デリカD:5vsCX-8徹底比較!3列シートモデルを買うならどっち?

デリカD:5vsCX-8徹底比較!3列シートモデルを買うならどっち?

3列シートをもつモデルとして、ミニバンの三菱デリカD:5とSUVのマツダCX-8を徹底比較する。

デリカD:5広い室内空間に6~8人乗車可能な3列シートをレイアウトが特徴的なミニバンである。対するCX-8の属するSUVカテゴリは、現在最も人気だ。SUVは、コンパクトからラージサイズまで幅広くラインアップがあり、3列シートをもつモデルも人気が出始めている。

 

人気のSUVか、 広さと使い勝手のミニバンか、悩みどころも多いだろう。しかも、マツダCX-8は、すでに生産終了している。CX-8の中古車価格は、年式によってはかなり買い得感が出てきている。予算も含め、購入に失敗・後悔しないためにクルマ選びに役立ててほしい。

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三菱デリカD:5の特徴

デリカD:5 の車両全景(左図:ベースモデル、右図:アーバンモデル)

※デリカD:5 の全景(左図:ベースモデル、右図:アーバンモデル)

三菱デリカD:5は2007年1月に登場し、17年以上販売されているロングセラーモデルである。「ミニバンの優しさ」と「SUV の力強さ」の融合をコンセプトとした、個性派ミニバンだ。

 

デリカD:5のボディ構造には、乗員をしっかり守る環状骨格構造の「リブボーンフレーム」を採用している。歴代「デリカ」伝統の十分なグランドクリアランスを持つスクエアなボディを、大径タイヤで支える独創的なフォルムだ。最低地上高も210mm 確保し、クロスオーバーSUV に匹敵する十分な対地障害角を確保し高い悪路走破性を実現しているのが特徴だ。

 

デリカD:5は、販売開始から約12年が経過した2019年2月にビッグマイナーチェンジを実施した。内外装の変更に加えて、エンジンも大幅に改良が加えられた2.2L直4ディーゼルターボエンジンも搭載している。

組み合わされるトランスミッションは8速ATで、駆動方式は4WDのみだ。4WDシステムは、電子制御カップリングによって3種類の駆動モード(2WD・4WDオート・4WDロック)を任意に選ぶことが可能だ。4WDロックモードは、4WDオートモードより後輪への駆動配分を高めに設定している。悪路走行やスタック脱出性に優れており、通常路面でも低速から高速まで4WDらしい力強い走行を可能としている。

モデル体系は2種類だ。通常のデリカD:5に加え、エアロパーツを装着し、洗練されたモダンなデザインのアーバンギアが用意されている。

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マツダCX-8の特徴

マツダCX-8の車両全景

※上図:マツダCX-8の全景

マツダCX-8は2017年に登場し、3列シートSUVブームの火付け役となったモデルだ。しかし、2023年12月をもって生産が終了している。

 

CX-8は、マツダが「ミニバンに変わる新しい提案」として2017年に販売開始した3列シートSUVだ。これまでの「3列シート車=ミニバン」という図式を崩すことに成功し、3列シートSUVという新しいムーブメントを確立した。

 

CX-8は5人乗りのCX-5のボディをストレッチしたモデルではなく、海外で販売されているCX-9をベースに日本市場に合わせてダウンサイジングさせたモデルだ。

 

CX-8に搭載してされているエンジンはデビュー当初2.2L直4ディーゼルターボの1種類だった(最高出力190ps、最大トルク450Nm)。2018年には2.5L直4ガソリンエンジンと2.5L直4ガソリンターボエンジンを追加している。

 

組み合わされているトランスミッションは6速ATを採用している。駆動方式は2WD(FF)とi-ACVTIV AWDという新世代4WDだ。さらにマツダ独自の技術「G-ベクタリングコントロール」を搭載し、ドライバーも乗員も、全員が街乗りからロングドライブが楽しめるように仕上げてられている。

