質感の高さはさすがダイハツ!
どこかちょっとノスタルジックで、小さくても高級感がある軽自動車「ミラ・ジーノ」がフルモデルチェンジをした。
ミラという名前が付くだけあり、プラットフォームなどの骨格部分は先に発売されたミラと共用。ビジネスからファースカーまで、幅の広い顧客層向けのミラとはひと味違いこだわりや上質感を求めるユーザー向けに開発されたのがミラ・ジーノなのだ。
ボディは小さくてもパンと面の張った滑らかなデザインが個性を主張する。とくに、丸い大型のヘッドライトはムーヴ・ラテなどの流れから見て、最近のダイハツのトレンドともいえる。小さいボディにクリクリした大きな目(ヘッドライト)は、ちょっとキュートで愛らしいデザインだ。
このミラ・ジーノには、通常のグレードの他にミニライトと呼ばれるスポーティバージョンが用意される。15インチで8本スポークのミニライトホイールやエアロパーツ、モモ製ステアリングなどを装備。軽自動車で15インチホイールを装着するクルマは、ほとんどないので、そのインパクトは強烈。スタイリングにこだわるのなら、ぜひともチョイスしたいグレードともいえる。
メカニズム的には基本がミラであるので、大きな進化はない。しかし、細かい部分では小さな高級車的なスタンスに見合う進化が施されている。とくに、騒音の部分では吸音材をプラスしたり、フロア上の防音制震などでミラよりも1クラス上のレベルにまで向上したという。また、ボディ構造の変更により足まわりも専用のチューニングが施された。環境性能もミラが3つ星に対し、ミラ・ジーノ(2WD)は4つ星へと進化した。
また、安全面に関しては軽自動車初となる歩行者頭部保護基準の認可を取得。この歩行頭部保護基準は、ボンネットなどの衝撃緩和を規定したもので、対人事故の場合の歩行者障害を軽減するためのもの。カーtoカーの衝突安全性能なども含め、トップレベルの安全基準を満たしている。とくに、軽自動車は子供を多く乗せるケースを想定して、全グレードにISO FIX対応のチャイルドシートが装着できたり、リヤシートのヘッドレストが全グレードに装備されるなど、細かい安全装備も充実している。
インテリアは丸や楕円をモチーフにして、柔らかな空間を演出。小さな空間を効率よく使えるように、収納スペースも豊富。内装材のクオリティも高く、さすがダイハツ! といった仕上りだ。
発表会場では、ミラ・ジーノのCMに出演した森山未來さんと女性モデルが登場。年上の女性に憧れる男子高校生を演じている。「ボクは免許ないですけど、ミラ・ジーノは可愛くてボクも欲しいと思いました。ぜひ、みなさん、買ってください!」と、慣れない様子の宣伝トークで、ほのぼのとした初々しさを与えてくれた。
全体的に上質感を与えてくれるミラ・ジーノ。単純な流行に振り回されない独自の価値観をもつユーザーに評価される1台といえそうだ。