RZ系ZR-V vs 中古車80系ハリアー徹底比較!中古車なら1クラス上のラグジュアリーSUVに乗れる!

RZ系ZR-V vs 中古車80系ハリアー徹底比較!中古車なら1クラス上のラグジュアリーSUVに乗れる!

人気が続いているSUVは、大きくアウトドア系SUVと都会派系SUVに分けられる。
アウトドア系SUVは、オフローダー的な内外装で、キャンプやアウトドアスポーツなどに似合う。対する都会派系SUVは、都市でも似合うスタイリッシュなデザインが特徴。高級世代並みの上質な内外装をもつラグジュアリーSUVも含まれる。

今回紹介するRZ系ZR-Vは、都会派系SUVの中でも異彩を放つスポーティSUVだ。比較対象にはラグジュアリーSUVの代名詞である80系ハリアーを選択。1クラス上のハリアーでも中古ならZR-Vの新車価格と同等程度の予算で買える。
この二車種を種底比較した。

ホンダZR-V(RZ系)の特徴

RZ系ZR-Vの車両画像の全景

※上図:RZ系ZR-Vの全景

ホンダRZ系ZR-Vは、2023年4月に販売開始した。SUVのコア価値である「実用性」と、最新の安全装備をはじめとした高い安全性により生み出される「信頼感」。異彩を放つ存在感のある「デザイン」そして、爽快かつ快適な「走り」というすべての要素を兼ね備えることを目指して開発された。

さらにZR-Vは、運転のしやすさに寄与する爽快な視界を追求した。視線移動時の「流れを乱さない」「流れを切らない」「挙動を掴みやすくする」という3つのポイントを重視し、自車の向きや車両感覚を把握しやすい工夫をクルマの内外に施している。

搭載されているパワートレインは2種類だ。ひとつがスポーツe:HEV(イー・エイチ・イー・ブイ)。2.0L直噴エンジンに走行・発電を行う2つのモーターを組み合わせたハイブリッドシステムだ。もうひとつが1.5L直列4気筒直噴VTECターボ+CVTである。駆動方式はそれぞれに2WD(FF)と4WDを用意している。

安全装備は、全グレードに最新の安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダセンシング)」を採用した。
さらに、ホンダ車専用車載モジュールを搭載し、新世代コネクテッド技術「Honda CONNECT」が実現する安心・安全なカーライフサポートサービス「Honda Total Careプレミアム」を利用することができる。

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80系トヨタ ハリアーの特徴

80系ハリアーの車両画像の全景

※上図:80系ハリアーの全景

2020年に登場したトヨタ80系ハリアーは、見て、乗って、走り出した瞬間に心に響く感性品質を重視。実用性や数値一辺倒ではない、人の心を満たしてくれる存在を目指して開発された。SUVのカテゴリーを超え、“より人生を豊かにするパートナー”という新たな価値を提供するモデルだ。
新たな価値の代表例として、調光ガラスを用いた電動シェード付パノラマルーフをトヨタ車で初採用した。調光時には、障子越しのような柔らかい光が差し込む上質な空間を演出している。

80系ハリアーに搭載されるパワートレインは、2.5Lエンジンのハイブリッド、2.5Lエンジンのプラグインハイブリッド、2.0Lエンジンの3種類だ。駆動方式は4WDを中心に2.5Lハイブリッド、2Lガソリン車に2WD(FF)を用意している。

クルマの骨格であるプラットフォームには、TNGAプラットフォーム(GA-K)を採用した。ボディの高剛性化・低重心化を実現し、ドライバーの感性を重視した乗り心地と走りを両立している。
また、新しいショックアブソーバーによって、走り出した瞬間や高速走行時の車両の挙動の収束性を向上させている。接地感あるフラットな乗り心地が特徴的だ。

安全装備では、予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を装備。プリクラッシュセーフティをはじめとする様々な機能がパッケージ化されている。
さらに、駐車場など低速走行時における衝突緩和、被害軽減に寄与するインテリジェントクリアランスソナー[パーキングサポートブレーキ(静止物)]などの安全・安心をサポートする装備も充実。加えて走行中の前後方向映像を録画可能なデジタルインナーミラーをトヨタ自動車で初採用している。