モデルは以下などを設定している。

  • エクスクルーシブモード(高級素材のナッパレザーを使用した本革シートを標準準備)
  • グランドジャーニー(4WDのみでアウトドア色を強めた)
  • スポーツアピアランス(ブラックでコーディネイトして上質さを表現)

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同じディーゼル4WD車で比較するとCX-8が大きくリード

燃費比較

デリカD:5の評価は3.5

CX-8の評価は4.5

 

三菱デリカD:5と、マツダCX-8の燃費は以下の通りだ(WLTCモード)。

 

FF(2WD)

4WD

デリカD:5 P

-

12.6km/L

CX-8 25S

12.4km/L

12.2km/L

CX-8 25T

12.0km/L

11.6km/L

CX-8 XD

15.8km/L

15.4km/L

デリカD:5は、デビュー当初はガソリンエンジンも搭載していた。現在搭載されているのは、2.2L直列4気筒ディーゼルターボエンジンの1種類だ。(最高出力145ps、最大トルク380Nm)

 

対するマツダCX-8は、以下の3種類を設定している。

 

最高出力

最大トルク

2.2L直列4気筒ディーゼルターボエンジン

200ps

450Nm

2.5L直列4気筒ガソリンターボエンジン

230ps

420Nm

2.5L直列4気筒ガソリンエンジン

190ps

252Nm

今回の燃費の比較は、CX-8でも売れ筋だったディーゼルエンジンに絞って行う。

 

デリカD:5とCX-8は同じ「2.2L直列4気筒ディーゼルターボエンジン」を搭載している。だがスペックはパワーや燃費性能は、CX-8が大きく上回っている。

 

【両車の2.2L直列4気筒ディーゼルターボエンジンの比較】

 

最高出力

最大トルク

トランスミッション

車両重量

デリカD:5

145ps

380Nm

8速AT

1,930~1,980kg

CX-8

200ps

450Nm

6速AT

1,840~1,930kg

組み合わされているトランスミッションはデリカD:5のほうが多段だ。そしてディーゼル車の車両重量はCX-8のほうが最大で90kg軽量である。

 

デリカD:5は、8速ATを採用したことで高速道路での燃費は良好そうに見える。しかし、ミニバン特有の空気抵抗の悪さや車両重量の重さでCX-8にリードを許している。

両車とも購入するユーザー層に合わせた装備が充実している

価格比較

デリカD:5の評価は4.0

CX-8の評価は4.5

 

三菱デリカD:5とマツダCX-8の最上級グレードの価格は下記の通りだ。

【新車価格】

  • 三菱デリカD:5アーバンギアGパワーパッケージ 4WD:4,622,200円
  • マツダCX-8 XD/25Tエクスクルーシブモード 4WD 6人乗り:5,058,900円

【中古車相場】

  • マツダCX-8:約270~380万円

*中古車相場は、2024年5月調べ

 

まずは、新車価格で装備類を比較してみよう。

三菱デリカD:5 とマツダCX-8 の各最上級グレードの価格差は、CX-8の方が約43万6700円高額だ。双方搭載するエンジンはディーゼルターボエンジン、駆動方式は4WDと同じでも、大きな差が生じた。

 

この大きな価格差の要因となっているのが、快適装備と運転支援機能だ。

快適装備では、CX-8の最上級グレードにシートの電動調整機能とシートベンチレーション機能が標準装備だ。運転席・助手席に加えて、セカンドシートも対応している。シート表皮には、高級なナッパレザーを使用した。

対するデリカD:5は運転席だけがパワーシートを標準装備しており、本革シートは13万2000円のオプションだ。

 

続いて運転支援機能を比較してみよう。

比較対象は、デリカD:5アーバンギアGパワーパッケージ 4WDと、CX-8 XDエクスクルーシブモード 4WD 6人乗りだ。

◎:標準装備、×:装着されていない

 

デリカD:5

CX-8

電動スライドドア

後席用モニター

アクセサリーコンセント(AC100V)

電動サイドステップ

2列目パワーシート

ワイヤレス充電

クルージング&トラフィックサポート

レーンキープ・アシスト・システム

デリカD:5の乗降性は高い。利便性の高いスライドドアに電動スライド機能や電動サイドステップを標準装備している。この点においてはヒンジ式ドアのCX-8は歯が立たない。

