N-BOXカスタム(JF5/6)vsステップワゴンスパーダ(RP3/4/5)徹底比較!

N-BOXカスタム(JF5/6)vsステップワゴンスパーダ(RP3/4/5)徹底比較!

人気Mクラスミニバンである5代目ステップワゴンスパーダ。中古車なら、新車3代目N-BOXの新車価格で買えるようになってきた。

2024年11月現在のN-BOXカスタム(JF5/6型)は3代目だ。新車価格はほとんどのグレードで200万円を超えており、「庶民の足」とは言い難いモデルになっている。

一方、中古車5代目ステップワゴンスパーダ(RP3/4/5型)の中古車価格は徐々に下落傾向で買い得感が出てきている。これは6代目ステップワゴンの登場によるものだ。

N-BOXカスタムとステップワゴンスパーダの室内スペースを比べると、雲泥の差だ。広さでもコスパでも、中古5代目ステップワゴンスパーダに魅力を感じる。

そこで、新車3代目N-BOXカスタムと、中古5代目ホンダステップワゴンスパーダの燃費性能、価格、機能、デザインを徹底比較した。

ホンダ 3代目N-BOX(JF5/6)カスタムの特徴

3代目N-BOXカスタムの全景

※上図:3代目N-BOXカスタムの全景

3代目N-BOXカスタムは2023年10月に登場した。先代モデルは軽スーパーハイトワゴンのベストセラーモデルだった。その質感をさらにブラッシュアップしたモデルが3代目だ。

クルマの骨格に当たるプラットフォームは、先代モデルで採用した軽量・高剛性プラットフォームに磨きをかけた。走行安定性に加えて、静粛性が向上している。

 

3代目N-BOXカスタムの外観デザインは、フォーマルな印象を強めた。グロスブラックのパネルに6角形の吸気口を配置し、立体感のある緻密なデザインを採用したことが功を奏している。また、左右のポジションランプと中央のアクセサリーランプをつなげ、全幅いっぱいに光る横一文字ライトを採用。加飾に頼らずワイド感や存在感を上手に強調している。

広い室内空間は、インパネをはじめ、ドアライニングやシートをシームレスかつラウンドなイメージを表現した。乗員全員の一体感を強めるだけでなく、守られている安心感も得られる空間に仕上げている。

視界は特に配慮されている。フラットなダッシュボードに加えて水平基調のインストルメントパネルを採用。さらにフード稜線と窓ガラスの下端ラインを進行方向と平行に連続させることで、走行中のクルマの傾きや向きといった車両感覚が掴みやすくなった。

 

3代目N-BOXカスタムに搭載されている自然吸気エンジンとターボエンジンは、従来型から細部の制御を見直すことで扱いやすさを向上させている。組み合わされているトランスミッションのCVTは、これまで以上に無駄な動きをしない上質な走りを実現した。変速制御を細部まで見直し、ドライバーの意図しないG(加速度)の変化まで抑制する。また、燃費性能はWLTCモードで19.0~21.6km/Lと優れている。

 

安全装備では、先進の安全運転システム「ホンダセンシング」を全グレードに標準装備した。さらに近距離衝突軽減ブレーキと急アクセル抑制機能を加えた全13の機能でドライバー

の運転をサポートする。

また、ホンダの軽自動車として初採用したのが、世代コネクテッド技術を採用した車載通信モジュールである「ホンダコネクト」だ。より安心・快適なカーライフが楽しめるコネクテッドサービス「ホンダトータルケアプレミアム」を利用できる。

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ホンダ 5代目ステップワゴンスパーダ(RP3/4/5)の特徴

5代目ステップワゴンスパーダの全景

※上図:5代目ステップワゴンスパーダの全景

5代目ステップワゴンスパーダは、2015年4月より販売開始したミドルサイズミニバンである。最大の特徴は、リアに採用したワクワクゲートだ。縦開きだけでなく、横開き機能をプラスした。縦開きのデメリットは、後方に広いスペースがないとリアゲートが開閉できないことだった。しかし分割して横開きできるリアゲートをプラスしたことで、後方スペースが狭い所でも積載できるようになった。また、分割床下収納が可能なサードシートを使えば、リアゲートから車内へアクセスできるメリットもある。

 

