走行距離の少ない中古車がある理由
一般に、クルマの年間走行距離の目安は「1年あたり8,000キロ~1万キロ」といわれます。この目安は中古車を買う時にも使われることが多く、例えば3年落ちの中古車で走行距離3万キロ前後なら妥当、2万キロなら条件の良い中古車といえるでしょう。
中古車のなかには、走行距離が数キロ~数千キロと極端に少ないものもあります。なぜこのような中古車があるのかを、紹介していきます。
①未使用車である
「登録済み未使用車」とは、初度登録を済ませているため中古車という扱いですが、ほとんど使われていないクルマです。売上実績を上げるためにディーラーが自社で購入して中古車として販売したり、中古車オークションで売られて中古車販売店に出回る場合があります。
年式は新しいものが多く、走行距離も数キロ~数十キロがほとんどです。
②試乗車だった
ディーラーや販売店にある試乗車は、一定期間が経つと中古車として販売されることがあります。走行距離は数百キロ~4,000キロ程度と、一般的な中古車と比べると短めです。
ただし短距離とはいえ敷地内や公道を走っているため、車体に小さなキズが付いてしまっている可能性もあります。
③買い物など短距離中心で使われていた
一般のユーザーが売却したクルマでも、走行距離が少ないケースがあります。例えば「買い物や子どもの送り迎えに使っていた」など、短距離走行を繰り返していた場合です。
登録済み未使用車や展示車と比べると、年式はやや古いことが多いです。その割に走行距離が少ない(年間1,000キロ~5,000キロ程度)のが特徴です。
④放置されていたクルマである
親族の死亡や車検切れ、或いは生活の変化により放置された後、売却されたというケースです。こうしたクルマも、年式が古い割に走行距離が少ないです。
Q. 走行距離の少ないクルマは本当に危険?
走行距離の少ない中古車が全て危険という訳ではありません。
しかし、中には故障のリスクを抱えたものもあります。とくに「短距離走行を繰り返していたクルマ」や「放置されていたクルマ」は注意が必要です。
放置されていたクルマが危険な理由
クルマは走らせなくてもタイヤの空気圧が下がったり、エンジンオイルが劣化したりします。さらに、こうしたクルマは最低限のメンテナンスも受けていない可能性があります。
中古車販売店で購入する場合は、事前にしっかりと点検・整備されていること、いざという時のための保証や返品制度があることを確認すると良いでしょう。
短距離走行を繰り返したクルマが危険な理由
短距離走行をすると、エンジンオイルが温まる前にエンジンを切ってしまいます。このような走り方は、実はエンジンに負荷がかかりやすいのです。
また元の所有者が「買い物だけに使い、週1回程度しか乗っていなかった」といった場合では、バッテリーの寿命が短くなっている可能性もあります。
安全な中古車の見極めポイント
「走行距離が少ないけど、買って大丈夫?」と迷った時は、以下のポイントを踏まえて検討してみましょう。
ポイント①年式と走行距離のバランスを考える
冒頭に紹介した「1年あたり8,000キロ~1万キロ」という走行距離の目安と、気になるクルマの走行距離を比較してみてください。「やや少なめ」程度であれば気にすることはありませんが、「目安の半分以下」などあまりに少ない場合は注意が必要です。
ポイント②走行距離が少ない理由を確認する
走行距離が極端に少ない場合や、走行距離が少ないのに価格が安い場合は店舗に理由を確認しましょう。スタッフに訊くことで「試乗車だった」など理由が分かる場合もあります。反対に、明確が回答がない場合は購入を控えた方が良いでしょう。
ポイント③メンテナンスの記録を確認する
走行距離が少ない中古車であっても、メンテナンスをしっかり受けているようなクルマなら安心できます。気になる車両がどの程度の点検や整備を受けているのか、記録を確認してみましょう。
安心して買いたいなら未使用車がオススメ
「中古車でもできるだけ走行距離の少ないクルマに乗りたい」と思うなら、登録済み未使用車がオススメです。年式も新しく、故障のリスクは極めて低いです。
登録済み未使用車についてもっと詳しく知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。
また、登録済み未使用車でなくても修復歴を掲載していたり、納車前点検を法定点検に加えて独自に定めたものを行っていたりする中古車販売店で購入すると安心です。
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- Supervised by norico編集長 村田創
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中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!