SUVテイストの軽スーパーハイトワゴン、スペーシアギア。アウトドア志向の人と相性の良い一台ですが「乗り心地が悪い」「買って後悔した」といった意見もゼロではありません。ここでは、スペーシアギアに多い辛口評価と魅力、購入時の注意点を分かりやすく解説しています。
スペーシアギアは買って後悔する車?
「内装が安ぽっぽい」「乗り心地が悪い」等の辛口評価が見られるスペーシアギア。しかし、一概に「買って後悔する車」とも言えません。
スペーシアギアの課題と魅力を知った上で購入すれば、後悔のリスクは低いです。ここでは、よくある辛口評価の中身と魅力を解説します。
選ぶモデルによっても評価は変わる
スペーシアギアには、以下のように初代モデルと2代目モデルが存在します。
- 初代(2018年12月〜2023年11月)
- 2代目(2024年9月~)
現行モデル(2代目)のスペーシアギアは、まだ発売からの年月が短いです。そのため、スペーシアギアの辛口評価は初代モデルの内容を指していることも多いです。
また、現行モデルでも駆動方式(2WD/4WD)やエンジンの種類(ノンターボ/ターボ)によって性能が異なります。
スペーシアギアで多い辛口評価5つ
ここでは、スペーシアギアで多い辛口評価の内容を1つずつ解説します。
①車両価格が高い
以下に、現行モデルのスペーシアギアとライバル車種の新車時価格を並べました。
※価格情報は2025年7月22日時点のガリバー「車カタログ」より引用
- スペーシアギア:195.3万円~215.7万円
- N-BOX JOY:190万円~232.4万円
- タント ファンクロス:177.6万円~202.4万円
- デリカミニ:183.7万円~227.2万円
軽スーパーハイトワゴンでアウトドア志向の強い車種は、どれも新車時価格が200万円前後。スペーシアギアが飛びぬけて高額な訳ではありません。しかし、車両の最低価格に関しては、4車種でスペーシアギアが最も高いです。
②価格の割に内装が安っぽい
スペーシアギアは、コンパクトカーやコンパクトSUVとほぼ同等の価格で販売されています。しかし、内装は樹脂素材が中心で「全体的に安っぽい印象」という評価が少なくありません。
樹脂素材が多いのは多くの軽自動車の共通項ですが、スペーシアギアはインパネアッパーボックス部分が目立ち、余計にチープ感を覚えやすいのかもしれません。
③悪路走破性が高くない
スペーシアギアはSUV風に仕上げられた車ですが、ベース車両はスーパーハイトワゴンのスペーシアです。軽SUVのハスラーのように最低地上高が高い訳でなく、それ故にSUVのような悪路走破性の高さはありません。
深い雪道などでは、スタックしてしまう可能性もあります。
④高速道路で音が大きく、非力
スペーシアギアは全車マイルドハイブリッド搭載で、一般的な軽自動車と比べれば静粛性が高いです。
しかし、全高が高いからこそ風の影響を受けやすく、「風切り音が気になる」という声も。また、軽自動車であるが故にパワーがなく、高速道路ではエンジンの回転音が気になる一方で思うように加速しません。
⑤乗り心地が悪く、走行安定性が低い
スペーシアギアは乗り心地が硬めで、凹凸のある場所では突き上げ感を感じることも多いです。また、全高の高い車なので横風などの影響を受けやすく、走行安定性もやや低いです。
同じスーパーハイトワゴンでも、三菱のデリカミニ(4WD車)や日産のルークスは走行安定性が高いです。
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スペーシアギアの魅力4つ
スペーシアギアは辛口評価も少なくありませんが、高い実用性を備えた車であり、以下のように多くの魅力を有しています。
①ライバルを圧倒する燃費性能
以下に、スペーシアギア(現行モデル)と主なライバル車種のWLTC燃費をまとめました。
- スペーシアギア:19.8~23.9km/L
- N-BOX JOY:18.4~21.3km/L
- タントファンクロス:18.2~21.9km/L
- デリカミニ:17.5~20.9km/L
前述の通り、スペーシアギアは全車マイルドハイブリッド搭載で燃費性能が非常に優れています。デリカミニもマイルドハイブリッド搭載ですが、こちらは燃費改善というより走行の補助を目的としたシステムといえます。
②軽自動車トップクラスの安全性能
現行モデルのスペーシアギアは、ベースモデルのスペーシアとともに軽自動車でトップクラスの予防安全装備や運転支援機能を備えた車です。以下のように、多くの車種でオプション/グレード別装備となっているものを全車で備えています。
- 標識認識機能
- ヘッドアップディスプレイ
- アダプティブクルーズコントロール
- 車線維持支援機能
- ハイビームアシスト
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③抜群の後部座席の快適性
現行モデルに関しては、後部座席の快適性も大きな魅力です。多くの軽自動車で見られないアームレストや、使い方次第でオットマンや荷物ストッパーになる「マルチユースフラップ」を備えています。
また、シートバックテーブルやロールサンシェード、USB電源なども備えており、後席でもスライドやリクライニングが可能です。
④アウトドア対応の撥水・防汚機能
スペーシアギアはアウトドア志向の消費者をターゲットに造られており、シートには撥水加工の素材が使われています。また、防汚タイプのラゲッジフロアも採用されているので、汚れたものを置きやすいです。
スペーシアギア購入時の注意点3つ
スペーシアギアの購入では、自分の目的に合ったモデルを選択しましょう。
①総合力重視なら現行モデルを選択
スペーシアギアの2代目と初代では、燃費性能や安全性能、快適性など多くの面で実力差があります。そのため、全体的な性能重視であれば現行モデルを購入するのがおすすめです。
少しでも安く購入したいのであれば、中古で届出済み(登録済み)未使用車を見てみると良いでしょう。一方、とにかく価格重視であれば型落ちして相場価格の下がった初代モデルをお勧めします。
②パワー重視ならターボ車を選択
高速道路や坂道での走行が多い場合は、ターボエンジン搭載車を選びましょう。軽自動車はどの車も排気量が660cc以下となっていますが、ターボエンジンを搭載していれば排気量相当以上のパワーが生まれます。
③乗り心地重視なら4WDを選択
硬めの乗り心地が気になる場合は、4WD車を選びましょう。4WD車のほうが前後バランスが取れており、少し乗り心地が良くなります。また、全体的な走行安定性も高くなります。
なお、乗り心地が気になる場合はサスペンションを柔らかめのものに交換して改善する方法もあります。
結局スペーシアギアは買っていい車?
スペーシアギアは車両価格や乗り心地といった面で課題があるものの、燃費の良さや快適性など多くの魅力を備えた車です。使い方次第では、非常に良いパートナーとなるでしょう。
スペーシアギアがおすすめの人は?
以下のような人は、スペーシアギアとの相性が良いでしょう。
- 内装より外観を重視している
- 気軽にアウトドアを楽しみたい
- 小さな子どもがいる
スペーシアギアは、その個性的な外観が魅力の一つ。内装より外観重視であれば、選んで損はないでしょう。また、撥水加工や防汚加工がされている点でアウトドア利用にも向いていますし、小さな子どもがいても飲みこぼしなどに対応しやすいです。