170馬力というハイパワーを発揮する直4SOHC+スーパーチャージャーエンジン。ボディも軽いこともアリ、かなり速いです。

ワインディングロードでは、当然のことながらクローズドボディが一枚上手。クイクイとよく曲がる。

前輪がガッチリと路面をつかんで離さない。BMWがミニを作るとFFであっても、たまらないほどスポーティになる。

カブリオレのルーフを閉めた状態。約15秒という速さで全開にできる。

スタイル インテリア 走り&メカニズム

ハイパワーをイージーに操ることができる

 クーパーSはAT車でもカタログ上のスペックには変更がない。動力性能の差も0−100km/h加速で、6MTが7.2秒のところが7.7秒になる程度なので、ATになったからといって遅くなったような印象はない。むしろ170馬力という大きなパワーを、2ペダルでイージーに操ることができる楽しみのほうが大きい。

 6ATは日本のアイシン製なので、信頼性も高くマニュアルモードでの変速も素早い。Dレンジで走っている時でも、パドルスイッチを操作すれば変速を行うことができ、そのまま走行を続ければDレンジの自動変速モードに切り替わるので、咄嗟にエンジンブレーキをかけたい時などには便利。日常走行中でも使う意味のあるパドルシフトだ。そしてマニュアルモードを維持して走りたい時には、シフトレバーを右側に倒して固定されるマニュアルモードを選択すればいい。

 クーパーSにはスポーツサスペンションが組み込まれているので、乗り心地は多少ハードになっているが、不快な硬さはではない。全長やホイールベースが短いので回頭性が良く、アクセルのオンオフで簡単にクルマの向きをコントロールできる。そんな状況下でも6ATは適切なギヤが選びやすく、MTよりもはるかに簡単にドライビングを楽しむことができる。

●お勧めグレード

 ミニのデザインや雰囲気だけを楽しみたいのならOneでも充分だが、今やドイツ車となったミニの走りも楽しみたいなら、思い切ってクーパーSを選んでもいいだろう。価格の差はエンジンや装備を見れば納得できる内容だし、ATなら日常的に犠牲するものはなくなった。それに購入時の価格差は売る時のリセールバリューの高さで、ある程度は取り戻すことができるだろう。

代表グレード
クーパーS
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
3,655×1,690×1,445
車両重量[kg]
1,210
総排気量[cc]
1,598
最高出力[ps(kw)/rpm]
170(125)/6,000
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
(220)/4,000
ミッション
6AT
定員[人]
税込価格[万円]
295.05
レポート
岡島裕二
写真
佐藤靖彦
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