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エンジンの排気量は異なるが、燃費性能はほぼ互角

1.燃費性能

新車 ZR-V(RZ系)の評価は4.0
中古車ハリアー(80系)の評価は4.5

ZR-Vの燃費(WLTCモード)は下記の通り。

  2WD 4WD
2.0Lハイブリッド 22.0~22.1km/L 21.5~21.7km/L
1.5Lターボ 13.9km/L 14.5km/L

ハリアーの燃費は下記の通り。

  2WD 4WD
2.5Lハイブリッド 22.3km/L 21.6km/L
2.5Lプラグインハイブリッド 20.5km/L
2.0Lエンジン 15.4km/L 14.7km/L


ZR-V、ハリアーともに、エンジンを横置きしたFF(前輪駆動)のレイアウトを採用している。ZR-Vに搭載しているパワートレインは、e:HEVという2.0Lエンジンに2つのモーターを組み合わせたハイブリッドシステムと、1.5Lターボエンジンの2種類だ。
対する80系ハリアーのパワートレインは、2.5Lエンジンのハイブリッド、プラグインハイブリッド、2Lエンジンの3種類だ。

ZR-VはCセグメントのSUVだが、80系ハリアーはボディサイズがひと回り大きく、エンジン排気量も0.5L大きい。
ハイブリッドの燃費性能を比較すると、ZR-Vが21.5~22.1km/L、80系ハリアーは21.6~22.3km/Lだ。80系ハリアーのほうがエンジンの排気量は大きい上に、燃費も上回っている。これは80系ハリアーがモーターを効率良く使用しているということの表れだ。

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両車のボディサイズは以下の通りだ。

  • ZR-V :全長4,570mm×全幅1,840mm×全高1,620mm
  • 80系ハリアー:全長 4,740mm×全幅1,855mm×全高1,660mm

80系ハリアーのほうが全長170mm、全幅15mm、全高40mm上回り、室内空間の広さにつながっている。

両車の車両重量は以下の通り。

  • ZR-V e:HEV2WD:1,560~1,580kg
  • 80系ハリアーハイブリッド2WD:1,650~1,690kg

80系ハリアーハイブリッド2WD車のほうが約100Kg重い。車両重量が重く、その上エンジンの排気量が0.5Lも大きいにもかかわらず、80系ハリアーハイブリッドの燃費性能はZR-Vを上回っているのだからユーザーに支持されるのも納得だ。

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2022年式ハリアーハイブリッドと新ZR-V e:HEVが同レベルの価格帯に

2.価格比較

新車 ZR-V(RZ系)の評価は3.0
中古車ハリアー(80系)の評価は3.0
※中古車相場は、2025年5月調べ

ZR-Vとハリアーの最量販グレード新車価格と中古車相場を以下の通り。

  • ZR-V e:HEV Z 2WD(新車価格):415万9100円
  • ハリアー ハイブリッドZ レザーパッケージ 2WD 2022年式(中古車相場):約370万円~420万円

ハリアーの流通している中古車のグレードを見てみると、ハイブリッド車、ガソリン車ともに最上級グレードのZグレードが多い。なかでもハイブリッド車は、本革シートを標準装備したZレザーパッケージが人気だ。


ハリアーの全グレードに標準装備されているのは、電動調整機能付きの本革シートをはじめ、ハンズフリーバックドア、ディスプレイオーディオ(コネクティッドナビ対応)Plus、19インチアルミホイールなど。オプションのAC100V/1500Wのアクセサリーコンセントや置くだけ充電は、最上級グレードならば装着率は高くなると考えて良い。

対するZR-V e:HEVの上級グレードであるZに標準装備されているのが、本革シートと荷物の出し入れに便利なパワーテールゲートや、ナビゲーションシステムだ。ハリアーハイブリッドではオプションとなっている「置くだけ充電」は標準装備だが、アクセサリーコンセントの設定はない。

運転支援機能は、ZR-V、ハリアーともにまだ登場して5年以内のモデルなので、機能差はほとんどない(2025年5月現在)。

ハリアーのリセールバリューはかなり高い。2022年式でも、新車よりやや安価といったところだ。中古車としてはそれほど買い得感がある車種ではない。
だが、ハリアー中古車価格とZR-Vの新車価格は同等レベル。これは ZR-Vの新車価格が高めであるために生じている。価格帯が近いので、1クラス上であるハリアーのボディサイズや燃費性能、強力なブランド力が魅力的に見えてくるだろう。

新車であることの優先順位が高い人や、ホンダファン、個性的なデザインを求めるのであれば、新車ZR-Vがおすすめだ。

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両車値引き額が拡大中のZR-V。の平均値引き額は20万円と好調