デビュー当初、搭載されたパワートレインは1.5L直列4気筒ターボ+CVTのみだった(最高出力150ps、最大トルク203Nm)。

2017年9月に行われたマイナーチェンジの際に、スパーダにのみ2Lガソリンエンジンと駆動・発電用2つのモーターを組み合わせたハイブリッドシステム搭載車を追加した。当初「スポーツハイブリッドi-MMD」としていたが、その後「e:HEV」へと名称を変更している。

駆動方式は1.5Lターボ車が2WDと4WD、ハイブリッド車は2WDのみとなる。燃費性能は軽自動車のN-BOXに匹敵する燃費性能を実現している(WLTCモード)。

  • 1.5Lターボ車:13.0~13.6km/L
  • ハイブリッド車:20.0km/L

安全装備はホンダ独自の運転支援システム「ホンダセンシング」を用いた。デビュー当初は全車にオプション設定だったが、2016年5月の一部改良で、Bを除くグレードに標準装備化された。続く2017年9月に行われたマイナーチェンジで、全モデルに標準装備となり、歩行者事故低減ステアリング、さらにハイブリッド車にはアダプティブクルーズコントロール機能に時速0kmから作動する渋滞追従機能が追加されている。

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N-BOXのターボ車とステップワゴンのHV車はほぼ互角の燃費

1.燃費性能

新車3代目N-BOXカスタムの評価は4.0

中古車5代目ステップワゴンスパーダの評価は4.5

 

3代目N-BOXカスタムの燃費(WLTCモード)は下記の通り。

 

2WD

4WD

660㏄自然吸気エンジン

21.5km/L

19.4km/L

660㏄ターボエンジン

20.3km/L

18.4km/L 

5代目ステップワゴンスパーダの燃費は下記の通り。

 

2WD

4WD

1.5Lターボエンジン

13.6km/L

13.0km/L

2.0Lハイブリッド

20.0km/L 

-

3代目N-BOXカスタムに搭載されているパワートレインは、660㏄自然吸気エンジンとターボエンジンの2種類だ。マイルドハイブリッドシステムなどの設定はない。

対する5代目ステップワゴンスパーダは、1.5Lターボエンジンと2.0Lエンジンのハイブリッドが設定されていた。

5代目ステップワゴンスパーダが搭載している1.5Lターボエンジンの燃費は13.0~13.6km/Lと、3代目N-BOXカスタムとは比較にならない。しかし、2Lエンジンハイブリッドは20.0km/Lと優れた燃費性能を発揮しており、3代目N-BOXカスタムの660㏄ターボ2WD車の20.3km/Lとほぼ互角の数値となっている。

 

どちらも使用する燃料はレギュラーガソリンなので、経済性は3代目N-BOXカスタムが一見リードしているように見える。が、高速道路などを利用する機会が多いと5代目ステップワゴンスパーダのハイブリッド車のほうが有利だ。

車両重量は以下の通り。

  • 3代目N-BOXカスタム:910~940kg
  • 5代目ステップワゴンスパーダ:1,740~1,820kg

5代目ステップワゴンスパーダは、約2倍も重いにも関わらず、燃費性能は20km/Lを実現。燃費性能は素晴らしい。

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ナビゲーションなど人気のオプションを装着すると、N-BOXカスタムのほうが高額に!

2.価格比較

新車3代目N-BOXカスタムの評価は4.0

中古車5代目ステップワゴンスパーダの評価は4.5

 

3代目N-BOXカスタムの新車価格と、5代目ステップワゴンスパーダの中古車相場は以下の通りだ。

  • 【新車】3代目N-BOXカスタム ターボ2WD:206万9100円
  • 【中古車相場】5代目ステップワゴンスパーダ ハイブリッド(2018年式):約210~310万円
  • 【中古車相場】5代目ステップワゴンスパーダ ガソリン5Lターボ(2016年式):約150~210万円

※中古車相場は、2024年10月調べ

価格帯だけを単純比較すると、2016年式5代目ステップワゴンスパーダの1.5Lガソリン車の中古車が、明らかに新車3代目N-BOXカスタムターボより安価な価格帯に入ってきている。年式がやや古いうえ、燃費面では3代目N-BOXカスタムターボに劣る。しかし、とにかく広さや利便性が重要というのであれば、5代目ステップワゴンスパーダのガソリン車がお勧めだ。

 

