ホンダ福井社長が年央スピーチ

NSX次期モデルはV10エンジン搭載! ホンダ福井社長が年央スピーチ席上で発表

ホンダ福井社長が年央スピーチ

 本田技研工業の福井社長は20日、同社青山本社で開かれた2005年 年央スピーチの席上で、同社を代表するNSXの後継車の計画について触れた。

 先だって、年内で生産終了することを発表したNSXは、高性能を確保しながら乗りやすさをも両立した、ホンダを代表するミッドシップスーパースポーツカーだ。90年に量産車として世界初のオールアルミ・モノコックボディの採用など革新的なコンセプトが評価され、高価なクルマながら約15年間で全世界累計1万8千台以上が販売されているという。

 一時は後継モデルの開発も進んでいたというが、その計画を一旦凍結したうえで再考しているのが、今回新たに明らかになった次期スーパースポーツ構想だ。現行NSXがV6エンジンを搭載するのに対して、まるでF1のレーシングマシンを思わせるV10エンジンを搭載するのが大きな特長となっている。ただし、それ以外の概要については一切不明。恐らくは、今後開催されるモーターショーなどでそのコンセプトが徐々に明らかになってくるはずだ。その情報が入り次第「221616.com」でも随時紹介していきたい。

 ちなみに、03年に行なわれた東京モーターショーで公開されたミッドシップスポーツのプロトタイプ「HSC」は、今回のV10モデル構想以前の計画を元にしたコンセプトモデルのようだ。

次期スーパースポーツのデビューは今からおよそ3、4年以内。ちょっとばかり先の話だが、08〜09年にはその全容が明らかになる。日本を代表するスーパーカーの誕生を今から心待ちにしたいものだ。

燃費ニーズと環境問題に留意

ホンダ福井社長が年央スピーチ

 福井社長の年央記者会見では9次中期の計画として、世界一のエンジンメーカーであるホンダならではの「パワートレインの革新への取り組み」を掲げた。これは、クルマが抱える様々な問題に対するホンダの解答である。具体的には、高まる燃費指向ニーズと、より環境に優しいモビリティの実現である。大気汚染に対しては「排出ガスのクリーン化」、温暖化対策として「燃費向上によるCO2低減」、石油枯渇問題に対応する「代替エネルギー」といった具合だ。

 記者会見の席では、4輪、2輪、汎用エンジン、さらにはホンダが自社開発する航空機の話題まで多義に渡った。

フィットが初の北米進出、次期シビックは「地域最適フォーメーション」

ホンダ福井社長が年央スピーチ

 さて、NSXの話題に続いて、新車の情報もお届けしよう。

 今年秋、新型シビックが登場する。既に、新型に搭載される予定の新エンジンと新ハイブリッドシステムについての情報はお届けしているが、今回はそのモデルラインナップについて、正式な発表があった。
 それによれば、次期シビックの日本国内向けモデルは4ドアセダン専用となる。いっぽう、大きなマーケットを抱える北米向けには2ドア、4ドア、アジア市場には4ドア、そして欧州には専用3ドア、5ドアハッチ車と、4種類のボディタイプを地域に合わせ開発したのだという。これを「地域最適フォーメーション」と定義した。
 
 新型シビックは世界160カ国で60万台以上を生産するグローバルカー。中国での生産が始まる来年からは、世界6地域で造られる。そのため、ボディタイプのみならず、エンジン形式についてもガソリン、ディーゼル、ハイブリッド、CNG(天然ガス)、アルコール(代替エネルギー)といった様々な燃料タイプに対応するラインナップを用意し、「地域最適フォーメーション」に寄与しているようだ。

 この他、トピックスとしては、北米市場に初めてフィットが導入されるのも見逃せない。
ブラジル産フィットをメキシコに導入するのを皮切りに、来春には日本製のフィットをアメリカ・カナダで販売開始する。環境問題が叫ばれる中、大柄なクルマがもてはやされる傾向にあった北米市場で、日本の低燃費モデルがどこまで戦えるか、注目したいところだ。
(レポート:221616.com編集部 徳田 透)