3.購入時の値引き術

新車 ZR-V(RZ系)の評価は4.0
中古車ハリアー(80系)の評価は3.5

2023年デビューのZR-Vだが、 新車の値引き額は徐々に拡大中。値引き額も平均で約20万円、最大で約30万円と大きくなりつつある。マイナーチェンジまで、値引き額は徐々に拡大していくと予想できる。

より大幅な値引きを引き出すためには、新車のRAV4やエクストレイルなどと競合させることが重要だ。相見積りを取ることで、他社に負けじと値引き額が増える可能性がより高くなるので、じっくりと時間をかけて商談したい。
また、現金値引きが厳しい場合、ディーラオプションやボディコーティングなどの無料サービスを要求するのもおすすめだ。

ハリアーは中古車なので、値引きはないと考えたい。中古車は総額表示のため、値引き提案があった場合、その販売店の信用度は低いと考えたほうが良いだろう。特に、人気のハリアーであればなおさらだ。
また、ローンやボディコーティングなど、後から条件を付けてくる中古車店も避けるべきだ。

攻めたデザインのZR-Vとコンサバなハリアー

4.デザイン比較

新車 ZR-V(RZ系)の評価は4.0
中古車ハリアー(80系)の評価は4.0

ZR-V:好き嫌いが明確に出るデザイン

RZ系ZR-Vの後景

※上図:RZ系ZR-Vの後景

ZR-Vのエクステリアデザインが目指したものは、「GRAMOROUS×ELEGANT」な世界観と、SUVらしい力強さを同時に表現することだ。そのために“造形そのもので力強さを感じさせたい”という考えから、球体のもつ力強さに着目している。
前後に長い楕円体をモチーフに、前端を潔く切り落とすことで、流麗かつ均整の取れた造形を創出。力強くグラマラスなプロポーションをベースとし、台形スタンスと大径タイヤによって安定感を表現している。

RZ系ZR-Vのフロントフェイスの画像

※上図:RZ系ZR-Vのフロントフェイス

ZR-Vのフロントビューは、先述の楕円形の先端を大胆に切り落としたような造形とすることにより、独特の個性を生み出している。フロントグリルを基点にシャープなラインを放射状に走らせることで、ボディサイドへの連続性を強調し、クルマ全体としての一体感や塊感を演出している。

フロントグリルを基点とした楕円体のイメージは、フロントサイドでなめらかに受け継がれている。リアに向かって増幅したボリュームからは、力強さを感じさせる。隆起したリアフェンダーのスポーティなスタンスは、SUVの新しい美しさを提供している。

RZ系ZR-Vのリヤエンドの画像

※上図:RZ系ZR-Vのリヤエンド

リアビューは、下回りにボリュームを持たせた台形スタンスにより安定感と力強さを強調。連続した滑らかな面で構成し、上質な色気も感じさせる。ボリューム感のある下まわりは、隆起したフェンダーやふくよかなコーナー部との相乗効果によりワイド感を強調している。

全体的に、ホンダ車らしいユニークなデザインが特徴だ。好き嫌いが明確に出やすいデザインとも言える。

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ハリアー:万人受けする無難なデザイン

80系ハリアーの後景

※上図:80系ハリアーの後景

ハリアーのデザインコンセプトは「Dignified Elegance(大いなる逞しさ)」だ。コンセプトを支える外観デザインのキーポイントは以下の通り。
「Graceful life」を彩る華美でも無骨でもない、洗練さを持ったSUV
流麗なクーペキャビンとスポーツカー並の逞しいスタンスによる独自の佇まい
あらゆるシーンにマッチしつつ映える、シンプルで研ぎ澄まされた存在感

80系ハリアーのフロントフェイスの画像

※上図:80系ハリアーのフロントフェイス

ハリアーのフロントマスクは、フロントアッパーグリルからヘッドランプへと流れるような連続性により、精悍かつシャープな印象を際立たせている。
サイドビューはできるだけ無駄なラインを排除したシンプルな構成でありながらも、ダイナミックにボディ断面が変化していく。豊かな表情を創出するとともに、強い動感も表現していている。

80系ハリアーのリヤエンドの画像

※上図:80系ハリアーのリヤエンド

ハリアーのリアビューは、絞り込まれたクーペキャビンと、スポーツカーのように左右に張り出したホイールハウスとの組み合わせにより、逞しさを演出している。細く、鋭く、横一文字に光るテールランプは、ワイド感と低重心、圧倒的な存在感を醸し出している。全般的に万人受けするデザインで、多くの人から高い好感度が得られているのが特徴だ。

両車ともスポーティさを強調したデザインだが、ZR-Vはアスリートのような逞しさを表現。対する80系ハリアーは美しさとエレガントさを強調したデザインだ。

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室内の居住性は数値以上にハリアーが優位!?