中古5代目ステップワゴンスパーダの2018年式なら、ハイブリッドモデルも選択肢に入る。新車3代目N-BOXカスタムターボの方がやや安価だ。しかし、3代目N-BOXカスタムターボのオプションを選択すると、新車価格は約220万円になる。これらのオプションは5代目ステップワゴンスパーダの中古車には、ほとんど装備されているものだ(マルチビューカメラシステムなど)。

 

新車N-BOX並みの価格帯で5代目ステップワゴンスパーダハイブリッドを検討すると、どうしても安価な価格帯の中古車に絞られてしまう。

しかし、広さや使い勝手、燃費性能面では、5代目ステップワゴンスパーダが大幅に上回っている。予算に余裕があれば、積極的にハイブリッドを狙ってみるのもよい。

また、グレード次第ではあるが、豪華さという点でも5代目ステップワゴンスパーダハイブリッドは魅力的だ。リアエンターテイメントシステムや本革シートなどの仕様もある。

N-BOX、大幅値引きの期待大!

3.購入時の値引き術

新車3代目N-BOXカスタムの評価は4.0

中古車5代目ステップワゴンスパーダの評価は3.0

 

N-BOXライバルの車であるスズキ スペースが、2023年11月にデビューした。新車販売台数ナンバー1を続けていた3代目N-BOXだが、2024年5月だけはナンバー1の座を奪われている。こういった影響で、3代目N-BOXの値引きは拡大傾向にある。10~15万円程度の値引きなら、無理なく引き出せそうだ。

20万円以上の大幅値引きを求めるのであれば、ライバル車としっかりと競合させたい。競合させることで、他車に負けじと値引き勝負に出てくる可能性が高まるからだ。同じスーパーハイトワゴンであるスペーシア、タント、デイズルークスなどの見積もりを先に取っておくのがおすすめだ。

 

3代目N-BOXは、新車価格が高めなので「N-BOXは高いからなぁ。ライバル車より安くなれば・・・」など、じっくり長めに商談するといいだろう。現金年引きが厳しくなったら、下取り車の査定アップやディーラーオプションの無料サービスなどに切り替えるとよい。

 

5代目ステップワゴンスパーダは中古車での購入となる。中古車は、各店舗ギリギリの利益で商売をしている状態。なので、もし大幅値引きを提案されたのであれば、何かリスクがあると思った方がよい。

カッコ良さだけでなくしっかりとパフォーマンスにつながるデザインを採用

4.デザイン比較

新車3代目N-BOXカスタムの評価は4.0

中古車5代目ステップワゴンスパーダの評価は4.0

N-BOXらしさを受け継ぎつつより安定感を際立たせたデザイン

3代目N-BOXカスタムの後景

※上図:3代目N-BOXカスタムの後景

3代目N-BOXの外観デザインは、安定感のある四角いフォルムが特徴だ。タイヤを車体の四隅に配置することで生まれるスタンスの良さや、高いベルトラインが安心感に繋がっている。

また、N-BOXならではのカタマリ感を大切にしながら、広い室内空間を頑丈な構造体が包み込むような見え方を追求した。サイドのキャラクターラインをリアタイヤ前でキックアップさせることで、リアピラーやルーフとの連続感を創出したのだ。

 

さらにN-BOXカスタムは、フロント・サイド・リアそれぞれに、ロー&ワイドな見え方と空力性能を考慮した専用デザインを採用した。

3代目N-BOXカスタムのフロントフェイス

※上図:3代目N-BOXカスタムのフロントフェイス

フロントグリルは、グロスブラックのパネルに6角形の吸気口を配置した。立体感のある緻密なデザインを採用することで、フォーマルな印象を強めている。ヘッドライトには、ダイレクトプロジェクト式フルLEDヘッドライトをホンダ車として初採用した。反射板や遮光板を用いずにレンズの作用のみで集光・遮光を行うライトだ。

3代目N-BOXカスタムのリヤエンド

※上図:3代目N-BOXカスタムのリヤエンド

リアコンビネーションランプは、N-BOXと共通の造形としながら、アウターレンズに初代モデルから受け継がれるクリアカラーを採用している。

ファッション性だけではない高い機能性を発揮するエアロデザイン

5代目ステップワゴンスパーダの後景

※上図:5代目ステップワゴンスパーダの後景

5代目ステップワゴンスパーダのデザインコンセプトは「アーバンクルーザー」だ。機能美を徹底して磨き上げ、見せかけだけのファッション性だけではない空力性能を備えたエアロパーツを纏わせることで個性を表現している。

