。
4.7L、5.7Lともオンロードでの快適性が高まったのも見逃せないポイント。独立懸架のサスペンションによる乗り心地の良さに加え、トルクフルな大排気量エンジンと5速ATによる滑らかな走りがオンロードでの快適を高めている。重量級のボディながら、その走りは実にパワフルかつ堂々としたものだ。
ベースのラレードは451.5万円と400万円台で買えるが、これだと4WDシステムも従来版のものになってグランドチェロキーらしい魅力には欠ける印象。買うなら快適装備も充実したリミテッドが良いだろう。4.7リミテッドは525万円で、5.7リミテッドは588万円の設定となる。当面は5.7リミテッドの販売比率が高まるだろうが、長期的には4.7リミテッドのほうが多くなるのでは。動力性能的にもこれで十分といえる実力だ。先にフルモデルチェンジを受けたライバル車のディスカバリー3の価格設定が高めに移行したので、グランドチェロキーに割安感が感じられる。

代表グレード
リミテッド5.7
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4760mm×1880mm×1750mm
車両重量[kg]
2180kg
総排気量[cc]
5654cc
最高出力[ps(kw)/rpm]
326ps(240kW)/5000rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
51.0kg-m(500N・m)/4000rpm
ミッション
5速AT
10・15モード燃焼[km/l]
5.7km
定員[人]
5人
税込価格[万円]
588万円
発売日
2005年7月9日
レポート
松下 宏
写真
阿部昌也
取材協力
ダイムラークライスラー日本
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