スバル レヴォーグレイバックは、2023年10月に発表された新型SUVだ。ステーションワゴンのレヴォーグをベースに開発された、クロスオーバーSUVである。
対するレガシィアウトバックは、スバルのフラッグシップクロスオーバーSUVだ。北米マーケットと重視した仕様で、レヴォーグレイバックより一回り大きなボディイサイズをもつ。「ステーションワゴン+SUV」というクロスオーバーモデルは、両車共にそれぞれのクラスでは唯一無二の存在といえる。
新車価格では、1クラス上のアウトバックのほうが高価だ。しかし中古のアウトバックは、高年式でも新車レイバックと同等価格になっていきている。
そこで、新車レイバックと中古車アウトバックの燃費性能、価格、機能、デザインを徹底比較した。
- レヴォーグレイバック【新車価格】…3,993,000円
- レガシィアウトバック【中古車相場】…約340~400万円(2022年式)
*中古車相場は、2024年5月調べ
中古車情報
- レヴォーグレイバック(VN系)の特徴
- レガシィアウトバック(BT系)の特徴
- 同じパワートレイン搭載でも、0.7km/Lの燃費差が発生
- 本革シートや高級オーディオが標準装備のレイバックは割安感が高い
- 新車レイバックの納期遅延は解消したが、値引きは厳しめ
- クラディングの使い方でタフさやアヴァンギャルド感をそれぞれ演出
- ボディサイズは異なる両車だがラゲッジスペースは互角
- 両車ともに新世代アイサイトに加えてアイサイトXも標準装備
- しなやかさのレイバックと穏やかな乗り味のアウトバック
- グローバルでの人気を考慮するとレガシィアウトバックが有利
- 同じパワートレイン、運転支援機能を搭載するが、悪路走破性でレガシィアウトバックが上回る
- スバル レヴォーグレイバックの価格とスペック
- スバル レガシィアウトバックの価格とスペック
レヴォーグレイバック(VN系)の特徴
※上図:レヴォーグレイバックの全景
レヴォーグレイバックは、2023年10月に発表された。ステーションワゴンの人気モデルであるレヴォーグをベースに開発された、クロスオーバーSUVだ。最低地上高は200mmを確保し、レヴォーグ譲りのスポーティな走りとSUVならではの高い走破性を両立させている。
外観デザインは「凛と包」がコンセプトだ。ベースとなるレヴォーグの引き締まった凛とした佇まいを、豊かに・おおらかに包み込む。スバルSUVが持つ「ラギットさ」とは異なる独自の世界観で存在感を放つ、上質なスタイルを採用している。
インテリアは、インストルメントパネルが特徴的だ。11.6インチのセンターインフォメーションディスプレイを採用した。
搭載しているパワートレインは、最高出力177ps、最大トルク300Nmを発生する1.8L水平対向4気筒直噴ターボ“DIT”+リニアトロニックというCVTの1種類で、駆動方式は4WDのみだ。
安全装備は新世代型アイサイトを装備している。ステレオカメラに加えて広角単眼カメラを搭載し、衝突被害軽減ブレーキであるプリクラッシュブレーキで対応できるシーンを拡大した。
さらに、高度運転支援システムのアイサイトX(エックス)も標準装備している。一定の条件を満たした自動車専用道路などにおいて、渋滞時ハンズオフアシストやアクティブレーンチェンジアシストが使用可能だ。
レガシィアウトバック(BT系)の特徴
※上図:レガシィアウトバックの全景
2021年10月に登場したレガシィアウトバックは、スバルのフラッグシップクロスオーバーSUVとして、唯一無二のキャラクターを確立してきた。コンセプトは、「知的好奇心を刺激し、新たな発見を促すクロスオーバー」だ。歴代モデルが培ってきた価値に最新の技術を組み合わせることで、さらなる進化を遂げている。
外観デザインは、スバル共通のデザインフィロソフィー“DYNAMIC×SOLID”をアウトバックのキャラクターに適応した。「Active&Tough」というデザインコンセプトのもと、一目見て高いアクティブ性能を感じられるデザインだ。
インテリアは、フラッグシップモデルらしい室内空間を表現した。開放感を表現したアッパーエリアと、適度な包まれ感を演出したロアエリアのコンビネーションが良い。