5代目ステップワゴンスパーダのフロントフェイス

※上図:5代目ステップワゴンスパーダのフロントフェイス

スパーダは、2017年のマイナーチェンジで大幅に外観デザインを変更した。フロントは新採用のLEDヘッドライトによってシャープさを増し、専用デザインのフロントグリルで存在感を強調した。スパーダの個性をさらに際立たせる、スタイリッシュかつダイナミックなフロントマスクに仕上がっている。

 

リアデザインはテールゲートスポイラーを空力に考慮した形状に変更することで、スポーティさが増している。サイドのロアスカートは、タイヤを包み込むようにデザインされた。専用のカラードサイドガーニニッシュなどにより、低重心のイメージを高めている。

 

3代目ホンダN-BOXカスタムと、5代目ホンダステップワゴンスパーダは、見た目だけでなく、パフォーマンスもキチンと向上させている。

単に押し出しの強いデザインとするのではなく、高い空力特性を実現した機能性の高いパーツを装着しているのだ。

サイズの大きなステップワゴンスパーダは取り回しのしやすさも光る

5.室内空間と使い勝手

新車3代目N-BOXカスタムの評価は4.0

中古車5代目ステップワゴンスパーダの評価は5.0

 

3代目N-BOXカスタムと5代目ステップワゴンスパーダのボディサイズ等を表にまとめた。

3代目N-BOXカスタム

全長×全幅×全高

3,395mm×1,475mm×1,790mm

(4WD全高:1,815mm)

ホイールベース

2,520mm

室内長×室内幅×室内

2,125mm×1,350mm×1,400mm

荷室容量

185L

5代目ステップワゴンスパーダ

全長×全幅×全高

4,760mm×1,695mm×1,840mm

(4WD全高:1,855mm)

ホイールベース

2,890mm

室内長×室内幅×室内

3,220mm×1,500mm×1,405〜1,425mm

荷室容量

366L (サードシート収納時)

5代目ステップワゴンスパーダの運転席

※上図:5代目ステップワゴンスパーダの運転席

5代目ステップワゴンスパーダの2列目シート

※上図:5代目ステップワゴンスパーダの2列目シート

5代目ステップワゴンスパーダの3列目シート

※上図:5代目ステップワゴンスパーダの3列目シート

軽自動車の3代目N-BOXカスタムと、ミドルサイズミニバンの5代目ホンダステップワゴンスパーダのボディサイズを比較すると、全てにおいて5代目ホンダステップワゴンスパーダが大きい。特に全長は1,365mm、またホイールベースも370mmの差が付いている。その結果、3列目シートとラゲッジスペースが確保されているのだ。

3代目N-BOXカスタムの運転席

※上図:3代目N-BOXカスタムの運転席

3代目N-BOXカスタムの後席

※上図:3代目N-BOXカスタムの後席

ボディサイズの異なる3代目N-BOXカスタムと5代目ステップワゴンスパーダだが、唯一数値が近いのが室内高だ。3代目ホンダN-BOXカスタムの室内高は1,400m、5代目ステップワゴンスパーダは1,405〜1,425mmと差があまり無い。3代目N-BOXカスタムが属するスーパーハイトワゴンは、車内で子どもが立って着替えることができる。この室内高はストロングポイントだ。室内高では、両車ほぼ互角と言える。

5代目ステップワゴンスパーダの荷室

※上図:5代目ステップワゴンスパーダの荷室

5代目ステップワゴンスパーダの3列目シートアレンジ

※上図:5代目ステップワゴンスパーダの3列目シートアレンジ

後席使用時のラゲッジ容量を比べると、3代目N-BOXカスタムは185L、対する5代目ステップワゴンスパーダはサードシート使用時なら366Lと倍近い。3列シートを畳めばラゲッジスペースはさらに拡大する。長尺物やキャンプ道具などの大きな荷物を積む際は、5代目ステップワゴンスパーダが圧倒的な利便性を誇る。

3代目N-BOXカスタムの荷室

※上図:3代目N-BOXカスタムの荷室

3代目N-BOXカスタムの後席シートアレンジ<

※上図:3代目N-BOXカスタムの後席シートアレンジ

また5代目ステップワゴンスパーダの3列目シートは、クラスで唯一床下収納式を採用している。リアゲートに採用したワクワクゲートで、3列目シートへのアクセスもスムーズだ。

