徹底的に磨き上げた走りとスタイル
柔らかくクリーンなフロントフェイスと、ドッシリとした安定感のあるリヤビュー。新型「スイフト」は、スタイリッシュなHOTハッチとしてデビューした。
気になるデザインは、2002年のパリショーで発表されたコンセプトSから脈々と受け継がれている。ガツンと張り出したフェンダーに、マッチョなボディラインはいかにも戦闘意欲満々だった。そして、2003年10月の東京モーターショーで発表されたコンセプトS2へとバトンタッチ。コンセプトS2は、S1を少しソフトにしたオープンモデル。そんな世界各国での評価の元、じっくりと煮詰められ、ついに登場したのが新型「スイフト」なのだ。
新型「スイフト」のデザインは、とにかく4輪がしっかりと路面を支えているようなカタマリ感があるのが特徴。これは、クラストップレベルのワイドトレッド化によるものが大きい。前モデルのスイフトと比べると、フロントでプラス65mm(1470mm)。リヤでプラス95mm(1480mm)となっている。それを生かすようにググッと張り出したフェンダーのデザインが加わり、小さいボディながらもダイナミックでボリューム感タップリのシルエットに仕上がっているのだ。
サイドビューも個性的だ。力強く後方へ伸びるショルダーラインと、後方へ行くほど絞り込まれるルーフラインは、リヤウインドウを極力小さくまとめている。ウインドウのエリアを極力小さくして、5ドアHBでありながら3ドアHBのようなスタイリッシュさも演出している。その個性的なショルダーラインは、リヤフェンダーまでまわり込んだ大型のコンビネーションランプへと流れ、一連の連続性を持たせフィニッシュする。そんな立体感あふれる造形は、今までのスズキのデザインでは味わえなかったスタイルだ。なんと、スズキの開発陣は約半年イタリアに滞在して、新型スイフトのデザインを模索したのだという。
もちろん、デザインだけがスイフトの魅力ではない。記者発表の席で「世界中でこれほどスポーティなコンパクトはない」と、チーフエンジニアが断言するほど、走りのパフォーマンスも兼ね備えているという。新型スイフトは、グローバルカーとして位置付けもあり、徹底してヨーロッパで走りのテストを繰り返した。新型のプラットフォームを投入して、徹底的にハンドリングに磨きをかけたのだ。「サスペンション、エンジンには新しい技術などはみられないが・・・」という、少々意地悪な質問にも「乗ってもらえれば、すぐにわかります」と自身満々の返事があったほどの自信作だ。
さて、エンジンラインアップはというと、1.3リッター(91馬力)と1.5リッター(110馬力)の2種類を用意。それぞれにフルタイム4WD車が用意され、1.3リッター車は4ATと5MTが選択でき、1.5リッター車は4AT車のみの設定だ。全車、平成17年排出ガス基準75%低減レベル(4つ星)だ。
泣く子も黙る価格が売りのスズキとしては、販売価格も重要な課題のひとつ。全車にエアコン、パワステ、パワーウインドウ、パワードアロック、電磁式バックドアオープナー、電動リモコンドアミラー、キーレスエントリー、チルトステアリングなどを標準装備。1.3リッターXE(5MT・2WD)が税込み101.325万円から。最上級の1.5XS(4WD・4AT)が税込み154.35万円と、お買得感も十分。
自身満々の走りは、近々に試乗記として掲載予定。お楽しみに!