最新の5代目レクサスRXは、2022年11月に発売開始した。プラットフォーム(車台)は、GA-K改良型だ。搭載するパワートレインは、ピュアガソリン車をはじめ、2種類のハイブリッドとプラグインハイブリッド(PHEV)の計4種類だ。
対する5代目LSはレクサスのフラッグシップセダンとして2017年10月にデビュー。フラグシップセダンらしいラグジュアリーな空間だけでなく、走る楽しさも併せ持つ。また、クーペライクな美しいシルエットが魅力的だ。
セダンの人気が低迷している影響で、レクサスのフラッグシップセダンであるLSの中古価格が、新車5代目RXと同等レベルの価格になり買い得感が増している。そこで、新車5代目RXと中古5代目LSの費性能、価格、機能、デザインを徹底比較した。
買い替え前に愛車の買取相場を確認する
- RXは新プラットフォームによって上質な走行性能を実現
- LSはショーファードリブンに相応しい乗り心地が魅力
- 燃費は5代目レクサスRXの方が圧倒的に有利
- セダンの不人気はLSにも影響。初期型は500万円切り
- 新車の納期遅延はほぼ解消。レクサス車の値引きは期待できない
- 世代が異なるが、どちらも攻めた新感覚のデザイン
- 荷物が多いならRX、リアに人を乗せるならLS
- 5代目レクサスLSは最新モデルと互角の性能を実現
- 搭載するパワートレインでキャラが異なるレクサスRXと変わらないLS
- RXならば、高リセールバリューが期待できる
- 新車で買うならレクサスRX、中古車で高いバリューがあるのはレクサスLS
- 5代目レクサスRXの価格とスペック一覧
- 5代目レクサスLSの価格とスペック一覧
RXは新プラットフォームによって上質な走行性能を実現
5代目レクサスRXの特徴
※上図:レクサスRX(5代目)の全景
2022年11月に登場した5代目レクサスRXは、ドライバーの意図に忠実でリニアな応答を目指すレクサスならではの乗り味「レクサス・ドライビング・シグネチャー」を徹底的に進化させた。
ボディの骨格には、軽量・高剛性のGA-K改良型プラットフォームを採用。外観デザインはレクサスのアイコンであるスピンドルグリルをボディとグリルの境界を融合させたシームレスな表現とした。
冷却機能を維持しながら、力強さと低重心を表現し、新しいアイデンティティをアピールしている。
インテリアは、新しいコクピット思想「Tazuna Concept」に基づきデザインされた。人が馬を操る際に使う「手綱」に着想を得て、ステアリングスイッチとヘッドアップディスプレイを高度に連携させた。視線移動や煩雑なスイッチ操作をすることなく、各種機能の制御が可能なコクピットとなっている。
5代目レクサスRXに搭載されているパワートレインは4種類から選べる。選択肢が豊富なのも魅力のひとつだ。
LSはショーファードリブンに相応しい乗り心地が魅力
5代目レクサスLSの特徴
※上図:レクサスLS(5代目)の全景
レクサスのフラッグシップセダンである5代目LSは2017年10月に登場した。新開発のGA-Lプラットフォームを採用し、低く構えたスタイリングを実現している。6ライトキャビンデザインを採用した斬新なクーペシルエットが特徴的だ。
コクピットは広がり感と安心感を両立した。姿勢変化や視線移動の少ない操作系レイアウトによって、ドライバーが運転に集中できるように作られている。
LS500に搭載されているパワートレインは3.5LV6ツインターボエンジン+10速AT、LS500hにはマルチステージハイブリッドシステム(LC500hに搭載された3.5LV6ガソリンエンジンに2つのモーターを組み合わせたもの)だ。10段のCVTと組み合わせることで、システム合計出力は359psを発生させる。LS500と LS500hの駆動方式はFR(後輪駆動)と4WDだ。
5代目レクサスLSは毎年のように改良が行われ、2020年11月にマイナーチェンジを実施。パワートレインやサスペンション、シートの縫い位置までの徹底的に追求した。
そして2021年10月の一部改良では、新開発のノーマルタイヤに変更し、走りの上質感を更に高めつつ、乗り心地と静粛性を向上させた。