最小回転半径は以下の通りだ。取り回しの良さの目安となる。

5代目ステップワゴンスパーダ

  • 16インチタイヤ装着車:5.4m
  • 17インチタイヤ装着車:5.7m

3代目N-BOXカスタム

  • 14インチタイヤ装着車:4.5m
  • 15インチタイヤ装着車:4.7m
  • 4WD車:4.8m

広いスペースや使い勝手の良さを重視するなら、5代目ステップワゴンスパーダがお勧めだ。逆に、小さなボディ特有の小回りの良さなど、とにかく小さいことが重要なら3代目N-BOXカスタムを選択すべきだろう。

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ペダルの踏み間違いをフォローする機能はN-BOXカスタムが有利

6.安全装備&運転支援機能の比較

新車3代目N-BOXカスタムの評価は5.0

中古車5代目ステップワゴンスパーダの評価は4.5

3代目N-BOXカスタムのインパネデザイン

※上図:3代目N-BOXカスタムのインパネデザイン

3代目N-BOXカスタムのメーター

※上図:3代目N-BOXカスタムのメーター

3代N-BOXカスタムと5代目ステップワゴンスパーダの予防安全装備は、どちらもホンダセンシングを採用している。しかし、フレッシュなモデルの3代目N-BOXカスタムは、以下のカメラとセンサーを有する。

  • フロントワイドビューカメラ(約100°の有効水平画角と高い解像度で対象物を検知)
  • ソナーセンサー(音波の反射を利用し外壁などの非金属物も高い精度で検知)

5代目ステップワゴンスパーダのインパネデザイン

※上図:5代目ステップワゴンスパーダのインパネデザイン

対する5代目ステップワゴンスパーダは、2つのデバイスを採用している。

  • 単眼カメラ(対象の形や大きさの識別に強い)
  • ミリ波レーダー(遠くまで対象の位置・速度の測定に強い)

5代目ステップワゴンスパーダのメーター

※上図:5代目ステップワゴンスパーダのメーター

このデバイスの差はホンダセンシングの性能にも出ている。3代目N-BOXカスタムは、5代目ホンダステップワゴンスパーダには無い以下の機能を使用可能だ。

  • 後方誤発進抑制機能
  • 近距離衝突軽減ブレーキ
  • 急アクセル抑制機能
  • パーキングセンサーブレーキ

5代目ステップワゴンスパーダも、以下は標準装備となっている。

  • 衝突軽減ブレーキ(CMBS)
  • 誤発進抑制機能
  • 歩行者事故低減ステアリング
  • 路外逸脱抑制機能
  • 渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)
  • 車線維持支援システム(LKAS)
  • 先行車発進お知らせ機能
  • 標識認識機能

中古車で購入できる車種としては合格点だ。

あくまで街乗り仕様のN-BOX。スポーティなステップワゴン

7.走行性能の比較

3代目N-BOXカスタムの評価は3.0

5代目ステップワゴンスパーダの評価は4.0

 

3代目N-BOXカスタムと5代目ステップワゴンスパーダのパワートレインのスペックは以下のとおりだ。

3代目ホンダN-BOXカスタム

  • 660㏄直列3気筒DOHC自然吸気エンジン
  • 最高出力58ps、最大トルク65N・m

 

  • 660㏄直列3気筒DOHCターボエンジン
  • 最高出力64ps、最大トルク104N・m

5代目ホンダステップワゴンスパーダ

  • 1.5L直列4気筒DOHCターボエンジン
  • 最高出力150ps、最大トルク203N・m
  • 2.0L直4エンジンハイブリッド
  • フロントモーター最高出力184ps、最大トルク315N・m
ベストセラーモデルに相応しい高い静粛性や乗り心地の良さ

3代目N-BOXカスタムのエンジンルーム

※上図:3代目N-BOXカスタムのエンジンルーム

3代目N-BOXカスタムは、ターボエンジン車に絞って走行性能を紹介する。

搭載するターボエンジンやトランスミッションは、先代モデルの改良型だ。キャリーオーバーというとネガティブに感じるが、より熟成されたと言える。

さらに、軽自動車では軽視されがちだった静粛性に着目。ルーフライニングを厚くしたり、フロアカーペットに遮音フィルムを追加したりすることで、ロードノイズを低減した。N-BOXカスタムではルーフライニングに吸音シートを採用することで、更なる静粛性を得た。

