シトロエンC5に搭載されるエンジンは直列4気筒2リッターとV型6気筒3リッターの2機種。エンジンはともに改良を受けているが、性能的に変わったのは4気筒エンジン。可変バルブタイミング機構の採用で、パワーが6HP、トルクが10N・m向上している。こうした数値的な性能よりも中低速域のトルクを厚くした点が注目される。実際に走らせても市街地などでの扱いやすさが際立つ印象。4気筒車はワゴンでも1500?を切る重量なので、ボディに見合った性能といえる。シーケンシャルモード付きの4速ATを駆使すれば、けっこうスポーティな走りも可能になる。
V型6気筒の3リッターエンジンは細部の改良を受けているものの、数値的には変わっていない。ただATがアイシン製の6速ATに変更され、シフトフィールが格段に良くなったのが印象的。こちらもシーケンシャルモード付きだ。V型6気筒エンジンはパワー&トルクに余裕があり、車両重量は1500?を超えるものの、ボディの重さを苦にしない走りを示す。
足回りはハイドラクティブIIIの心地良さが際立っている。V型6気筒エンジンの搭載車ではスポーツモード切り換えスイッチも用意されるが、こうしたモードの切り換えをしなくてもゆったりした感じの懐の深い乗り味を楽しませてくれる。
ボディはセダンとステーションワゴンのブレークの2種類。欧州車ではワゴンに特徴のあるクルマが多いが、このC5のワゴンも最大では1658リッターに達する印大きなラゲッジスペースによって高い使い勝手を実現するので、ブレークを中心に考えたらいい。走りに関してはV6の余裕も捨てがたいものがあるが、100万円近い価格差があることを考えると、お勧めグレードとして挙げられるのは2.0のほうになる。