2023年10月に一部改良を行い、操縦安定性と上質な乗り心地のさらなる向上を目指して改善された。また安全装備は、最新の予防安全技術であるレクサスセーフティシステム+が採用されている。
燃費は5代目レクサスRXの方が圧倒的に有利
1.燃費性能
新車5代目レクサスRXの評価は4.5
中古5代目レクサスLSの評価は3.5
5代目レクサスRXの燃費(WLTCモード)は下記の通り。
|
2WD |
4WD |
2.5Lハイブリッド |
20.2km/L |
18.7km/L |
2.5L PHEV |
- |
18.8km/L |
2.4Lターボハイブリッド |
- |
14.4km/L |
2.4Lターボ(ガソリン) |
11.8km/L |
11.2km/L |
5代目レクサスLSの燃費(WLTCモード)は下記の通り。
|
FR(2WD) |
4WD |
3.5Lハイブリッド |
13.6km/L |
12.5~12.6km/L |
3.5Lツインターボ |
10.1km/L |
9.5km/L |
5代目レクサスRXはFF(前輪駆動)レイアウト、5代目レクサスLSは高級車の定番であるFR(後輪駆動)のレイアウトを採用している。
5代目レクサスRXに搭載しているパワートレインは以下の4種類だ。
- ガソリンエンジン:4Lターボ
- ハイブリッド:5Lハイブリッド、2.4Lターボハイブリッド、2.5LPHEV
対する5代目レクサスLSに搭載しているパワートレインは以下の2種類だ。
- 5LV6ツインターボ
- 5Lハイブリッド
エンジンの排気量が異なるため、燃費性能はWLTCモードで5代目レクサスRXが11.2〜20.2km/L。5代目レクサスLSは9.5〜13.6km/Lと差がある。使用する燃料は全車ハイオクガソリンなので、経済性は圧倒的に5代目レクサスRXが有利だ。
車両重量は5代目レクサスRXが1,870~2,160kg。5代目レクサスLSは2,130~2,400kgと5代目レクサスLSのほうが200kg以上重い。車重の差は燃費に直結するので、LSがRXよりも燃費が悪いのは仕方のないところ。それでも、同じクラスの輸入車と比べれば圧倒的に優れた燃費性能となっている。
セダンの不人気はLSにも影響。初期型は500万円切り
2.価格比較
新車5代目レクサスRXの評価は4.0
中古5代目レクサスLSの評価は4.5
新車5代目RXと中古5代目LSの新車価格と中古車相場を比較した。
- 【新車】5代目レクサスRX350h バージョンL 2WD:758万円
- 【中古】5代目レクサスLS500h Fスポーツ(2WD)2021年式2WD:750万円~850万円、4WD:790万円~830万円
- 【新車】5代目レクサスLS500h Fスポーツ(2WD)2021年当時の新車価格:1,356万円
※中古車相場は、2024年6月調べ
5代目レクサスLSの中古車価格は、フラッグシップながらかなり買い得感が高い。2021年式の高年式でも、LS500hFスポーツ(2WD)で新車価格の55~61%にまで価格を下げている。人気薄のセダンということもあり、買い得感が高い。5代目レクサスRX350h バージョンL (2WD)の新車価格並みだ。
車格で比べれば、LSはRXより数段上のモデル。どうしてもSUVが良いのでなければ、レクサスのフラッグシップセダンであるLSがこの価格で手に入るというのは、非常に魅力的だ。
中古5代目レクサスLSのグレードで最も流通台数が多いのが、Fスポーツだ(ガソリン車、ハイブリッド車共通)。シート表皮には専用本革/ウルトラスエードを使用した専用のスポーツシートを標準装備している。
クルマのキャラクターを変えるドライブモードセレクトスイッチは、以下の6タイプから選べるようになっている。
- エコ
- ノーマル
- コンフォート
- スポーツS
- スポーツS+
- カスタム
5代目レクサスLSのグレードで最も豪華仕様なのが、エグゼクティブだ。ショーファーカーとして使えるよう、リアシートの快適装備を充実させている。シート関連だけでも以下の機能を有し、高いホスピタリティを実現している。
【前席】
- 運転席ポジションメモリー機能
- 前席ベンチレーション機能
- 前後席ヒーター機能付きのセミアニリンシート
【後席】
- 2way電動調整式機能