搭載しているパワートレインや駆動方式、ミッションは、レヴォーグレイバックと共通だ。
2023年の改良後、最新モデルの安全装備として新世代アイサイトを標準装備している。広角化したステレオカメラと前後4つのレーダーを組み合わせたことで360°のセンシングを実現し、安全性を向上させている。
高度運転支援システムであるアイサイトXも標準装備している。高精度マップを活用し、一定の条件を満たすとハンズオフでの運転が可能だ。
リミテッドEXの本革シート装着車には、シートベンチレーション/クッション長調整機構を追加し商品価値を向上させている。
さらに、アウトドアでの使い勝手と上質さを兼ね備えた特別仕様車「リミテッドEX “Active×Black”」が追加された。
同じパワートレイン搭載でも、0.7km/Lの燃費差が発生
1.燃費性能
レヴォーグレイバックの評価は3.5
レガシィアウトバックの評価は3.5
スバル レヴォーグレイバックと、スバル レガシィアウトバックの燃費は下記の通りだ(双方WLTCモード、1.8Lターボエンジン 4WD)。
|
燃費 |
車重 |
レヴォーグレイバック |
16.5km/L |
1,600kg |
レガシィアウトバック |
15.8km/L |
1,680~1,690kg |
両車両に搭載しているエンジンは、CB18型1.8L水平対向4気筒DOHC直噴ターボ“DIT”だ(最高出力177ps、最大トルク300Nm)。シリンダーのロングストローク化、熱マネジメントシステムを採用し、高出力と低燃費を両立している。
車両重量は、ボディサイズの大きな現行型レガシィアウトバックのほうが80~90kg重い。車重の影響で、燃費性能はレガシィアウトバックはがわずかに悪化している。
本革シートや高級オーディオが標準装備のレイバックは割安感が高い
2.価格比較
レヴォーグレイバックの評価は4.5
レガシィアウトバックの評価は4.0
レヴォーグレイバック(新車価格)とレガシィアウトバック(中古車相場)の最量販グレードを比較した。
- スバル レヴォーグレイバック リミテッドEX 4WD:399万3000円
- スバル レガシィアウトバック リミテッドEX 4WD(2022年式):360万円~400万円
※中古車相場は、2024年5月調べ
レガシィアウトバックは、2021年10月から販売開始されたモデルで、2023年9月に一部変更が実施されている。デビュー当時の販売計画は1,200台/月だ。そのため、中古車流通量は、国産車としてはとても少ない。中古車の選択肢は、やや限られてしまう。
レガシィアウトバックのシート表皮は、リミテッドEXではを標準装備、オプションでナッパレザーを使用した本革シートを選べる。Xブレークは撥水性ポリウレタンを採用し、水や汚れにも強い仕様となっているのが特徴だ。
両グレードともに、運転席、助手席に電動調整式のパワーシートだ。さらにフロントシートに加えて、リアの左右にシートヒーター機能を採用している。上級グレードのリミテッドEXは、ハンズフリーオープンパワーリアゲートが標準装備され利便性が向上しているが、グレードによる装備差はかなり小さい。
対するレヴォーグレイバックは、リミテッドEXのみの単一グレードだ。シート表皮はブラック/アッシュの本革シートで、運転席、助手席ともに電動調整式のパワーシートを採用している。さらにシートヒーター機能は、前席とリア左右席に装備されている。
快適装備ではハンズフリーオープンパワーリアゲートに加えて、ハーマンカードンサウンドシステムを標準装備しているのは注目のポイントだ(レガシィアウトバックでは全車オプション設定)。装備の内容を見ると、レヴォーグレイバックは従来のグレードヒエラルキーから外れている特別なモデルであることがわかる。
運転支援機能では、現行型レガシィアウトバックも2023年9月の一部改良でアップデートされたことで、レヴォーグレイバックと同じ性能となっている。レガシィアウトバックでより予防安全・運転支援機能を重視するのであれば、2023年9月の一部改良後モデルがお勧めだ。