5.室内空間と使い勝手

新車 ZR-V(RZ系)の評価は4.0
中古車ハリアー(80系)の評価は4.5

ZR-Vと80系ハリアーのボディサイズ・室内サイズ・荷室容量を比較した。

ZR-V

ボディサイズ 全長4,570mm×全幅1,840mm×全高1,620mm
ホイールベース 2,655mm
室内サイズ 室内長1,930mm×室内幅1,530mm×室内高1,195mm
荷室容量 395L


ハリアー

ボディサイズ 全長4,740mm×全幅1,855mm×全高1,660mm
ホイールベース 2,690mm
室内サイズ 室内長1,880mm×室内幅1,520mm×室内高1,215mm
荷室容量 409L

RZ系ZR-Vの運転席の画像


※上図:RZ系ZR-Vの内装:運転席<の画像/p>

RZ系ZR-Vの内装:後席の画像

※上図:RZ系ZR-Vの後席

ZR-V、ハリアーともにスタイリッシュなクーペスタイルのSUVだが、全長、全幅、全高すべてにおいて、1クラス上のハリアーが上回っている。この数値差は、室内空間やラゲッジルームの広さに影響している。

80系ハリアーの内装:運転席の画像

※上図:80系ハリアーの運転席

80系ハリアーの内装:後席の画像

※上図:80系ハリアーの後席

室内長は、カタログ上の数値ではZR-Vのほうが長い。だが実際のリアシートの居住性は、80系ハリアーのほうが余裕がある。リアシートに頻繁に人を乗せるというのであれば、80系ハリアーが喜ばれるだろう。

RZ系ZR-Vの荷室の画像

※上図:RZ系ZR-Vの荷室

80系ハリアーの荷室の画像


※上図:80系ハリアーの荷室
ラゲッジルームの容量も、ハリアーハイブリッドがやや上回っている。両車共に都会派SUVとして居住空間を重視した結果、荷室容量は少なめだ。荷物を多く積む人は、ZR-Vやハリアー以外の車種を選ぶとことをお勧めしたい。

運転支援機能はほぼ互角。ハリアーのドライバー異常時対応システムは高評価ポイント

6.安全装備&運転支援機能の比較

新車 ZR-V(RZ系)の評価は4.0
中古車ハリアー(80系)の評価は4.0

RZ系ZR-Vのインパネデザインの画像

※上図:RZ系ZR-Vのインパネデザイン

ZR-Vは2023年に登場したモデルということもあり、運転支援機能を含めた予防安全装備は、国産SUVの中ではトップレベルの充実度を誇る。

RZ系ZR-Vのメーターの画像

※上図:RZ系ZR-Vのメーター

ZR-Vは、16の機能がパッケージ化されたホンダの安全運転支援システム「ホンダセンシング」を標準装備している。フロントワイドビューカメラは約100度の有効水平画角をもつ広角カメラと高速画像処理チップにより、対象物の検知制動を高めている。また前後バンパーに4カ所ずつ設置されたソナーセンサーは、近距離の外壁やガラスなどを高い精度で検知。踏み間違いなどによる誤発進の抑制や衝突の回避に貢献している。

80系ハリアーのインパネデザインの画像

※上図:80系ハリアーのインパネデザイン

対するハリアーは2020年に登場し、2022年に一部改良を実施した。8つの機能がパッケージ化された予防安全パッケージの「トヨタセーフティセンス」を全車に標準装備。さらに上級グレードには、パーキングサポートブレーキ(後方接近車両)+ブラインドスポットモニターを標準装備している。

ドライバー異常時対応システムも搭載している。ドライバーの無操作状態が継続している場合、音と表示と緩減速による警告でドライバーに操作を促す機能だ。さらにハザードとホーンで車外に異常を報知しながら自車線内に減速停車し、自損・加害事故の回避・事故被害低減を支援する。作動シーンは限定的だが、車両の暴走による2次被害軽減に大きなメリットがある。

80系ハリアーのメーターの画像

※上図:80系ハリアーのメーター

また、ハリアーは2022年の改良で、トヨタセーフティセンスの機能がかなり向上している。予算にもよるが、中古車ハリアーを購入する場合、なるべく2022年の改良後モデルがお勧めだ。

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ドライバーが楽しいZR-V。ラグジュアリーな空間で快適に移動できるハリアー