- 温感リラクゼーション機能
- 降車時リクライニングサポート機能(左側)
また、高級オーディオの“マークレビンソン”リファレンス3Dサラウンドシステムをはじめ、リアシートエンターテイメントシステムも標準装備となっている。
対する5代目レクサスRXは、全グレードで21インチタイヤを装着している。シート表皮はバージョンLがセミアリニン本革、Fスポーツは専用本革/ウルトラスエードを使用した専用のスポーツシートとレクサスLSと同様だ。
また、後席は電動リクライニング・格納・ベンチレーション機能が装備されている(RX350Fスポーツのみ手動)。
5代目レクサスRXの全グレードに標準装備されているのが、14インチのタッチディスプレイオーディオプラスと、レクサスRXプレミアムサウンドシステムだ。“マークレビンソン”プレミアムサウンドシステムは全車でオープション設定となっている。
5代目レクサスLS快適装備の充実ぶりは、新車価格1000万円を超えるフラッグシップモデルなだけあって、さすがだ。これだけ豪華装備のモデルが、5代目レクサスRXの新車価格より安く購入できるというのは魅力的といえる。
新車の納期遅延はほぼ解消。レクサス車の値引きは期待できない
3.購入時の値引き術
新車5代目レクサスRXの評価は1.0
中古5代目レクサスLSの評価は1.0
5代目レクサスRXの新車の納期は、最も早いRX450h+が約2.5カ月、そのほかのグレードが約3カ月となっているので、納期遅延は徐々に解消されてきている(2024年6月調べ)。
しかし、レクサスブランドの新車は値引きがほとんど期待できない。そのため、下取り車の査定アップやディーラーオプション装備の値引きをリクエストしたい。
対する5代目レクサスLSも中古車なので値引きはほぼ0円と考えたい。もし、簡単に大幅値引きするというのであれば、何かあるのでは?と、疑ったほうがよいレベルだ。レクサスの新車の納期遅延は徐々に解消しているとはいえ、即納可能な中古車と比べれば、まだまだ納期は長い。
5代目レクサスLSの中古車と言っても、現在でも新車が販売されている現行モデルだ。登場は2017年で、毎年のように改良が加えられ進化しており、フラッグシップモデルに相応しい装備や走行性能を誇っている。
5代目レクサスLSのように、新車価格が1000万円を超えるクルマを割安な価格で手に入れることが、中古車購入の醍醐味と言えるだろう。
世代が異なるが、どちらも攻めた新感覚のデザイン
4.デザイン比較
新車5代目レクサスRXの評価は4.0
中古5代目レクサスLSの評価4.5
5代目レクサスRX:次世代レクサスデザインを採用したスピンドルボディ
※上図:レクサスRX(5代目)の後景
レクサスRXは、ラグジュアリーSUVのパイオニアとして、力強さと上質にこだわってきた。5代目レクサスRXは、次世代レクサスとして「機能的本質や動的パフォーマンスに根ざしたプロポーッションとオリジナリティ」を追求している。
※上図:レクサスRX(5代目)のフロントフェイス
デザインコンセプトは「ALLURING×VERVE」だ。心を奪われる魅惑的な姿(ALLURING)と気迫を感じる力強さ(VERVE)を表現している。フロントまわりの風の流れの適正化によって、Cd値低減だけでなく、優れたブレーキ冷却性も両立した。エンジンアンダーカバーにディンプル形状を設け、微小渦を床下に発生させることで、接地感を高めるとともに、高速域の走行安定性を向上させている。
※上図:レクサスRX(5代目)のリヤエンド
5代目レクサスRXでは、新たにアイコンであるスピンドルを立体のカタマリで表した「スピンドルボディ」を採用した。ボディとフリルの境界線を融合させたシームレスなデザインだ。高い冷却機能を確保しながら、力強さと低重心を表現し、新たな独自性を追求した。
5代目レクサスLS:空力特性を追求しエレガントさを感じるクーペシルエット
※上図:レクサスLS(5代目)の後景
5代目レクサスLSはGA-Lプラットフォームを採用している。従来モデルに比べて低く構えたスタイリングと大径タイヤで、力強い存在感を誇る。優れた燃費性能と静粛性を実現させるため、クーペシルエットを採用した。高い空力性能を有する、斬新な6ライトキャビンだ。