レヴォーグレイバックとレガシィアウトバックを比較すると、ボディサイズと価格面からレガシィアウトバックが上級モデルと言える。しかし装備面ではレヴォーグレイバックのほうが充実した快適装備を有している(本革シートやハーマンカードンの高級オーディオシステムを標準装備するなど)。これは従来のグレードヒエラルキーからレヴォーグレイバックが外れているモデルであることを示している。
新車レイバックの納期遅延は解消したが、値引きは厳しめ
3.購入時の値引き術
レヴォーグレイバックの評価は3.5
レガシィアウトバックの評価は3.0
レヴォーグレイバックの新車納期は、2カ月程度と早めだ。その一方で、新車の値引きは人気が高いこともあり、5万~10万円とかなり厳しい状況となっている。
レガシィアウトバックは中古車での購入となるため値引きは0円と考えたい。もし、大幅値引きを提示されたのであれば、その販売店の信用度は低いと考えたほうが良いだろう。
納車を急ぎたいというのであれば、すでにクルマが存在している中古車のレガシィアウトバックが有利だ。中古車とはいえ、現行型レガシィアウトバックは、2021年に登場したばかりのモデル。これから初の車検サイクルを迎えるタイミングだ。中古車とはいえ、コンディションは良好なクルマが多く、新車保証を継承できるので安心感も高い。
クラディングの使い方でタフさやアヴァンギャルド感をそれぞれ演出
4.デザイン比較
レヴォーグレイバックの評価は4.0
レガシィアウトバックの評価は4.0
レヴォーグレイバック:街の映り込みを考慮した柔らかな面構成を採用
※上図;レヴォーグレイバックの後景
レヴォーグレイバックは、従来のスバル車のSUVが持つ「無骨で逞しい」ラギッドさとは異なる。「土の香りがしない」SUVを目指して、「豊かで洗練された」独自の世界観を表現することを追求した。
※上図:レヴォーグレイバックのフロントフェイス
フロントデザインは、グリルやバンパーといったパーツごとではなく、一つの立体と捉えて大きな面で構成した造形が特徴だ。ほかのスバル車と比べ、柔らかいラインが目立つ。
※上図:レヴォーグレイバックのリヤエンド
サイドデザインで縦方向の厚みをしっかりと見せてSUVらしさを強調する一方で、サイドクラディングやホイールも「土の臭いがしない」洗練された造形としている。
レガシィアウトバック:直線基調のデザイン+クラッディング=タフさを強調
※上図:レガシィアウトバックの後景
レガシィアウトバックは、見た瞬間に「アクティブさ」と「タフさ」を感じられる外観デザインを目指した。「知的好奇心を刺激し、新たな発見を促すクロスオーバー」という商品コンセプトに基づくものだ。
※上図:レガシィアウトバックのフロントフェイス
フロントマスクは、大型化したグリル開口部を中心にダイナミックな造形を採用した。また、クラッディングを拡大することで、タフさや力強さを演出している。LEDヘッドランプはスバル共通のモチーフであるCシェイプ内にターンランプ機能を追加し、ポジションランプと合わせて機能を集約した。
※上図:レガシィアウトバックのリヤエンド
ボディサイドのは、ボディ形状にフィットした動きを感じさせる造形により、アクティブなイメージとプロテクション機能を両立した。さらにボディパネル面に厚みとボリューム感を持たせることで、どこにでも行けそうな「逞しさ」を強調している。
ボディサイズは異なる両車だがラゲッジスペースは互角
5.室内空間と使い勝手
レヴォーグレイバックの評価は4.5
レガシィアウトバックの評価は4.0
レヴォーグレイバックとレガシィアウトバックのボディサイズ・室内サイズ・荷室容量を比較した。
【レヴォーグレイバック】
全長×全幅×全高 |
4,770mm×1,820mm×1,570mm |
ホイールベース |
2,670mm |
室内長×室内幅×室内高 |
1,900mm×1,515mm×1,205mm |
荷室容量 |
561L(サブトランク69Lを含む) |
【レガシィアウトバック】
全長×全幅×全高 |
4,870mm×1,875mm×1,675mm |
ホイールベース |
2,745mm |
室内長×室内幅×室内高 |
1,840mm×1,545mm×1,245mm |
荷室容量 |
561L |
※上図:レヴォーグレイバックの運転席
※上図:レヴォーグレイバックの後席