 

CX-8は、質の高い運転支援機能や快適装備が充実している。対するデリカD:5は、エンターテイメント性や利便性を高める装備が魅力的だ。どんな人をリア&サードシートに乗せるかがクルマ選びのポイントと言える。

 

CX-8の上級グレードでは、豪華装備が充実している。2021年式の中古車相場は約270~380万円と、かなり安価だ。上級グレードであるディーゼルのXDエクスクルーシブモードやXD Lパッケージに絞って中古車相場を調べると、おおよそ320~400万円。新車のデリカD:5上級グレードより、かなり安価に手に入れることが出来る。

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デリカD:5は、大幅新車値引きに期待!

購入時の値引き術

デリカD:5の評価は4.0

CX-8の評価は2.5

 

新車で気になることのひとつは、納期だろう。コロナ禍も落ち着き、各社の納期はグッと短くなってきている。

三菱デリカD:5は、カタログモデルが1~2カ月程度、特別仕様車のシャモニーが2~3カ月程度とほぼ即納と言える状況だ。中古のCX-8にとって、納期は大きなアドバンテージとは言い難い。

 

CX-8は新車販売を終了しているため、すべて中古車だ。中古車の値引きは基本的にほぼゼロだと考えたい。大幅値引きが提示されたら「何かある?」と疑った方がよいくらいだ。

 

対するデリカD:5の新車値引きは、35万円程度という声が多いようだ。とはいえ、デリカD:5はオフローダーミニバンという唯一無二の個性がある。デリカD:5以外のクルマを買うつもりはないという姿勢で商談に望めば、値引きはゼロベースになる可能性が高い。トヨタ ヴォクシーやノアなどのミニバンや、7人乗りSUVの日産エクストレイルなどの見積りを取り競合させる必要がある。大幅値引きを勝ち取るには、条件が合わなければ他のクルマでもよいという姿勢を崩さないことだ。

デザイン比較

デリカD:5の評価は3.5

CX-8の評価は4.0

フロントマスクだけでなく最低地上高の高さも個性的

デリカD:5 の車両後景

※上図:デリカD:5の後景

デリカD:5は、2019年2月に大幅改良を行った。デザインコンセプトは「TOUGH TO BE GENTLE」だ。

デリカD:5のフロントフェイス

※上図:デリカD:5のフロントフェイス

三菱のアイデンティティである以下を取り入れ、「オールラウンドなミニバン」というデリカらしさを継承しながら、プレステージ性の高い車へと進化した新しいデリカ像を表現している。

  • 人とクルマを守るプロテクター
  • バンパーのプロテクション機能
  • ハイパフォーマンス性能を表すエアインテークをモチーフとした「ダイナミックシールド」

デリカD:5のリヤエンド

※上図:デリカD:5のリヤエンド

また、デリカD:5はSUVに匹敵する185mmの最低地上高を確保しているにも関わらず、低重心に見えるような工夫が施されている。さらに悪路で障害物を乗り越えて走行できるように、以下のアングルを実現しているのが特徴だ。

  • 21°のアプローチアングル
  • 5°のランプブレークオーバーアングル
  • 23°のディパーチャーアングル

無駄を極限まで削ぎ落とし光のコントラストでエレガントさを表現

CX-8の車両後景

※上図:CX-8の後景

CX-8のデザインコンセプトは「TIMELESS EDGY」だ。これは「普遍的な美しさと上質なデザインによって日々の生活に心地良い刺激を受け続けてもらいたい」という思いが込められている。

 

美しさと品格を突き詰めた外観デザインは、スタイリッシュでコンパクトなキャビンをつくっている。美しいプロポーションが特徴で、存在感のあるボディとのコントラストを際立たせた。

