アイドリングストップって本当に必要?機能とメリット・デメリット
アイドリングストップ機能が搭載された車が増えていますが、「いらない・必要ない」といった否定的な意見も耳にしたことがあるのではないでしょうか。
アイドリングストップが自分にとって本当に必要なのかどうかは、機能の詳細やメリット・デメリットを知ったうえで判断する必要があります。
アイドリングストップってどんな機能?
停車しているのにエンジンが動いている状態を「アイドリング状態」と表現します。アイドリングは、停車しているにも関わらず無駄なガソリンを消費してしまい、排気ガスまで排出し続けることに。その上、エンジン音まで発生してしまいます。
そういった問題を解決してくれるのが、「アイドリングストップ機能」です。停止してブレーキペダルを踏んでいる間、自動的にエンジンをストップしてくれます。
アイドリングストップのメリット・デメリット
メリット | ■ガソリン代が節約される ■燃費向上につながる ■無駄な排気ガス排出を抑え、環境に優しい ■騒音を最小限に抑えられる |
---|---|
デメリット | ■バッテリーの消費が早い ■購入および初期費用が高め ■状況により、燃費が悪くなるケースもある |
アイドリングストップは燃費向上に伴うガソリン代の節約と、騒音や排気ガスといった環境への好影響が主なメリットです。
一方で、バッテリーに負担がかかることが懸念されます。
<結局、いるの?いらないの?>
アイドリングストップ機能によって、エンジンを切ったり入れたりを頻繁に繰り返していると、バッテリーへの負荷がかかります。そのため、バッテリーの消費が早まり、結果的にバッテリー交換のコストが高くなることがあり、コスト面ではマイナスであるといえるでしょう。
ただ、無駄な燃料消費を抑えられるため、ガソリン代の節約になることは事実です。後述の通り、アイドリングストップはキャンセル機能も搭載されています。実際にアイドリングストップ機能を使ってみたうえで、バッテリー交換の頻度が高いと感じるようなら、キャンセルしてしまうのも一つの手ではないでしょうか。
実際にどれくらい燃費が良くなる?
車種によって異なりますが、一般的にアイドリング時には10分間に130ccもの燃料を消費すると言われています。エアコン(冷房や除湿)が付いていたり、Dレンジに入れたままになっていたりすると、その2倍近い燃料を消費することに。
出典:ECCJ 省エネルギーセンター / 交通の省エネ / アイドリングストップ
(https://www.eccj.or.jp/idstop/say/08/cont3.html)
アイドリングストップ機能を使うとレギュラーガソリン1リットル150円で計算した場合、1kmの都市部走行で、毎回約13.5円の節約になります。
アイドリングストップが作動しない場合に備えた、注意点とは
実際に車を走らせていると「アイドリングストップ機能が搭載されているのに、その機能が作動しない」ということもあります。アイドリングストップ機能は、一定の要件を満たしていないと発動されないからです。
アイドリングストップ機能が発動されないのは、以下のような状況です。
- ある一定以下のスピードで走行している
- アクセルペダルを踏んでいる
- バッテリーの容量が減少している
- バッテリー温度が極度に高くなっている
- バッテリー温度が極度に低くなっている
車種によって設定が異なりますが、そのほかにも急な坂道や、標高2000メートル以上での停止時など、道路状況によってもアイドリングストップ機能が作動しないことがあるようです。
細かな設定に関しては車種によって違いもありますから、自分の乗っている車や購入を検討している車がどのような設定になっているか、あらかじめ確認しておくことをお勧めします。
アイドリングストップをキャンセルする方法
実際に走行していると、状況に応じて「不必要なアイドリングストップ機能をキャンセルしたい」と感じることも出てくるでしょう。
そういった際には、手動でキャンセルすることも可能です。
手動でキャンセルする方法
アイドリングストップ機能が搭載されている車では、アイドリングストップを停止させるボタンが運転席に設置されています。
「今は必要がない」と判断したら、そのボタンを押すことで、エンジンを切るまでアイドリングストップ機能をキャンセルすることが可能です。
自動でキャンセルする方法
運転をしていて、ほぼ毎回アイドリングストップをキャンセルさせているという方には、その機能自体をキャンセルする装置も販売されています。アイドリングストップのスイッチを手動で切る手間がなくなります。
エンジン始動時に自動的にONになるアイドリングストップ機能の動作を変更可能。車種別の配線図付きで初心者でも簡単に取り付けできます。ボタン一つで純正状態へ戻すことも可能です。
アイドリングストップは状況次第で役に立つ
騒音問題や環境問題の解決策として注目されてきた、アイドリングストップ。
理想を言えば、アイドリングストップがどのような状態で役立つのかを判断し、手動で操作を行うことができれば環境にもお財布にもより高い効果を発揮することができます。
それが難しい、煩わしい場合は、自動でキャンセルする装置を導入するなど、自分なりに上手にアイドリングストップをできるよう工夫してみましょう。
- Supervised by norico編集長 村田創
-
中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!