※上図:レクサスLS(5代目)のフロントフェイス
フロントはフラッグシップとして威厳ある表情を醸し出す。スピンドルグリルは低いエンジンフードと抑揚のあるフェンダーにより立体的な造形になり、精緻さと迫力を併せ持ったデザインとなった。
※上図:レクサスLS(5代目)のリヤエンド
スポーティグレードのFスポーツは、ブランド統一の新しいFメッシュパターンを採用してよりスポーティでアグレッシブを強調している。グリルメッシュとサイドグリルに、これまでの縦基調のメッシュを継承して発展させたのだ。
5代目レクサスRXと5代目レクサスLSでは世代によるギャップがある。2022年に登場した5代目レクサスRXは、次世代のレクサスデザインを取り入れて、斬新で攻めたデザインを有する。
一方の5代目レクサスLSは保守的ではあるが、4ドアセダンとしてはエレガントさを追求したデザインを採用し、フラッグシップモデルとしてはかなり攻めている。古さを感じさせないのは、機能性を追求した様式美を備えているからだろう。
荷物が多いならRX、リアに人を乗せるならLS
5.室内空間と使い勝手
新車5代目レクサスRXの評価は4.5
中古5代目レクサスLSの評価は4.0
新車レクサスRXと中古レクサスLSのボディサイズ・室内サイズ・荷室容量を比較した。
【5代目レクサスRX】
全長×全幅×全高 |
4,890mm×1,920mm×1,700mm |
ホイールベース |
2,850mm |
室内長×室内幅×室内高 |
1,915mm×1,615mm×1,205mm |
荷室容量 |
612L |
【5代目レクサスLS500】
全長×全幅×全高 |
5,235mm×1,900mm×1,440mm |
ホイールベース |
3,125mm |
室内長×室内幅×室内高 |
2,120mm×1,615mm×1,160mm |
荷室容量 |
400L |
※上図:レクサスLS(5代目)の運転席
※上図:レクサスLS(5代目)の後席
ボディサイズで5代目レクサスLSが上回るのが全長(+345mm)とホイールベース(+275mm)だ。5代目レクサスLSのほうが、リアシートのニースペースが広い。
※上図:レクサスRX(5代目)の運転席
※上図:レクサスRX(5代目)の後席
対する5代目レクサスRXが上回るのが全高(+260mm)だ。しかし室内高は45mm高いだけ。5代目レクサスRXのほうが床面も高いため、実際のヘッドクリアランスは外観のデザインから感じるほど差がないと言える。
※上図:レクサスRX(5代目)の荷室
※上図:レクサスLS(5代目)の荷室
5人乗車時のラゲッジ容量は、5代目レクサスRXが大きく上回っている。SUVの特性だ。さらにリアシートを畳めばラゲッジスペースは拡大するので、長尺物やキャンプ道具などの大きなモノを積む際に圧倒的な利便性を誇る。
全幅は、5代目レクサスRXも5代目レクサスLS500もかなりワイドだ。しかし、取り回しの良さの指標となる最小回転半径を見ると、5代目レクサスRXは5.5~5.9mだ。全グレードで21インチもの大径タイヤを装着しているが、この半径で納めている。
一方5代目レクサスLSは19~20インチタイヤを装着し、最小回転半径は5.6m~6.0mとほぼ同じ数字だ。取り回しのしやすさはほぼ互角と言える。
5代目レクサスRXのユーティリティーの良さは、大きな荷物を積む人におすすめだ。ラゲッジルームの積載量とシートアレンジの多彩さが魅力である。
一方の5代目レクサスLSは、ロングホイールベースによりリアシートの居住性が高い。後席に大切な人を乗せるショーファーとして使う人にもおすすめだ。乗り心地の良さとリアシートの装備の充実度では5代目レクサスLSが圧倒する。
5代目レクサスLSは最新モデルと互角の性能を実現
6.安全装備&運転支援機能の比較
新車5代目レクサスRXの評価は5.0
中古5代目レクサスLSの評価は5.0
※上図:レクサスRX(5代目)のインパネデザイン
5代目レクサスRXの予防安全装備は、先進の予防安全技術であるレクサスセーフティプラスを全車に標準装備している。レクサスセーフティプラスには、以下を含む10の機能がパッケージされている。
- プリクラッシュセーフティ(衝突被害軽減ブレーキ)
- レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付。高速道路での追従走行が可能)
- ドライバー異常時対応システム
※上図:レクサスRX(5代目)のメーター
さらに、以下の機能も採用している。
- ブラインドスポットモニター(後方の安全を検知)
- セカンダリーコリジョンブレーキ(停車中衝突対応)
- 安心降車アシスト
また、高度運転支援技術のレクサスチームメイトもRX350を除いて全グレードで標準装備するなど最新鋭の装備が充実している。渋滞時支援を行うアドバンストドライブと駐車支援を行うアドバンストパークがセットになった機能だ。
※上図:レクサスLS(5代目)のインパネデザイン
対して5代目レクサスLSの予防安全装備は、2017年~2020年の大幅改良前まで、予防安全パッケージの「レクサスセーフティシステム+A」を全車に標準装備している。以下の7つの機能がパッケージ化されている。
- プリクラッシュセーフティ(歩行者注意喚起・アクティブ操舵回避支援)
- レクサスコドライブ
- ドライバー異常時停車支援システム
2020年の大幅改良時、プリクラッシュセーフティ機能に交差点右左折支援や低速時加速抑制が加わった。さらに、アドバンストドライブ、アドバンスドパークがセットになったレクサスチームメイトが採用された。
※上図:レクサスLS(5代目)のメーター
その後、レクサスセーフティシステム+に改名し、2022年には高度運転支援技術レクサスチームメイトの性能向上、2023年にはプロアクティブドライビングアシスト(PDA:運転状況に応じたリスクの先読みを行い、ステアリングやブレーキ操作をサポートする機能)や、プリクラッシュセーフティの性能向上を行っている。また、高度運転支援技術のレクサスチームメイトの性能もアップデートされた。
運転支援機能は、日進月歩で進化しているので,モデルが新しい5代目レクサスRXのほうが充実している。しかし、2020年の大幅改良以降であれば5代目レクサスLSでも最新モデルと遜色ないレベルだ。安全性を重視するのであれば、ほぼ最先端の安全装備を採用している2020年式以降の5代目レクサスLSが狙い目だ。
搭載するパワートレインでキャラが異なるレクサスRXと変わらないLS
7.走行性能の比較
新車5代目レクサスRXの評価は4.0
中古5代目レクサスLSの評価は4.5
新車レクサスRXと新車レクサスLSのパワートレインのスペックは以下のとおり。(※:システム最高出力)
【5代目レクサスRX】
|
最高出力 |
最大トルク |
2.4ターボエンジン(RX350) |
279ps |
430N・m |
2.5Lハイブリッド(RX350h) |
250㎰(4WD)※ |
- |
2.5L PHEV(RX450h+) |
309㎰ ※ |
- |
2.4Lターボハイブリッド(RX500h) |
371㎰ ※ |
- |
【5代目レクサスLS】
|
最高出力 |
最大トルク |
3.5LV型6ツインターボエンジン(LS500) |
422ps |
600N・m |
3.5L V6エンジンハイブリッド(LS500h) |
359㎰ ※ |
- |
5代目レクサスRX :RX500hはハイブリッドの既成概念を覆すパワフルな走り
※上図:レクサスRX(5代目)のエンジンルーム
5代目レクサスRXは、ブランドの屋台骨を支えるコアモデルらしく、パワートレインは多彩だ。全車4気筒になっている。
- 4Lターボエンジン(ガソリン)
- 5Lエンジンハイブリッド
- 5Lエンジンプラグインハイブリッド
- 4Lターボエンジンハイブリッド
最上級グレードのRX500h Fスポーツパフォーマンスには、システム最高出力371㎰を発生する2.4L直列4気筒ターボエンジンに、フロントモーターと6速ATを採用した。リアには「eAxle(イーアクセル)」という高出力モーターを搭載している。ハイブリッド用バッテリーには高出力のバイポーラ型ニッケル水素電池を用いた。システム最高出力371psという高出力とWLTCモード14.4km/Lという優れた燃費性能を両立している。