CX-8のフロントフェイス

※上図:CX-8のフロントフェイス

フロントマスクは、低く構えたシャープなヘッドランプ、左右に広がるシグネチャーウイングなどによってワイド感を強調している。

CX-8のリヤエンド

※上図:CX-8のリヤエンド

デリカD:5、CX-8ともにデザインは質感の高さを追求している。だが、メッキを多用するデリカD:5に対してCX-8は無駄を削ぎ落とすシンプルな造形によって表現しているように手法が異なっている。

室内空間の広さはデリカD:5だが、バランスの良さはCX-8

室内空間と使い勝手

デリカD:5の評価は4.0

CX-8の評価は4.0

 

三菱デリカD:5とマツダCX-8のボディサイズ、ホイールベース、荷室容量は以下のとおり。

 

三菱デリカD:5 P 4WD

全長×全幅×全高

4,800mm×1,795mm×1,875mm

室内長×室内幅×室内高

2,980mm×1,505mm×1,310mm

ホイールベース

2

荷室容量

94L(3列シート利用時)、

805~826L(3列シート格納時)

982~1,003L(2列シート格納時)

 

マツダCX-8 XDエクスクルーシブモード 4WD

全長×全幅×全高

4,925mm×1,845mm×1,730mm

室内長×室内幅×室内高

2,690mm×1,540mm×1,250mm

ホイールベース

2

荷室容量

30L(3列シート利用時)

563~591L(3列シート格納時)

デリカD:5とCX-8のボディサイズを比較すると、CX-8のほうが全長+125mm、全幅+50mm大きく、デリカD:5のほうが全高は+145mm高くなっている。

 

全長はCX-8のほうが圧倒的に長いものの、室内空間はデリカD:5のほうが広い。これはエンジンルームによる影響だ。

デリカD:5の運転席

※上図:デリカD:5の運転席

デリカD:5の2列目シート

※上図:デリカD:5の2列目シート

デリカD:5の3列目シート

※上図:デリカD:5の3列目シート

デリカD:5の荷室

※上図:デリカD:5の荷室

デリカD:5は人の乗るスペースを重視、CX-8は人と荷物のバランスを重視している。

それが、3列シート使用時のラゲッジスペース容量に表れている。デリカD:5が94Lに対して、CX-8は230Lを確保した。

CX-8の運転席

※上図:CX-8の運転席

CX-8の2列目シート

※上図:CX-8の2列目シート

CX-8の3列目シート

※上図:CX-8の3列目シート

CX-8の荷室

※上図:CX-8の荷室

CX-8の3列目シートは、あくまで短距離用と考えたい。大人が長時間乗車して快適かと問われると少々微妙だ。その分、荷室は広い。対するデリカⅮ:5は、ミニバンらしく3列目シートでもロングドライブが可能だ。しかし、荷室は狭い。

 

どちらも一長一短なので、普段どのような使い方をするのかイメージしてから検討すると良いだろう。

性能・機能数ともにCX-8が大きくリード、スマートエディション以上が狙い目

安全装備&運転支援機能

デリカD:5の評価は4.0

CX-8の評価は4.5

 

運転支援機能を含めた予防安全装備は、両車ともに衝突被害軽減ブレーキなどの基本的な機能は装備している。さらにCX-8は渋滞時に活躍する機能も装備しており、質・機能数でデリカD:5を圧倒している。

デリカD:5のインパネデザイン

※上図:デリカD:5のインパネデザイン

デリカD:5は、運転支援機能がパッケージ化されたe-Assistを搭載しており、以下は全車標準装備だ。

  • 衝突被害軽減ブレーキ
  • 車線逸脱警報システム
  • レーダークルーズコントロールシステム
  • オートマチックハイビーム
  • 誤発進抑制機能(前進時)

デリカD:5のメーター

※上図:デリカD:5のメーター

後側方車両検知警報システムと後退時交差車両検知警報システムは、最上級グレードのPは標準装備で、Gパワーパッケージは49,500円のオプションだ。

 

対するCX-8は以下の機能を全車標準装備している。

  • アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(衝突被害軽減ブレーキ)
  • ブラインド・スポット・モニタリング
  • 車線逸脱警報システム

 

