カーナビ(車)でYouTubeを見る方法には、スマホのミラーリングやFire Stick TVなどの利用、AI BOX(Ottocastなど)の利用といった手段があります。ここでは、初心者でも取り組みやすい方法に絞ってそれぞれの特徴やメリット/デメリット、YouTubeを見るための手順を解説しています。
カーナビでYouTubeを見る方法3つ
カーナビでYouTubeを見る方法はいくつかありますが、機械操作や配線作業が苦手な人は上記の3つから検討してみましょう。
視聴手順は、各章で詳しく解説しています。
多くの場合、YouTube視聴にはHDMI対応またはCarPlay/Android Auto対応のナビ/ディスプレイオーディオが必要です。事前にナビを調べましょう。
また、HDMI対応のナビでも愛車のインパネ部分などにHDMI端子がない場合もあります。こうした時は、ディーラーやカー用品店に相談しましょう。
【前準備】通信環境の確保
ミラーリング以外の方法でYoutubeを視聴する場合は、通信環境の確保が必要です。通信方法は、基本的に以下の2種類です。
方法 | メリット・デメリット |
---|---|
テザリング | ・スマホ1つでネット接続できる ・スマホのデータ通信量が非常に大きくなる |
モバイルWiFなどiの利用 | ・スマホのデータ通信量を気にせず利用できる ・使い方によっては利用料金が高くなる |
テザリングとは、スマホなどのモバイルデータ通信機能を利用して他の機器をネット接続する方法です。簡単ですが、スマホでYoutTubeを見る以上に多くのデータ容量を消費します。
WiFiは、利用するデータ容量の計画を立てて種類を選ぶことが重要です。以下の記事も参考にしてください。
スマホによるテザリングの方法
テザリングの方法は、iPhoneとAndroidで若干異なります。大まかな手順は、それぞれ以下の通りです。
※機種によって画面表示が若干異なります。あくまで以下は代表的な例です。
【iPhone】
- Bluetoothをオンにしておく
- 設定画面で「インターネット共有」を選択
- 「他の人の接続を許可」をオンにする
- Bluetooth機能を使ってナビとリンクさせる
【Android】
- Bluetoothをオンにしておく
- 設定画面で「ネットワークとインターネット」を選択
- 「アクセスポイントとテザリング」を選択
- Bluetooth機能を使ってナビとリンクさせる
なお、Bluetoothによるリンク(ペアリング)の方法はこちらでご紹介しています。
視聴法①スマホでミラーリング
ミラーリングは、スマホ画面をそのままナビ画面に映す方法です。多くの場合、iPhoneとAndroidでは手順が異なります。
iPhoneでのミラーリング手順(有線)
iPhoneのミラーリングは有線接続が必要場合が多いため、ここでは有線でのミラーリング方法をご紹介します。
・iPhone本体
・Lightning/タイプC→HDMI変換アダプタ
・HDMIケーブル
【基本的な手順】
- iPhoneと変換アダプタ、HDMIケーブルをそれぞれつなぐ
- HDMIケーブルをカーナビにつながるHDMIポートに挿す
- ナビ側のオーディオソース画面で「HDMI」を選択
ミラーリングにあたって、iPhone自体から特別な操作をする必要はありません。
iPhoneの接続で使うHDMI変換アダプタは、純正品の使用をお勧めします。純正品でない場合は接続が上手くいかないこともあるためです。
Androidでのミラーリング手順(無線)
Androidの場合、「Miracast」という機能を搭載した機種で、且つナビ側もMiracastに対応していれば無線でミラーリングを行えます。ここでは、Miracastを使ったミラーリング方法を解説します。
・Androidスマホ本体のみ
【基本的な手順】
- カーナビ側のオーディオソース画面で「Miracast」を選択
- スマホ画面を上から下にスワイプし「Smart View」ボタンを押す
- スマホ画面で「CAR MULTIMEDIA」を押す
- スマホ画面とナビ画面でそれぞれ共有許可のボタンを押す
スマホ或いはナビにMiracastの機能がない場合は、iPhoneと同様に変換アダプタやケーブルを使って接続します。
この方法のメリット/デメリット
ミラーリングによるYouYube視聴のメリット/デメリットは以下の通りです。
メリット | ・WiFiやテザリングによるネット接続が不要 ・他の方法に比べて安価 |
---|---|
デメリット | ・スマホ側でしか画面の操作ができない ・スマホ側で通話など他の操作をしづらい |
視聴法②ストリーミング機器の使用
Fire TV Stickなどのストリーミング機器を使う場合、基本的なやり方はiPhoneのミラーリングと同じで製品や付属のコードをつなぐだけです。
基本的な手順
・ストリーミング機器本体(Fire TV StickやChromecast)
・付属ケーブル
・付属リモコン
・スマホまたはWiFiルーターなど(通信用)
【基本的な手順】
- 自宅などでデバイスの初期設定を済ませる
- ガジェット本体と付属ケーブルをつなぐ
- ガジェットと本体をHDMIポートに、付属ケーブルをUSBポートに挿す
- ナビ側のオーディオソース画面で「HDMI」を選択