RX500h Fスポーツパフォーマンスの走りは、従来のハイブリッド車とは全く異なるフィーリングで、非常にパワフルなのが特徴だ。しかも乗り心地はFスポーツとは思えないほどしなやかでゆったりとしている。
駆動方式には、DIRECT4という4WDシステムを採用した。このシステムの駆動力配分制御は、車輪速センサー、加速度センサー、舵角センサーなどの情報を用いて、前後輪の駆動力配分比を100:0~20:80 の間で制御する。発進加速性、操縦安定性の向上、低燃費に貢献するシステムだ。
また、2.5Lエンジンハイブリッドシステムを搭載するRX350hは、これまで以上のスムーズさと高い静粛性を実現した。燃費性能は2WD車で20.2km/L、4WD車は18.7km/Lとクラストップレベルの実力だ。このRX350hはバージョンLしか設定されていないが、コストパフォーマンスの高いモデルと言える。
5代目レクサスLS:走行中の車内は高い静粛性に包まれ別世界にいるよう
※上図:レクサスLS(5代目)のエンジンルーム
5代目レクサスLSは、排気量をダウンサイジングした2つのパワートレインを設定している。
- 5L V6ツインターボエンジン
- 5L V6エンジン ハイブリッドシステム
システム最高出力359㎰を発生するハイブイッドシステムは、低回転域からトルクに溢れ、力強さと穏やかさが共存した高級車らしいスムーズな加速性能が特徴だ。
軽量・高剛性を両立したGA-Lプラットフォームをベースに、エンジンなどの重量物は車両中心近くに配置した。セダンとしての理想的な重心高、前後重量配分を実現しつつ、ボディはねじり剛性向上などによって、優れた操舵応答性や操縦安定性を両立した。
後席にVIPを乗せるショーファーカーらしい静粛性を追求して、新ウレタン素材のフードサイレンサーや3層構造のダッシュサイレンサーを用いた。加えて吸音材や遮音材の最適配置やフラッシュサーフウインドウの採用などにより歴代モデルで最高の静粛性を実現している。
RXならば、高リセールバリューが期待できる
8.リセールバリュー比較
新車5代目レクサスRXの評価は5.0
中古5代目レクサスLSの評価は3.5
5代目レクサスRXの中古車相場と発売当初の新車価格を比較してみよう。
【中古】5代目レクサスLS500h Fスポーツ(2WD)2021年式2WD中古車相場:750万円~850万円、4WD:790万円~830万円
【新車】5代目レクサスLS500h Fスポーツ(2WD)2021年当時の新車価格:1,356万円
中古レクサスLSの大幅改良後となる2021年式LS500hFスポーツ(2WD)の中古車相場は750~850万円程度。当時の新車価格と比べると、約55~61%にまで価格を下げている。新車時の価格が1,356万円だったので、高年式ながら買い得感がかなり出ている。
強力なブランド力を背景に、ほとんどの車種が高いリセールバリューを誇るレクサス車。しかし、さすがに不人気のセダンは、フラッグシップのLSでもリセールバリューが下がってしまっている。
リセールバリューの低下は、売却時にはデメリットになる。しかし中古車購入時には、逆に大きなメリットと言える。あの超高級車が激安で手に入るからだ。お勧めは、運転支援機能が充実した2020年式以降だ。
一方、5代目レクサスRXの新車価格は666万円~901万円。売れ筋グレードのRX350hバージョンL 2WDは758万円となっている。
リセールバリューという点では、5代目レクサスRXが5代目レクサスLSを圧倒するのは間違いない。強力なレクサスブランドであり、人気SUVの組み合わせは超強力。しばらくの間、RXの中古車は新車価格並みになると予想できる。短期間で乗り換えるのであれば、大きなメリットだ。
新車で買うならレクサスRX、中古車で高いバリューがあるのはレクサスLS
9.まとめ・総合評価
5代目レクサスRXの登場は2022年、5代目レクサスLSは2017年だ。運転支援技術やコネクテッド等の進化において5年という時間の差は大きい。だが、フラッグシップモデルである5代目レクサスLSはアップデートを重ねて、最新モデルに匹敵する装備を実現している。
最新機能を追加搭載することで安全性能面は補えたとしても、RXとLSには埋めることができない差がある。それは人気だ。
