搭載エンジンはベースとなる自然吸気の2Lエンジンだけが従来と変わらないが、これ以外は2Lの直噴ターボ、V型6気筒の直噴という具合に、新エンジンが搭載されてパワーアップが図られている。S4に至ってはV型8気筒の4.2Lエンジンを搭載している。
ベースとなる2Lエンジンも、5バルブの自然吸気DOHCで、96kW/195N・mのパワー&トルクを発生する。しかもこのエンジンには6速のマニュアルモードを持つCVTが組み合わされているので、走りのスムーズさが一段と向上している。直噴ターボを搭載した2.0TFSIクワトロは、4気筒の4バルブDOHC+インタークーラー付きターボにより、147kW(200ps)/280N・m、V型6気筒の3.2FSTクワトロは188kW/330N・mの実力だから、4WDによる重量増を全く苦にしない余裕十分の走りを実現する。
リヤがトラペゾイダル式に変更されたサスペンションは、乗り心地と操縦安定性がより高いレベルで両立されたとのこと。ワインディングなどを走っても、シュアなステアリングフィールと軽快なフットワークによって気持ち良く駆け抜けていくことができる。
●お勧めグレード
2LターボやV型6気筒の搭載車は性能アップの割に価格アップが抑えられた印象があるが、400万円を切る手頃な価格が設定されているのはベースグレードの2.0のみ。基本的にこれがお勧めグレードとなる。というのは、ベースグレードの2.0もマルチメディアステーションのMMSやプラスパッケージ、本革シートなどのSEパッケージなどを装着すると、車両価格は500万円近いものになる。人気のプレミアム輸入車として当然の水準ではあるが、決して安い買い物とはいえないからだ。