スマートエディション以上のモデルは、以下も標準装備だ。

  • スマート・ブレーキ・サポート&マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール
  • アダプティブ・LED・ヘッドライト
  • 360°ビューモニター+フロントパーキングセンサー
  • レーンキープ・アシスト・システム
  • 交通標識認証システム

CX-8のインパネデザイン

※上図:CX-8のインパネデザイン

さらに、スポーツアピアランスとエクスクルーシブモードには、渋滞時の運転支援を行うクルージング&トラフィックサポートも標準装備となる。

CX-8のメーター

※上図:CX-8のメーター

CX-8はスタンダードグレードとスマートエディションの装備差が大きいので、CX-8を購入する際にはスマートエディション以上を狙うようにしたい。

 

また、CX-8は何度も改良が施されている。予防安全装備や運転支援機能を重視するのであれば、2022年12月の改良後モデルがよい。クルージング&トラフィックサポートなどの機能が追加されているからだ。

古さを感じさせないデリカD:5と高級車ライクなCX-8

走行性能の比較

デリカD:5の評価は4.0

CX-8の評価は4.5

 

以下のモデルで、エンジンの最高出力、最大トルク、車両重量を比較する。

  • デリカD:5:P 4WD 7人乗り
  • CX-8:XDエクスクルーシブモード 4WD 6人乗り

 

デリカD:5

CX-8

最高出力

145ps

200ps

最大トルク

380Nm

450Nm

車両重量

1,970kg

1,910kg

ディーゼルエンジンの最高出力、最大トルクはCX-8が大きく上回っている。

車両重量は、CX-8のほうが60kg軽い。また、サスペンション形式はデリカD:5、CX-8ともに、フロントがマクファーソンストラット式、リアはマルチリンク式となっている。

リアにマルチリンクサスを採用し、国産ミニバンでは抜群の安定感

デリカD:5のエンジンルーム

※上図:デリカD:5のエンジンルーム

デリカD:5は2019年の大幅改良時に、ボディ補強が行われている。最低地上高185mmを確保しながらも、腰高感はそれほどなく、カーブを曲がる際のねじれ剛性も高い。そのため、ミニバンの中では無駄な動きが少ない部類だ。唯一無二のオフロードミニバンということもあり、ミニバンとは思えない悪路走破性を誇る。

 

また、リアにマルチリンクサスを採用しているため、路面の追従性も高い。加えて国産ミニバンの中では優れた乗り心地を実現している。

 

エンジン出力はCX-8と比べると控えめだ。しかし8速ATとのシナジー効果で、アクセルレスポンスも鋭く、スムーズな加速性能を有する。2トン近いデリカD:5の重さを感じさせない。

ロングホイールベースを活かした懐の深い乗り味

CX-8のエンジンルーム

※上図:CX-8のエンジンルーム

対するCX-8は、高級車のようなフラットな乗り心地が特徴だ。2,930mmというロングホイールベースにより、穏やかな乗り味が持ち味と言える。最低地上高も200mmあり、ルックスは都会派だが、悪路走破性も高いレベルにある。

 

その一方でドライバビリティは高い。ドライバーがハンドルを切れば切った分だけキチッと曲がる。アクセルによる加速時や、ブレーキによる減速時に発生する前後の揺れは非常に抑えられており、無駄な動きが少ないため疲れにくいのが魅力だ。

 

CX-8は何度も改良が加えられてきた。乗り心地や静粛性など、快適性を重視するのであれば、2022年12月の改良後モデルがお勧めだ。

乗り味重視なら、2020年12月の改良後をお勧めしたい。2.2Lディーゼルターボエンジンが、2020年12月の改良で190㎰から200㎰へパワーアップし、エンジンのフィーリングも大幅に向上しているからだ。

 

デリカD:5は2007年登場のモデルという古さは感じさせず、ミニバンとしてはトップレベルの乗り心地と操縦安定性を誇っている。CX-8は、ロングホイールベースを活かしたフラットな高級車ライクの安定感抜群の乗り味が特徴だ。

