アウディ A4/S4
A4/S4

黒塗り高級車の威圧感とは無縁。そんな上品さが新型アウディA4の魅力だ。

A4/S4

リアコンビランプやバンパー形状の変更などで、よりワイド&ロー感を強調した「A4アバント 2.0」のリアまわり。

A4/S4

セダンモデルのアウディA4(手前)と、ワゴンモデルのアウディA4 アバント(奥)。

A4/S4

シンプルながら重厚感あふれるアウディA4のインパネまわり。

A4/S4

「2.0TSFI quattro」に搭載される直4 DOHC直噴ターボエンジン。フラットトルク特性が自慢だ。

A4/S4

こちらはスポーツモデル「S4」シリーズに搭載されるV8 4.2リッターDOHCエンジン。ド迫力の走りを想像するだけでワクワクしてしまう人も多いのでは?

A4/S4

シングルフレームグリルと新形状のヘッドライトの組み合わせが新しい高級のありかたを提唱する。

A4/S4

新型アウディA4/S4のレセプションは、なんと台場の「日本科学未来館」(館長はあの宇宙飛行士毛利さん!)を貸し切って行われた。もちろん、初めての試みだ。

「見逃せない、違い」がプレミアム度をあげた

 アウディ ジャパンは2月15日、新型アウディA4/A4アバントと、そのスポーツモデルであるS4/S4アバントを発表した。01年に日本デビューした現行A4にとって、これが初の大掛かりなフェイスリフトとなる。

 新型を見てまず目をひくのが、アウディの新世代フェイス「シングルフレームグリル」の採用だ。既にA8、A6、A3スポーツバックと順に採用されており、いよいよ中核モデルであるA4/S4へと波及した。新形状ヘッドライトとの組み合わせで、ダイナミックかつ上品な顔つきに生まれ変わった。もちろんこの他にも細部に渡りデザインの手が加わっており、ボディ全体のバランスがさらに整った。その結果新型アウディA4/S4は、以前にも増してプレミアム度、言い換えるならより「高そう」な印象が増していた。これは高級車には必要不可欠な要素ではないだろうか。しかも最初に述べたようにこれは「上品」な高級感なのだ。強すぎない押し出し感はきっと、日本人の控えめなメンタルにもしっくりくるはず。新型A4/S4を見てそんな好印象を受けた。

 さて、エンジン&トランスミッションのラインナップは、A4/A4アバントで各3タイプに整理された。
FFモデルの2.0には、2リッター直列4気筒と7段変速付きマルチトロニック(CVT)が組み合わされる。一方AWD(フルタイム4WD)のクワトロモデルだが、2.0 TFSIクワトロには、2リッターガソリン直噴エンジン(FSI)にターボを加えた高性能版を採用。さらに3.2 FSI クワトロには新たにV6 3.2リッターDOHC直噴エンジンを投入している。それぞれ、新しい6速ティプトロニック付きATの組み合わせとなった。なお足回りについても、S4やA6の技術を投入するなどの改良を加え、よりダイナミックな走りを追求したという。
超ド級のスポーツグレード、S4/S4アバントについては、最高出力344psを誇るV8 4.2リッターの5バルブDOHCエンジンに、もちろんクワトロシステムの組み合わせ。こちらも最新の6速ティプトロニックATが採用されている。

 これだけ改良の手が加わっていて、新型のベースグレードの価格は据え置き(A4 2.0は388万円)という戦略的な設定となっているのも注目したい。
アウディ ジャパンによれば、新型A4シリーズの投入により05年度の日本国内における販売台数を過去最高の数まで持っていきたいとしている。04年のアウディ全体の国内登録台数は13815台。過去の記録としては90年の16691台が最高で、今年はこれを塗り替えるのだという。
折りしも今年はアウディのAWDシステム「クワトロ(quattro)」が生まれて25周年。この記念すべき年を、販売台数大幅増で飾れることが出来るか否か。アウディA4/S4シリーズはその勝負のカギを握る重要な戦略モデルとして大いに注目される。

代表グレード
A4 2.0 TFSI quattro
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4585mm
車両重量[kg]
1630kg
総排気量[cc]
1984cc
最高出力[ps(kw)/rpm]
200ps(147kW)/5100-6000
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
28.5kgm(280Nm)/1800-5000
ミッション
電子制御ティプトロニック付き6速AT
10・15モード燃焼[km/l]
9.8km/l
定員[人]
5人
税込価格[万円]
470万円
発売日
2005年2月15日
レポート
徳田 透(編集部)
写真
徳田 透(編集部)
取材協力
アウディ ジャパン株式会社