※上図:レガシィアウトバックの運転席
※上図:レガシィアウトバックの後席
両車のボディサイズで最も異なるのが全長で、レガシィアウトバックが100mm上回っている。またホイールベースも75mm長いため、前後のタンデムディスタンスも84mm広い。レガシィアウトバックのほうが、リアシートの居住性が大きく、快適性が高いということだ。
※上図:レヴォーグレイバックの荷室
※上図:レガシィアウトバックの荷室
5人乗車時のラゲッジ容量を比べると、レヴォーグレイバックはサブトランク69Lを含めて561L。レガシィアウトバックも561Lだ。室内長を比べてみると、レガシィアウトバックのほうが60mm短い。しかし、それでもラゲッジルームは同じ容量なので、レヴォーグレイバックが優れたパッケージを有していると言える。
両車とも全高が高く、立体駐車場には対応していない。また取り回しの良さの指標となる最小回転半径は、レヴォーグレイバックが5.4m。レガシィアウトバックが5.5mと僅差だ。しかし、全幅が55mm小さなレヴォーグレイバックが有利だろう。
ラゲッジルームの積載量やシートアレンジの多彩さは互角だが、2,745mmのロングホイールベースを有するレガシィアウトバックは、疲れにくい乗り味と快適なリアの居住性が魅力だ。
一方のレヴォーグレイバックは、ボディサイズが小さいにもかかわらず、大きなラゲッジスペースを確保するパッケージングの良さが特徴だ。また、ハーマンカードンの高級オーディオが標準装備となっている点は見逃せない。
両車ともに新世代アイサイトに加えてアイサイトXも標準装備
6.安全装備&運転支援機能の比較
レヴォーグレイバックの評価は5.0
レガシィアウトバックの評価は4.5
※上図:レヴォーグレイバックのインパネデザイン
※上図:レヴォーグレイバックのメーター
2021年に登場したレガシィアウトバックは、2023年9月に行った一部改良で、新世代アイサイトを採用した。ステレオカメラに広角単眼カメラを追加したことによって2023年に登場したレヴォーグレイバックと同じ機能となったのだ。
改良前のレガシィアウトバックは、衝突軽減ブレーキであるプリクラッシュブレーキのシチュエーションで劣る部分があることは覚えておきたい。
※上図:レガシィアウトバックのインパネデザイン
※上図:レガシィアウトバックのメーター
レヴォーグレイバック、レガシィアウトバックに搭載されている次世代アイサイトは、広角化したステレオカメラに加えて、広角単眼カメラを採用している。また、カメラでは捉えられない死角の情報を検知する前側方レーダーを組み合わせることで、認識性能を向上させている。
次世代アイサイトは、以下の進化と追加を遂げた。
【進化】
- プリクラッシュセーフティ
- 車線逸脱抑制機能/車線中央維持制御・先行車追従操舵制御
- 全車速追従機能クルーズコントロール
【追加】
- 前側方プリクラッシュブレーキ/前側方警戒アシスト
- 緊急時プリクラッシュステアリング
- エマージェンシーレーンキープアシスト
- プリクラッシュセーフティ:低速時に車両周辺の二輪車や歩行者を認識可能に(広角単眼カメラの追加によるもの)。
さらに、レヴォーグレイバックとレガシィアウトバックには新世代アイサイトに加えて、高精度マップを活用した高度運転支援システム「アイサイトX」も標準装備している。ドライバーをサポートする領域が大幅に増加した。
- 渋滞時ハンズオフアシスト
- カーブ前速度制御
- 料金所前速度抑制
- ドライバー異常時対応システム
さらに、両車は「つながる安全」が安心感をもたらすコネクティッドサービス「スバルスターリンク」を採用。11.6インチのセンターインフォメーションディスプレイやGPS、車載通信機を搭載。24時間365日コールセンターとつながり、交通事故やトラブルが発生した際にサポートしてくれる。
しなやかさのレイバックと穏やかな乗り味のアウトバック
7.走行性能の比較
レヴォーグレイバックの評価は4.0
レガシィアウトバックの評価は4.5
レヴォーグレイバックと現行型レガシィアウトバックに搭載されているエンジンのスペックは共通だ。
レヴォーグレイバック/レガシィアウトバック
- 8L水平対向4気筒DOHC直噴ターボエンジン
