24年の歴史を重ねるロングセラー
ダイハツの5ナンバー軽ワゴン「アトレーワゴン」が5月10日にフルモデルチェンジした。81年の初代モデルから数え、これで5代目となる。
アトレーワゴンは軽商用バン「ハイゼット」をベースにしているだけあり、軽トップの室内長を誇る広いラゲージスペースを有する。またその一方で、クオリティが高く大人4人がしっかり移動出来る快適な室内を持つことが特長。そのためレジャーに仕事にとフルに活用する根強いファン層が多いクルマだ。
このカテゴリーのライバル車にはホンダ バモス、スズキ エブリィワゴンなど人気車が多数存在し、常にしのぎを削っている状況となっている。
5代目新型アトレーワゴンのコンセプトは「家族みんなで楽しく使える“プレジャーサポーター”」。同クラスの特長をより極めた内容のモデルチェンジを実現したというワケだ。
外観は、RVらしい楽しさを強調した先代モデルとはうって変わり、「イマドキ」のミニバン風な印象。小さいながらも重厚な存在感溢れるスクエアボディに生まれ変わった。
室内もメタル調のインパネ周りにホワイトメーターの組み合わせが若々しい。また、実際に目にした時のクオリティの高さもダイハツの得意分野といえる。もちろんシートは前後席ともフルモケット。前後席ともにセンターアームレストをしっかり備え、快適なドライブに寄与する。低めのフラットフロアと大開口部を持つ前後ドアにより、乗降性も従来に比べ向上した。荷室は4人乗り状態でも最大1116リッターもの容量を誇る。シートアレンジもカンタンに出来るので、様々なシーンに合わせて気軽に空間を使い分けることが可能となっている。
最新モデルだけにセーフティ性能も充実している。ダイハツ自慢の衝突安全ボディ「TAF(タフ)」のほか、乗員にやさしい安全インテリア「SOFI(ソフィ)」の採用など、次世代の安全基準を目指した設計となっている。
エンジンは660ccツインカム3気筒12バルブターボ1種類。高出力エンジンながら、10.15モード走行燃費はリッター当たり14.6km/lを実現している(2WD車)。また同エンジンには触媒貴金属に自己再生機能を持たせた世界唯一の「インテリジェント触媒」を採用。これにより、通常なら劣化が進む触媒を長く持続することが可能で、環境にも優しいスグレモノとなっているのだ。
グレードは基本的に2ツのみ。カスタムターボRと同ターボRSで、共に2WDと4WDが用意される。またターボRSには、スライドドアイージークローザーやCD/MDステレオ、荷室蛍光灯などをセットにした「リミテッドパック」も用意される。
並み居るライバル車に向けて放たれた新型アトレーワゴン。この意欲的なモデルの投入により、カテゴリーNo.1を目指すという目論見のようだ。
代表グレード | カスタムターボRS 2WD |
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 3395x1475x1875mm |
車両重量[kg] | 970kg |
総排気量[cc] | 659cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 64ps(47kw)/5900rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 10.5kg-m(103N・m)/4000rpm |
ミッション | 4AT |
10・15モード燃焼[km/l] | 14.6km/l |
定員[人] | 4人 |
税込価格[万円] | 142.8万円 |
発売日 | 2005年5月10日 |
レポート | 221616.com編集部 徳田 透 |
写真 | 菊地 一仁 |
取材協力 | ダイハツ工業株式会社 |
ボリューム感あるマッシヴなフォルムに生まれ変わったアトレーワゴン。
独特の面構成で複雑な表情を魅せるバックドア。開口部も非常に大きい。
扱いやすいインパネシフトとの組み合わせでセダンライクなドライブポジションを実現。
ヘッドレストをつけたまま手軽に収納可能なリアシート。
後部座席を出したままで4人分の荷物積載が可能な広さを持つ。
カスタムターボRSに標準装備されるルーフエンドスポイラー。
ランプ類やガーニッシュ系を全てパンパーに横長に組み込むことで低重心感を強調したリア周り。