走行面では以下が改善され、乗り心地や操縦安定性、ステアリングフィールを向上させている。

  • フロントサスペンションアライメントの適正化(電動パワーステアリングを含む)
  • フロント&リアサスペンションの結合適正化
  • フロント&リアバンパーの減衰力を変更(ターボ車のみ)

試乗すると、こうした効果はしっかりと感じられた。軽自動車とは思えないほどエンジン音やロードノイズ、風切り音が車内に侵入しない。そして、しっかりとサスペンションが仕事をしており、無駄な動きを抑えたフラットな乗り心地を実現している。

 

N-BOXカスタムは、ターボ車がお勧めだ。高速道路でも余裕あるクルージングができる。自然吸気エンジンは、車重がやや重くアンダーパワー気味だ。

当時の国産ミドルサイズミニバンで、トップレベルの走行安定性

5代目ステップワゴンスパーダのエンジンルーム

※上図:5代目ステップワゴンスパーダのエンジンルーム

5代目ステップワゴンスパーダは、2017のマイナーチェンジで登場したハイブリッド車について解説する。

スパーダに搭載されたハイブリッドシステムは、当初「スポーツハイブリッドi-MMD」、後に「e:HEV(イーエイチイーブイ)」へと名称変更された。

主に発電を担う2.0Lエンジンと、最高出力184ps、最大トルク315Nmを発生するモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載している。

 

リアゲートにある、重量感のあるわくわくゲートに合わせ、リアの開口部の剛性を向上させた。それが、走行安定性にも効果を及ぼし、国産ミドルサイズミニバンでトップレベルの走行安定性を誇っている。

スパーダは専用チューンの施されたサスペンションだ。この足回りと高い剛性のボディにより、安定感が抜群。コーナリング時の左右の揺れだけでなく、加速や減速時の前後の揺れも抑え、乗員全員に安心感をもたらしてくれる。

速度が増すほど、不安定感がアップするN-BOX

3代目N-BOXカスタムは全高が高く、全幅が妙に狭い。これは、3代目N-BOXカスタムだけの問題ではなのだが、物理的にかなり無理がある。クルマの重心高が高くなるため、速度が増すほど上部の揺れが大きくなり不安定になりやすいのだ。また、全幅が狭いので、横風にも弱く、強い横風を受けるとフラフラしてしまう。これは、スーパーハイトワゴン特有の欠点であり、さすがのN-BOXカスタムも完全には解消されていない。高速道路でのロングドライブは、少々疲れる。だが乗り心地は、スーパーハイトワゴンの中でもシットリ系で快適だ。

 

5代目ステップワゴンスパーダの乗り心地は、やや硬めのスポーティ仕様。ミニバンながら、キビキビ感があり気持ちよく走る。ハイブリッド車がモーターのみのEV走行している時の静粛性は高いレベルにあり、静粛性を増したとはいえN-BOXカスタムには勝ち目がない。

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未使用車が足を引っ張るN-BOX。高値安定のステップワゴン

8.リセールバリュー比較

新車3代目N-BOXカスタムの評価は4.0

中古車5代目ステップワゴンスパーダの評価は4.0

 

3代目N-BOXカスタムと5代目ステップワゴンスパーダハイブリッドの新車価格帯・中古車相場・リセールバリューをまとめた。

3代目N-BOXカスタム

  • 新車価格帯(デビュー時):約185~236万円
  • 中古車相場(2024年式):約160~210万円
  • 中古車(2024年式)新車価格比:約86~89%

5代目ステップワゴンスパーダハイブリッド

  • 新車価格帯(2018年時):約314~356万円
  • 中古車相場(2018年式):約210~310万円
  • 中古車(2024年式)新車価格比:約67~87%

*中古車相場は、2024年10月調べ。

3代目N-BOXカスタムの中古車相場は、2024年式という高年式ながら新車価格比で約86~89%となった。「高年式だが価格下落」の要因になっているのが、未使用車の大量発生だと予想できる。新車値引きも拡大中なので、未使用車はさらに価格を下げなければならず、リセールバリューはやや安価、という結果になっているのだろう。

ただし、高年式はやや安めなリセールバリューになっているものの、5年落ち以上は話が別だ。N-BOXカスタムは高い人気を誇るモデルなので、中古車相場も落ち着き高値を維持するだろう。

 

5代目ステップワゴンスパーダハイブリッドの中古車相場(2018年式)はやや広い。6年落ちなので、車両の程度やグレードによって差が大きい傾向にあるようだ。最上級グレードのハイブリッドG・EXホンダセンシングで車両の程度が良ければ、300万円近い価格帯になる。ただ、これだけ高いと中古車としてのメリットが無くなってくるので、ジックリ安価な車両を探す必要がある。リセールバリューは、高めだ。

また、人気Mクラスミニバンではあるが、中古車相場は緩やかに下がっていくと予想できる。10年落ちでも、それなりの価格で売却できるだろう。

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ボディサイズの制約さえなければ、ステップワゴンがおすすめか?