- 最高出力177ps、最大トルク300N・m
レヴォーグレイバック:しなやかさの際立つ味付けでスポーティさをスポイルしていない
※上図:レヴォーグレイバックのエンジンルーム
レヴォーグレイバックに搭載されているエンジンは、1.8Lの水平対向4気筒直噴ターボエンジンの1種類だ。組み合わされるトランスミッションは、リニアトロニックというCVTである。駆動方式はアクティブトルクスプリットAWDと呼ばれる電子制御4WDシステムだ。
レヴォーグレイバックは、レヴォーグをベースに専用チューニングを施されたサスペンションと225/55R18もの大径オールシーズンタイヤを装着する。乗り味は、非常にしなやかだ。レヴォーグはスポーティさを前面に押し出し、硬さを感じる乗り味だが、レヴォーグレイバックは最低地上高を200mm確保するために行ったチューニングにより、サスペンションが良く動き、いい仕事をしてくれる。路面の荒れた場所でもフラットな姿勢をキープしてくれるのだ。コーナーでもひと呼吸速くアクセルペダルを踏めるので、1.8Lターボエンジンでもストレスを感じることがない。レヴォーグの乗り味はちょっと硬いなと思っている人には、しなやかな味付けながらスポーティさをスポイルしていないレヴォーグレイバックの乗り味は気に入るはずだ。
レガシィアウトバック:大陸的な穏やかなリズム感のある走りが魅力
※上図:レガシィアウトバックのエンジンルーム
レガシィアウトバックに搭載されているパワートレインは、レヴォーグレイバックとまったく同じだ。駆動方式はアクティブトルクスプリットAWDという電子制御4WDシステムを採用している点も同じ。
ただし、都会派SUVのレヴォーグレイバックには搭載されていないX-モードがレガシィアウトバックには採用されている。X-モードは、路面状況に合わせてモードを選ぶことで、エンジンやミッション、横滑り防止装置などを統合制御する。特に滑りやすい路面などで発揮する電子デバイスだ。
全長約4.9m、ホイールベース約2.75mが生み出すレガシィアウトバックの乗り味は、非常に大らかなリズムで大陸的だ。揺れも穏やかだが、レヴォーグレイバックと比べると収束は遅めである。全体的に大らかさを感じる乗り味で、ロングドライブしても疲れにくいと感じる。
レガシィアウトバックの乗り味が緩さをも感じるほど大らかなのは、高い悪路走破性を兼ね備えているからだ。タイヤが空転するような悪路においても電子デバイスのX-モードを使用すれば簡単に脱出することができるほどの実力を備えている。より悪路走破性を重視するのであれば、レガシィアウトバックがよいだろう。乗り心地面では、カーブが多い日本だとやや柔らかいと感じるかもしれない。
グローバルでの人気を考慮するとレガシィアウトバックが有利
8.リセールバリュー比較
レヴォーグレイバックの評価は4.0
レガシィアウトバックの評価は4.5
レガシィアウトバックの2021年式中古車相場のボリュームゾーンは約340万~390万円だ。新車時価格が414万7000円~429万円で、流通台数の多いリミテッドEXの残価率は約65%となっている。稀少なステーションワゴン+SUVのクロスオーバーモデルということで、高い残価率を誇る。レガシィアウトバックの中古車はまだ非常に少なく、今後も激増することはないので、大幅な値落ちはないと予想できる。
一方、レヴォーグレイバックの新車価格は399万3000円のリミテッドEXのモノグレードだ。搭載しているパワートレインや運転支援機能は現行型レガシィアウトバックと同じである。
レヴォーグレイバックの新車価格である約400万円を予算とするならば、レガシィアウトバックの中古車なら2023年式まで圏内だ。エントリーグレードのXブレークだけでなく、リミテッドEXも狙える。
リセールバリューは、レガシィアウトバックのほうが今後も高い残価率をキープする可能性が高い。それは、レガシィアウトバックが日本市場よりも海外市場での人気が高いからだ。中古車市場はグローバル化が進んでいるので、日本でそれほど人気がなくても海外で人気ならばリセールバリューは高くなる。
同じパワートレイン、運転支援機能を搭載するが、悪路走破性でレガシィアウトバックが上回る