現在も、空前のSUVブームが続いている。中でもラグジュアリーSUVのパイオニアであるレクサスRXの5代目はもちろん、4代目も人気が高いため、高いリセールバリューが期待できる。
その一方、国産セダンは不人気だ。その影響もあって、レクサスLSの中古車価格は大幅に安くなっている。しかしその結果、新車では手の届かなかったレクサスLSのような憧れのモデルを安価に手に入れることができるようになった。これは、まさに中古車の醍醐味だ。
リセールは期待できないが、今後電動化が進み大排気量エンジンが姿を消すと考えれば、魅力いっぱいのレクサスLSを手に入れる最適のタイミングであるとも言える。5代目レクサスLSの中古車を購入するのであれば、この好機を逃さないようにしたい。
5代目レクサスRX |
5代目レクサスLS |
|
総合得点(40点満点) |
32.0 |
30.5 |
1.燃費 |
4.5 |
3.5 |
2.価格 |
4.0 |
4.5 |
3.購入時の値引きしやすさ |
1.0 |
1.0 |
4.デザイン |
4.0 |
4.5 |
5.室内空間と使い勝手 |
4.5 |
4.0 |
6.安全装備 |
5.0 |
5.0 |
7.走行性能 |
4.0 |
4.5 |
8.リセールバリュー |
5.0 |
3.5 |
5代目レクサスRXの価格とスペック一覧
5代目レクサスRX新車価格帯
- 666万円(RX350バージョンL 2WD)~901万円(RX500h Fスポーツパフォーマンス4WD)
5代目レクサスRXスペック
代表グレード |
RX500h Fスポーツパフォーマンス4WD |
ボディサイズ |
4,890mm×1,920mm×1,700mm |
ホイールベース |
2,850mm |
最低地上高 |
195mm |
車両重量 |
2,100kg |
エンジン型式 |
T24A-FTS |
エンジンタイプ |
直列4気筒DOHCターボ |
総排気量 |
2,393cc |
最高出力 |
275ps(202kW)/6,000rpm |
最大トルク |
460N・m(46.9kgm)/2,000~3,000rpm |
フロントモーター型式 |
1ZM |
モーター最高出力 |
87ps(64kW) |
モーター最大トルク |
292N・m(29.8kgm) |
リアモーター型式 |
1YM |
モーター最高出力 |
103ps(76kW) |
モーター最大トルク |
169N・m(17.2kgm) |
燃費(WLTCモード) |
14.4km/L |
駆動方式 |
四輪駆動(4WD) |
トランスミッション |
6速AT |
サスペンション型式 |
前:ストラット、後:マルチリンク |
タイヤサイズ前後 |
235/50R21 |
最小回転半径 |
5.5m |
5代目レクサスLSの価格とスペック一覧
5代目レクサスLS新車価格
- 1094万円(LS500 Iパッケージ2WD)~1799万円(LS500h エグゼクティブ4WD)
5代目レクサスLS中古車相場
- 2021年式5代目レクサスLS中古車相場 約720~990万円
- 2018年式5代目レクサスLS中古車相場 約450~700万円
5代目レクサスLSスペック
代表グレード |
LS500hエグゼクティブ2WD |
ボディサイズ |
5,235mm×1,900mm×1,450mm |
ホイールベース |
3,125mm |
最低地上高 |
140mm |
車両重量 |
2,280kg |
エンジン型式 |
8GR-FXS |
エンジンタイプ |
V型6気筒DOHC |
総排気量 |
3,456cc |
最高出力 |
299ps(220kW)/6,600rpm |
最大トルク |
356N・m(36.3kgm)/5,100rpm |
モーター型式 |
2NM |
モーター最高出力 |
180ps(132kW) |
モーター最大トルク |
300N・m(30.6kgm) |
燃費(WLTCモード) |
13.6km/L |
駆動方式 |
前輪駆動(FF) |
トランスミッション |
CVT |
サスペンション型式 |
前:マルチリンク、後:マルチリンク |
タイヤサイズ 前後 |
245/50R19 |
最小回転半径 |
5.6m |