7.走行性能の比較

新車 ZR-V(RZ系)の評価は4.5
中古車ハリアー(80系)の評価は4.5

ZR-Vとハリアーのパワートレインスペックは以下の通り。

ZR-V

ハイブリッド用2.0L直4エンジン

  • 最高出力141ps、最大トルク182N・m
  • フロントモーター最高出力184ps、最大トルク315N・m

1.5L直列4気筒DOHCターボエンジン

  • 最高出力178ps、最大トルク240N・m

ハリアー

ハイブリッド用2.5L直4エンジン

  • 最高出力178s、最大トルク221N・m
  • フロントモーター最高出力120ps、最大トルク202N・m
  • リアモーター最高出力54ps、最大トルク121N・m
  • システム最高出力 222㎰(E-Four)

2L直4エンジン

  • 最高出力171ps、最大トルク207N・m
ZR-V:意のままに走れる走行性能が魅力

RZ系ZR-Vのエンジンルームの画像

※上図:RZ系ZR-Vのエンジンルーム

ZR-V e:HEVに試乗してみると、高い静粛性とスムーズな加速性能に驚かされる。これはe:HEVという、2.0Lエンジンと2モーターを採用したハイブリッドシステムの賜物だ。


市街地走行では、モーターのみによる走行領域を従来のハイブリッドシステムに対して20%拡大した。EVモードからハイブリッドモードへの切り替えも一段とスムーズになり、いつエンジンが掛かったのかわからないほど、音と振動が抑えられている。

高速道路やワインディングを走行しても、モーター駆動らしくアクセルレスポンスに優れ、スポーティな走りを味わうことができる。ZR-Vの最大の魅力は、優れたハンドリング性能だ。ドライバーのハンドル操作に対して、リニアに反応し、切った分だけピタッと曲がってくれるので、自分のスキルが上がったように感じる。

また、高いボディ剛性によりリアのねじれ剛性も向上している。そのため、ハンドルを操作してからのボディの動きの遅れを感じることがなく“気持ちの良い走り”ができる。荒れた路面や良路問わず、しなやかな乗り心地もZR-Vの美点だ。

ハリアー:ラグジュアリーSUVらしさにこだわった動的質感

80系ハリアーのエンジンルームの画像

※上図:80系ハリアーのエンジンルーム

ハリアーハイブリッドのプラットフォームには最新のGA-Kを採用しており、走りの質感も向上している。搭載するハイブリッドシステムの基礎となる2.5Lエンジンは、ダイナミックフォースエンジンに変更。熱効率は41%を実現した。システム最高出力は222ps(E-Four)と高出力を誇りながらも、WLTCモード燃費は21.6km/Lだ。高出力と低燃費性能を両立している。

さらに、歴代ハリアーの美点でもある静粛性にこだわった。ボディ各部に吸遮音材を最適に配置したうえ、高遮音ガラスを採用した。徹底した振動対策を施しており、高い静粛性を実現している。

ハリアーのアクセルペダルをグッと踏んでスタートさせても、エンジン音はほとんど車内に侵入しない。加速しても静粛性や振動の少なさは変わりなく、シームレスで質感の高い走行性能を体感できる。

ハリアーの乗り心地は、しっとりとしたソフト系で快適性重視だ。カーブ時の車体の傾きもしっかり抑えられており、非常にフラットな姿勢でカーブを抜けていく。

高い静粛性を求めるならハリアー、スポーティなハンドリングならZR-Vをお勧めしたい。

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ほぼ互角のリセールバリューだが・・・

8.リセールバリュー比較

新車 ZR-V(RZ系)の評価は4.5
中古車ハリアー(80系)の評価は4.5

ZR-V e:HEVとハリアー ハイブリッドの中古車相場は以下の通り(2025年5月調べ)。

ZR-V e:HEV

  • 中古車相場(2023年式):約300~380万円
  • 当時の新車価格:約328~412万円
  • 中古車相場の新車価格比:約91~92%

ハリアーハイブリッド

  • 中古車相場(2023年式):約370~450万円
  • 当時の新車価格:約412~515万円(Sグレードを除く)
  • 中古車相場の新車価格比:約87~90%

ZR-V e:HEVの2023年式中古車相場は、新車価格に対して約91~92%と高値を維持。リセールバリュはかなり高い。
同様にハリアーハイブリッドの2023年式中古車相場も、新車価格に対して約87~90%という高値を維持。高リセールバリューモデルであることが分かる。最大で約5%とわずかな差なので、ほぼ互角のリセールバリューといえるだろう。