9.まとめ・総合評価
ステーションワゴン+SUVのクロスオーバーモデルという点では、両車はまったく同じだ。しかし、キャラクターは逆を行く。都会派のレヴォーグレイバックに対して、タフギアのレガシィアウトバックというポジションを有する。
両車の価格設定が近いのは、レヴォーグレイバックには以下の快適装備が標準装備となっていることが挙げられる。
- 本革シート
- ハーマンカードンの高級オーディオ
- ハンズフリーオープンパワーリアゲート
ボディサイズが気にならないのであれば、レガシィアウトバックは魅力だ。現在主流の背の高いSUVとは異なり、低重心が生み出す走りはコーナーでのロール量も抑えており、快適に移動することが可能。特に揺れに敏感な子どもやペットと一緒に出掛ける人には、アウトバックはベストな選択と言えるだろう。
2023年9月の改良後モデルなら、安全装備も国産車屈指の新世代アイサイトとアイサイトXを標準装備しており、ロングドライブでもドライバーの疲労はかなり抑えることができる。
また、予算面でもレガシィアウトバックは、レヴォーグレイバックよりやや有利になる。約400万円の新車レヴォーグレイバックに対して、レガシィアウトバックの中古車相場は約340~400万円(2022年式)。安価な価格帯の車両であれば、予算も節約できる。
レヴォーグレイバック |
レガシィアウトバック |
|
総合得点(40点満点) |
33.0 |
32.0 |
1.燃費 |
3.5 |
3.5 |
2.価格 |
4.5 |
4 |
3.購入時の値引きしやすさ |
3.5 |
3.0 |
4.デザイン |
4.0 |
4.0 |
5.室内空間と使い勝手 |
4.5 |
4.0 |
6.安全装備 |
5.0 |
4.5 |
7.走行性能 |
4.0 |
4.5 |
8.リセールバリュー |
4.0 |
4.5 |
スバル レヴォーグレイバックの価格とスペック
レヴォーグレイバック 新車価格
- リミテッドEX 4WD:399万3000円
代表グレード |
リミテッドEX 4WD |
ボディサイズ |
4,770mm×1,820mm×1,570mm |
ホイールベース |
2,670mm |
最低地上高 |
200mm |
車両重量 |
1,600kg |
エンジン型式 |
CB18 |
エンジンタイプ |
水平対向4気筒DOHC直噴ターボ |
総排気量 |
1,795cc |
最高出力 |
177ps(130kW)/5,200〜5,600rpm |
最大トルク |
300N・m(30.6kgm)/1,600~3,600rpm |
燃費(WLTCモード) |
16.5km/L |
駆動方式 |
四輪駆動(4WD) |
トランスミッション |
CVT |
サスペンション型式 |
前:ストラット 後:ダブルウィッシュボーン |
タイヤサイズ前後 |
225/55R18 |
最小回転半径 |
5.4m |
スバル レガシィアウトバックの価格とスペック
レガシィアウトバック 新車価格(2023年9月一部改良後モデル)
- X-BREAK EX 4WD:425万7000円
- リミテッドEX Active×Black 4WD:451万円
レガシィアウトバック 中古車相場
- 約340~400万円(2022年式)
代表グレード |
リミテッドEX 4WD |
ボディサイズ |
4,870 mm×1,875 mm×1,675 mm |
ホイールベース |
2,745 mm |
最低地上高 |
213mm |
車両重量 |
1,690kg |
エンジン型式 |
CB18 |
エンジンタイプ |
水平対向4気筒DOHC直噴ターボ |
総排気量 |
1,795cc |
最高出力 |
177ps(130kW)/5,200〜5,600rpm |
最大トルク |
300N・m(30.6kgm)/1,600~3,600rpm |
燃費(WLTCモード) |
15.8km/L |
駆動方式 |
四輪駆動(4WD) |
トランスミッション |
CVT |
サスペンション型式 |
前:ストラット 後:ダブルウィッシュボーン |
タイヤサイズ前後 |
225/60R18 |
最小回転半径 |
5.5m |