9.まとめ・総合評価

3代目N-BOXカスタムがお勧めの人

  • 駐車場など、ボディサイズの制約がある
  • 通勤や送迎などの街乗りがメイン

5代目ステップワゴンスパーダがお勧めの人

  • とにかく広い室内スペースが欲しい
  • 充実した豪華装備が欲しい
  • できるだけ燃費のよいモデルに乗りたい(ハイブリッド車)

中古車購入の醍醐味は、新車時に手の届かなかったクルマをリーズナブルな価格で手に入れられることにある。今回の3代目N-BOXカスタムの新車と、中古車の5代目ステップワゴンスパーダとの比較は、一見異種格闘技のように見える。だが、まさに中古車購入の醍醐味を表しているとも言える。

 

同じ250万円前後という予算であれば、新車の3代目N-BOXカスタムターボか中古の5代目ステップワゴンスパーダのハイブリッド車が選べる。確かに、2015年に登場した5代目ステップワゴンスパーダと2023年に登場した3代目N-BOXカスタムでは運転支援機能に差がある。

しかし、運転支援機能を除けば、室内空間の広さやユーティリティの高さなど圧倒的に5代目ステップワゴンスパーダが有利だ。

また、もっと予算を抑えたいというのであれば、ステップワゴンスパーダの1.5Lターボガソリン車という選択肢もお勧めだ。

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N-BOXカスタム

ステップワゴンスパーダ

総合得点(40点満点)

32.0

33.5

1.燃費

4.0

4.5

2.価格

4.0

4.5

3.購入時の値引きしやすさ

4.0

3.0

4.デザイン

4.0

4.0

5.室内空間と使い勝手

4.0

5.0

6.安全装備

5.0

4.5

7.走行性能

3.0

4.0

8.リセールバリュー

4.0

4.0

 

3代目ホンダN-BOXカスタム 新車価格

  • 1,868,900円(N-BOXカスタム FF)
  • 2,382,600円(N-BOXカスタムターボコーディネートスタイル2トーン 4WD)

5代目ステップワゴンスパーダハイブリッド 中古車相場

  • (2018年式):約210~310万円

3代目ホンダN-BOXカスタムスペック

代表グレード

ターボ2WD

全長×全幅×全高

3,395mm×1,475mm×1,790mm

ホイールベース

2,520mm

最低地上高

145mm

車両重量

940kg

エンジン型式

S07B

エンジンタイプ

直列3気筒DOHCターボ

総排気量

658cc

最高出力

64ps(47kw)/6,000rpm

最大トルク

104N・m(10.6kgm)/2,600rpm

燃費(WLTCモード)

20.3km/L

駆動方式

前輪輪駆動(2WD)

トランスミッション

CVT

サスペンション型式

前:ストラット式 後:車軸式

タイヤサイズ前後

165/55R15

最小回転半径

4.7m

5代目ホンダステップワゴンスパーダスペック

代表グレード

e:HEV スパーダG・EXホンダセンシング2WD

全長×全幅×全高

4,760mm×1,695mm×1,840mm

ホイールベース

2,890mm

最低地上高

155mm

車両重量

1,820kg

エンジン型式

LFA

エンジンタイプ

直列4気筒DOHC

総排気量

1,993cc

最高出力

145ps(107kw)/6,200rpm

最大トルク

175N・m(17.8kgm)/4,000rpm

モーター型式

H4

モーター最高出力

184ps(135kw)

モーター最大トルク

315N・m(32.1kgm)

燃費(WLTCモード)

20.0km/L

駆動方式

前輪駆動(FF)

トランスミッション

CVT

サスペンション型式

前:ストラット式 後:車軸式

タイヤサイズ 前後

205/60R16

最小回転半径

5.4m

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員