重要部位のダメージ検査方法・インナーパネル
1.シワ、曲がり検査
< チェック項目 >
- コアサポートとの付け根
- 抜打ち穴
- ストラットタワーとの切り継ぎ部
- ストラットタワー付け根
- トゥボードとの付け根付近
< チェック項目 >
- コアサポートとの付け根
- 抜打ち穴
- ストラットタワーとの切り継ぎ部
- ストラットタワー付け根
- トゥボードとの付け根付近
1.コアサポートとの付け根
この部分は、一番最初にダメージを受ける場所と言えます。真上からの確認だけではなく、車体下からの確認も併せて行ないます。また車種によっては、コーナーレンズを外さなければ見えないこともあります。シワ等がある場合には、「錆」や「塗装割れ」があります。小さなライトを使って、コアサポートとの継ぎ目全体を確認します。
2.抜打ち穴
インナーパネルに限ったことではありませんが、抜打ち穴はハーネス類を通すことの他に、衝撃を集中させる役目を持っています。このことからインナーパネルの確認の際は、抜打ち穴に重点を置き確認します。不自然な「シワ」や「錆」が出ている場合には注意します。軽自動車やクロカンタイプの4DW車の場合には、エンジンルーム側からの確認よりも、タイヤハウス側から確認することも効果的です。
3.ストラットタワーとの切り継ぎ部
殆どの乗用車はインナーパネルにストラットタワー手前で切り継ぎ部を設けています。これは衝撃を懸架装置取り付け部まで波及させないための設計で、できるかぎりの衝撃をこの部分で吸収させるための工夫です。強い衝撃を受けた自動車は、この部分にダメージが出ていることが多く、「溶接部のシーラントの割れ」や「溶接の剥がれ」が見受けられる場合があります。
4.ストラットタワー付け根
この部分はダメージはサイドメンバーとの継ぎ目に出ることが多いです。この部分に出た衝撃は、新車時に塗られている「シーラントの割れ」によって発見することができます。
汚れやハーネス類によって確認しづらい部分ですが重要なポイントですので必ずチェックします。
5.トゥボードとの付け根付近
インナーパネルとトゥボードとの継ぎ目は、車種によっては補強板を溶接したりしています。トゥボードへ衝撃が入る前にこの部分にダメージが出ますので、溶接部に塗ってある「シーラントの割れ」や「錆」に注意します。この部分まで衝撃の波及した車輌はかなり大きな事故をを起こした車輌と言えますのでトゥボードの確認は慎重に行なう必要があります。
マーキング部分❶のシーラントの割れや錆、❷トゥボードとの接合部の押されに注意します。
2.補修歴の検査
< チェック項目 >
- 塗装肌
- パテ目
- マスキング跡
- 修正機跡
< チェック項目 >
- 塗装肌
- パテ目
- マスキング跡
- 修正機跡
1.塗装肌
塗装肌の違いは左右を比べることによって行ないます。修理してから月日の経過したものは判別のしにくいことも多々ありますので、チェック項目の2,3とあわせて判断の目安とします。
2.パテ目
パテ目の出やすい部分は下図のマーキング部分です。丁寧に仕上げてあることは少なく、発見は容易にできます。
汚れている場合が多く、確認しづらい部分ですが、汚れを拭きながら確認します。
3.マスキング跡
マスキング跡の残りやすい部分は①ストラットタワーとの切り継ぎ部②フェンダーの取り付け部③トゥボードとの接合部になります。
❶〜❸の個所に注意しながら検査を行ないます。
4.修正機跡
修正機を噛ませる部分は、インナーパネルの先端部に集中します。この部分はコアサポートとの接合部であることが多く、発見は容易にできます。この場合、コアサポートが交換されていることが多いので、コアサポートが交換されていないか注意します。
ワンポイントアドバイス
エンジンルーム内の確認は、新車状態であっても雑な塗装であったり、手入れが行き届かずに汚れていたり、機能部品によって見づらかったりと、検査を行なうには悪条件が揃っています。しかし、エンジンルームを構成する部位は、自動車の構造においては大変重要な位置付けにあると言えるのです。検査を行なう際には汚れを拭いたり、小さなライトで照らすことによりできるだけ確認しやすい工夫をしなければなりません。また、検査時の姿勢変化もできる限り小さくしながらポイントを確認できれば、疲労感や検査時間を短縮することができます。
エンジンルーム内の確認は、新車状態であっても雑な塗装であったり、手入れが行き届かずに汚れていたり、機能部品によって見づらかったりと、検査を行なうには悪条件が揃っています。しかし、エンジンルームを構成する部位は、自動車の構造においては大変重要な位置付けにあると言えるのです。検査を行なう際には汚れを拭いたり、小さなライトで照らすことによりできるだけ確認しやすい工夫をしなければなりません。また、検査時の姿勢変化もできる限り小さくしながらポイントを確認できれば、疲労感や検査時間を短縮することができます。
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