- 通信環境の設定を行う(テザリング等実施)
初期設定には一定の時間がかかり、且つWiFi接続が必要です。ここでモバイルデータ通信を使うとデータ容量の消費が激しいので、事前に自宅のテレビなどを使って初期設定を済ませると良いでしょう。
この方法のメリット/デメリット
ストリーミング機器を使ったYouTube視聴のメリット/デメリットは以下の通りです。
メリット | ・スマホを自由に使うことができる ・リモコン操作なので、どの席でも使いやすい |
---|---|
デメリット | ・製品自体の購入が必要(約5000円~) ・HDMIとUSBへの接続が必要 |
おすすめ製品①Fire TV Stick
Amazonが発売している機器です。安価なモデルであれば、セール時に5,000円程度で手に入ります。小さな画面で映像を見る分には、安価な製品でも特に問題ないでしょう。
おすすめ製品②Chromecast
こちらはGoogleが販売している機器です。現在の製品は概ね8,000円程度から売っています。機能はFire TV Stickと大きく変わりませんが、検索をより柔軟に、幅広く行える点が魅力です。
視聴法③AI BOXの使用
AI BOXとは、カーナビやディスプレイオーディオをスマホ画面のように使えるアイテムです。YouTubeをはじめとする各種動画配信サービスやGoogleマップを自由に使えます。
基本的な手順
・AI BOX本体
・付属ケーブル
・スマホまたはWiFiルーターなど(通信用)
【基本的な手順】
- AI BOX本体と付属ケーブルをつなげる
- 付属ケーブルを接続用USB電源につなげる
- AI BOXが起動し、ナビ画面が切り替わる
- ホーム画面から通信環境の設定を行う(テザリング等実施)
車載のUSB電源には、接続用と充電用の2タイプが存在します。接続用は枝分かれしたようなデザイン、充電用は雷マークのついたデザインです。
USB電源1つで電圧が足りない場合は「起動できません」などの表示がナビ画面に出てきます。この場合は、他のケーブルを使って本体とUSB電源をさらにつなぎましょう。
この方法のメリット/デメリット
AI BOXを使用したYouTube視聴のメリット/デメリットは以下の通りです。
メリット | ・HDMIのないナビでも使用可能 ・配線が短く、見た目がスッキリする |
---|---|
デメリット | ・比較的新しいナビが必要 ・製品自体が高価(数万円) |
おすすめ製品①Ottocast
AI BOXのなかで最も有名なブランドといえる代表製品です。さまざまなバージョンがありますが、どれも製品価格は数万円します。少し高価な製品を購入すれば、ナビ画面の2画面分割なども可能です。
現在多く出回っているのは「P3」シリーズで、価格は6万円ほどです。
おすすめ製品②Ottocast Car TV Mate
Ottocast P3などの半額程度の価格で、HDMI入力に対応している製品です。この製品単体ではYouTubeなどを視聴できませんが、Fire TV Stickなどとつないで利用できます。
ottocast単体に比べて配線は複雑ですが、安価に済ませたい場合におすすめの製品です。
おすすめ製品③APPCAST Ⅱ
APP(エーピーピー)CASTは、国産メーカーであるKEIYOの製品です。
APPCAST Ⅱにはリモコンが付いており、リモコンの裏側にはキーボードも付いているので入力が楽にできます。また、後部座席の画面にも映像を映し出せるなど高性能です。
「ながら運転」での違反について
動画を見ながらの運転は重大な事故リスクにつながる他、道路交通法違反に問われる可能性もあります。注意しましょう。
ながら運転の定義
ながら運転に関わる行為として、道路交通法では以下のような行為が禁止されています。
- 走行中にスマホや車内電話、トランシーバーを手に持ち通話する
- 走行中にカーナビやスマホ、パソコンやゲーム機の画面を注視する
この「注視」については明確な定義がないものの、目安時間は2秒のようです。
違反時のペナルティ
画像注視によるペナルティの内容は「事故を起こしていないが注視していた場合」と「注視による事故など交通の危険を生じさせ場合」で異なります。
注視のみの場合 | |
---|---|
罰則 | 6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金 |
反則金 | 18,000円(普通車の場合) |
違反点数 | 3点 |
交通の危険を生じさせた場合 | |
罰則 | 1年以下の懲役または30万円以下の罰金 |
反則金 | 適用なし(※裁判で罰則決定) |
違反点数 | 6点(免許停止処分) |
交通の危険を生じさせた場合は、一度の違反で免停となってしまいます。違反以前に人の命に関わることなので、ドライバーの方はルールを守って運転しましょう。
norico編集部おすすめ記事
動画を見ない場合も、Bluetooth機能を使えば音楽を楽しめます。
また、現在は社外品でもApple CarPlay対応ナビ/ディスプレイオーディオが販売されていますので、購入のヒントにしてください。
- Supervised by norico編集長 村田創
-
中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!