少数・個性派モデルであることで高リセールになっているデリカD:5

リセールバリュー

デリカD:5の評価は5.0

CX-8の評価は4.0

 

双方の最上級グレードのリセールバリューは以下の通りだ(2022年式のディーゼルエンジン搭載車)。

  • デリカD:5の残価率:6%
  • CX-8の残価率:9%

リセールバリューはデリカD:5が圧倒的に高い。以下が影響しているのだろう。

  • モデルライフの長さ
  • ミニバンではディーゼルエンジン搭載車が稀少
  • またSUV並の悪路走破性を備えたミニバンというユニークさ

リセールバリューを求めるのであれば、デリカD:5の一択と言える。

 

CX-8で高リセールバリューが期待できるのは2.2Lディーゼルターボエンジンを搭載したXD系の上級グレードだ。スポーツアピアランスや、エクスクルーシブモードが高リセールバリュー傾向にある。

 

デリカD:5で高リセールバリュー傾向にあるのは、アーバンギアやP系グレード、特別仕様車のシャモニーだ。12.8型後席用モニターのオプションもプラス査定の対象になる。

子どもを乗せるならデリカD:5、豪華さで快適な移動を求めるならCX-8

まとめ・総合評価

三菱デリカD:5がお勧めの人
  • 小さな子どもを乗せる
  • 大きな荷物を積むことが多い
  • キャンプ場など未舗装路を良く走る
  • アウトドア志向
マツダCX-8の中古車がお勧めの人
  • 予算重視
  • 荷物より人を乗せることが多い
  • 乗り心地を重視したい
  • 本革シートなど豪華装備を重視
 

デリカD:5

CX-8

総合得点(40点満点)

32.0

32.5

1.燃費

3.5

4.5

2.価格

4.0

4.5

3.購入時の値引きしやすさ

4.0

2.5

4.デザイン

3.5

4.0

5.室内空間と使い勝手

4.0

4.0

6.安全装備

4.0

4.5

7.走行性能

4.0

4.5

8.リセールバリュー

5.0

4.0

デリカD:5の中古車在庫をチェックする>

CX-8の中古車在庫をチェックする>

三菱デリカD:5価格

M 4WD

4,156,900円

G 4WD

4,258,100円

アーバンギアG 4WD

4,385,700円

Gパワーパッケージ4WD

4,494,600円

P 4WD

4,601,300円

アーバンギアGパワーパッケージ4WD

4,622,200円

マツダCX-8価格帯(2022年11月当時)

【新車】25S 2WD

2,994,200円

【新車】XDエクスクルーシブモード6人乗り4WD

5,058,900円

【中古車】相場(2024年5月調べ)

約270~380万円

三菱デリカD:5スペック

代表グレード

P 7人乗り4WD

ボディサイズ

4,800mm×1,795mm×1,875mm

ホイールべース

2,850mm

最低地上高

185mm

最小回転半径

5.6m

車両重量

1,970kg

エンジン型式

4N14

エンジンタイプ

直列4気筒ディーゼルターボ

総排気量

2,267cc

最高出力

145ps(107kW)/3,500rpm

最大トルク

380N・m(38.7kgm)/2,000rpm

燃費(WLTCモード)

12.6km/L

駆動方式

4輪駆動(4WD)

サスペンション

前:マクファーソンストラット、後:マルチリンク

タイヤサイズ

225/55R18

マツダCX-8 スペック

代表グレード

XDエクスクルーシブモード6人乗り 4WD

ボディサイズ

4,925mm×1,845mm×1,730mm

ホイールベース

2,930mm

最低地上高

200mm

最小回転半径

5.8m

車両重量

1,910kg

エンジン型式

SH-VPTS型

エンジンタイプ

直列4気筒ディーゼルターボ

総排気量

2,188cc

最高出力

200ps(147kW)/4,000rpm

最大トルク

450N・m(45.9kgm)/2,000rpm

燃費(WLTCモード)

15.4km/L

駆動方式

4輪駆動(4WD)

サスペンション

前:マクファーソンストラット、後:マルチリンク

タイヤサイズ

225/55R19

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員