テーマは「質感と走行性能の向上」
04年、初のフルモデルチェンジで登場した2代目メルセデスベンツAクラスが、いよいよこの2月に日本デビューを果たした。
97年、メルセデス初のFFコンパクトカーとしてセンセーショナルなデビューを果たした初代Aクラスは、21世紀に相応しい革新的なクルマとして、多くのユーザーから好評を博した。
全長わずか4メーター弱のちいさなボディながら、メルセデス流の安全思想は上級モデル同様。全く新しい「サンドイッチ構造」と呼ばれる二重フロアの採用により、クラスを超えた高い衝突安全性を確保した。そんなAクラスの革新性を象徴する、独創的な内外装デザインも印象的だ。
このような初代の良さをしっかり引き継ぎつつ、新たに生まれ変わった今回の新型Aクラスの特長は、ずばり2点。「質感」と「走行性能」の向上にあるという。
新型Aクラスのボディデザインは、初代の特長であったモノフォルムスタイルを継承しながら、見た目の安定感や存在感、質感を高める工夫がされている。中でも、ボディサイドを斜めに走るシャープなラインや、しっかりと張り出したフェンダーアーチが印象的だ。
いっぽう室内についても、上級のメルセデスに見劣りしない質感を確保。また、シートアレンジなどの工夫により、ラゲッジの使い勝手も向上している。
ボディサイズは全長、全幅、全高ともに少しずつ拡大。特に全長は200mm以上延長されていて、これは室内のゆとりや衝突安全性のさらなる向上に充てられているようだ。
また、Aクラス独自の「サンドイッチ構造」をさらに進化させ、衝突安全性の向上を図っているのは言うまでもない。その他安全面においてはクラス随一の乗員保護システムを採用するほか、横滑り防止装置ESPを装備するなど、受動、能動の両面に渡り、安全性にぬかりはない。
新型Aクラスのグレード構成は今のところ3タイプ。1.7リッター直4SOHCエンジンを搭載するA170、A170エレガンスと、同2.0リッターエンジンを搭載するA200エレガンスとなる。トランスミッションはメルセデス初のCVT「AUTOTRONIC(オートトロニック)」を採用し、走行性能の向上と優れた燃費を実現したとのことだ。そのため、日本の国土交通省による平成17年度排出ガス基準75%低減レベルをクリアしており、★★★★低排出ガス車の認定を取得しているのは特筆すべき点としてあげられるだろう。
ちなみに今回、欧州で販売される3ドア車は未導入で、全車5ドアハッチバックとなっている。さらに、先代モデルにあったロングホイールベース仕様(後席の足元スペースを拡大したモデル)は新型になってからは本国にも存在していない。それだけ今回の新型Aクラスは室内の広さにも自信あり、ということかもしれない。そのあたり、実車の試乗記が楽しみなところだ。