スバル R1
R1

ドッシリと安定感あるリヤビューをもつスバルR1。リヤゲートは樹脂製となる。

R1

ブラック&レッドの内装飾が設定されている。クラスを超えた自発光式のメーターが高級感を演出。

R1

54馬力を発生する直4DOHCエンジンを搭載。

R1

とりあえず、4人乗り。床面下部には深さ20センチのサブトランクを装備。

R1

クラス最大径となる15インチホイールを装着。155/60R15がタイヤサイズ。大きなホイールサイズは、R1のボディをよりスタイリッシュに演出。

R1

R2同様、翼をイメージしたグリルなどもR1専用になった。

マーケットへの新提案。あえて小ささを徹底追求。

 所有していることが自慢できるKカーだと思った。新型スバル「R1」は、小さいことを誇りに思えることをコンセプトに開発されたスペシャリティ・ミニだ。

 
 ボディサイズに規定がある軽自動車において、小さいスペースを目いっぱいに使ってできる限り広い空間を作り出そうというのは、マーケティング的な要素から見ても当然な方向性。ある意味、売れる軽自動車開発の王道ともいえる。ところが、このR1はそんな王道から、まったく外れたコンセプトの元に開発されている。なんと全長は軽自動車規格枠が3400ミリまでとされているのに対して、3285ミリと115ミリも短いのだ。ホイールベースに関しては、先に発売されR1のベース車となったR2より165ミリも短くなっている。正直なところ、こんなにちっちゃくていいの? と思ってしまうほどだ。
 
 そんな思いを抱きながら、R1のドアを開けインテリアを覗いてみた。とりあえず、リヤシートは付いている。一応4人乗りではある。なんとか座れるという程度だ。きっちりと4人乗れなきゃ、って考えているユーザーはR1を選んではいけない。2人乗りと割り切って、小さいことやパーソナルカーとしての機能性を理解できるモノの本質を捉えることのできるユーザーこそがR1のオーナーとしてふさわしい。
 
 ドライバーズシートに座ってみると、R1のクオリティの高さに驚く。インパネまわりは基本的にR2と同じだが、メーターまわりがR1専用となった。大小3つのメーターを立体的に配置。エレクトロルミネセントメーターと呼ばれる自発光式のメーターがおごられる。レガシィと同じくイグニッションをONにすると、一旦メーターはブラックアウトし針だけが赤く光り動き出すというスポーティな演出付きだ。恐らく、軽自動車で自発光式のメーターを持つのは、R1が初めてだろう。内装色はブラック&レッドのツートーンカラーで、スポーティな演出。オプション装備される本革/アルカンターラの組み合わせは、一段と質感を高めてくれるのでR1にはぜひとも装着したいアイテムのひとつだ。

 エクステリアは、滑らかに流れるようなシルエットをもつワンモーションフォルムを採用。豊かな張りのある面構成は、独特の塊感あるスタイルをアピールしている。航空機メーカーから始まったスバルをイメージさせる翼をイメージさせるスプレッドウイングスグリルもR1専用のものとなった。
 
 安全装備やエンジン(直4DOHC)、CVTなどのハード面はR2とほぼ共通。CVTやサスペンションなどは、R1用の専用チューングを受けている。
 
 このR1は、軽自動車マーケットにおいてダイハツやスズキにはないニッチ層を狙ったモデル。新たなマーケットの創造車ともいえる意欲作だ。軽自動車のニーズが複雑化する中、プレオにR2、そしてR1とワイドラインアップでシェアアップを狙う野望も見え隠れする期待の1台だ。

代表グレード
2WD
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
3285×1475×1510
車両重量[kg]
800
総排気量[cc]
658
最高出力[ps(kw)/rpm]
54(40)/6400
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
6.4(63)/4400
ミッション
CVT
10・15モード燃焼[km/l]
24.0
定員[人]
税込価格[万円]
126.0
発売日
2004年12月24日
レポート
大岡智彦
写真
徳田 透