ただ、中長期的にみると、ややハリアーハイブリッドのリセールバリューが優位になると予想できる。2025年4月現在、ハリアーはデビューから5年が経過し、モデル後期に入っている。通常なら、競争力は低下しリセールバリューも下がってもいい状況だ。それでも高セールバリューを維持できているのは、ハリアーの圧倒的なブランド力に他ならない。

ZR-Vのブランド力が、どうなるかは不透明だ。だがに、長期に渡り築き上げてきたハリアーブランドには敵わないだろう。

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リセールバリューを考えればブランド力の強い80系ハリアーが狙い目

9.まとめ・総合評価

新車ZR-Vがお勧めな人
  • スポーティな走行性能重視
  • ホンダファン
  • ユニークなデザインが好き

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中古車ハリアーがお勧めな人
  • 燃費重視(ハイブリッド)
  • ラグジュアリーな内外装と広い居住性重視
  • 静粛性や乗り心地が大事
  • 高リセールバリューを期待

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ZR-Vの登場は2023年、80系ハリアーは2020年だ。しかし80系ハリアーは2022年にアップデートしているので、運転支援機能やコネクテッドサービスでの差は見られない。

ZR-Vのスポーティな走行性能は、トップレベルの実力と言える。だが、1クラス上のハリアーと比べると、室内の広さや装備面で若干物足りない。また、燃費性能もハリアーが上回る。

中古車ハリアーは、新車ZR-Vと同等レベルの価格帯になってきた。中古車だと、予算面での選択肢がグッと広がるメリットがある。同等レベルの予算なら、優先順位を付けて比較・検討してみると、自分にとってどちらにメリットがあるか明確になるはずだ。

  ホンダ ZR-V トヨタ ハリアー
総合得点(40点満点) 32.0 32.5
1.燃費 4.0 4.5
2.価格 3.0 3.0
3.購入時の値引きしやすさ 4.0 3.5
4.デザイン 4.0 4.0
5.室内空間と使い勝手 4.0 4.5
6.安全装備 4.0 4.0
7.走行性能 4.5 4.5
8.リセールバリュー 4.5 4.5

ホンダZR-V(RZ系)新車価格(2025年5月現在)

  X(2WD) Z(4WD)
1.5Lターボ(ガソリン車) 3,208,700円 4,028,200円
2.0L e:HEV(ハイブリッド) 3,558,500円 4,379,100円

トヨタ ハリアー(80系)新車価格(2025年5月現在)

  S (2WD) Z レザーパッケージ(4WD)
2.0Lガソリン 3,128,000円 4,538,000円
2.5Lハイブリッド 3,718,000円 5,148,000円

ホンダ ZR-V(RZ系)スペック

代表グレード e:HEV Z 2WD
全長×全幅×全高 4,570mm×1,840mm×1,620mm
ホイールベース 2,655mm
最低地上高 190mm
車両重量 1,580kg
エンジン型式 LFC
エンジンタイプ 直列4気筒DOHC
総排気量 1,993cc
最高出力 141ps(104kw)/6,000rpm
最大トルク 182N・m(18.6kgm)/4,500rpm
モーター型式 H4
モーター最高出力 184ps(135kw)
モーター最大トルク 315N・m(32.1kgm)
燃費(WLTCモード) 22.0km/L
駆動方式 前輪駆動(FF)
トランスミッション CVT
サスペンション型式 前:マクファーソンストラット式 後:マルチリンク式
タイヤサイズ 前後 225/55R18
最小回転半径 5.5m

トヨタ ハリアー(80系)スペック

代表グレード 2.5ハイブリッドZ 2WD
全長×全幅×全高 4,740mm×1,855mm×1,660mm
ホイールベース 2,690mm
最低地上高 190mm
車両重量 1,680kg
エンジン型式 A25A-FXS
エンジンタイプ 直列4気筒DOHC
総排気量 2,487cc
最高出力 178ps(131kw)/5,700rpm
最大トルク 221N・m(22.5kgm)/3,600~5,200rpm
モーター型式 3NM
モーター最高出力 120ps(88kw)
モーター最大トルク 202N・m(20.6kgm)
燃費(WLTCモード) 22.3km/L
駆動方式 前輪駆動(FF)
トランスミッション CVT
サスペンション型式 前:マクファーソンストラット式 後:ダブルウィッシュボーン式
タイヤサイズ 前後 225/55R19
最小回転半径 5.7m

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員