新型クラウンセダンは旧型とどう違う?燃費や価格を新旧比較

新型クラウンセダンは旧型とどう違う?燃費や価格を新旧比較

2023年11月、トヨタの歴史あるセダンであるクラウンがフルモデルチェンジを行った。新旧モデルの燃費や価格、内装などについて比較・評価したので、購入の参考にしてほしい。

トヨタ クラウンセダンの歴史・概要

最新のGA-Lプラットフォームを採用した220系クラウンセダン

トヨタ クラウンは、歴史のあるセダンだ。初代クラウンは1955年に登場した。その後、トヨタを代表するクルマとしてモデルチェンジを重ね、2018年6月に15代目クラウンがデビューした。

220系クラウンの全景

※上図:220系クラウンの全景

15代目にあたる220系クラウンは、長年使われていたプラットフォームが刷新されている。最新のGA-Lプラットフォームは、レクサスLSと同じものが採用された。レクサスLSはクラウンより大型で、トヨタグループのフラッグシップセダンだ。

 

220系クラウンは、日本マーケットでの使い勝手を重視し、全幅1,800mmを条件としている。そのためGA-Lプラットフォームは、220系クラウン用としてはやや大きいので、幅が狭めに改良された。この最新GA-Lプラットフォームを得たことで、基本性能が大幅に向上している。さらに、ドイツのサーキットであるニュルブルクリンクでテストを繰り返し、徹底的に走りを磨き上げた。特に走行性能は、14代目の210系クラウンから飛躍的に向上した。

 

搭載エンジンは、直4 2.5Lハイブリッドをメインに、V6 3.5Lハイブリッドも用意された。ガソリン車には直4 2.0Lターボエンジンが設定されている。

 

装備面では、車載通信機DCMを全車に標準搭載した。今では当たり前になった装備だが、220系クラウンは、初代コネクティッドカーだったのだ。

そして、従来のグレード名を廃止したのも特徴のひとつだ。「マジェスタ」、「ロイヤル」などが、B、S、G系となり、アスリートはRS系として設定されている。

 

ここからは220系15代目クラウンの変遷を辿る。

【2019年7月】

内外装に上質感を高める特別装備を充実させた特別仕様車 S“Elegance Style”(2.0L ガソリン車、2.5L ハイブリッド車)、S Four“Elegance Style”(2.5Lハイブリッド車)を設定した。

 

【2019年10月】

上質さとスポーティさを高めた特別仕様車 S“Sport Style”(2.0Lガソリン車、2.5Lハイブリッド車)、S Four“Sport Style”(2.5Lハイブリッド車)を設定した。

 

【2020年4月】

65周年を記念した特別仕様車を設定し、一部改良を施した。

  • T-Connect SDナビゲーションシステムにスマートフォン連携機能を追加、スマホアプリをナビに表示し操作が可能に(SmartDeviceLink、Apple CarPlay/Android Auto等)
  • ドアトリム&インストルメントパネルの加飾に合成皮革を採用(除くG“Executive”、G Four“Executive”)

RS、RS Fourは装備の内容を厳選した仕様とした。

 

【2020年11月】

一部改良を施し、内外装の質感を向上させた。

先進機能を追加した最新予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を装備。

  • プリクラッシュセーフティ(自動ブレーキ)…右左折時の対向歩行者、右折時の車両にも対応
  • ドライバー異常時対応システム
  • レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)
  • 低速時加速抑制機能
  • カーブ速度抑制機能(トヨタ車で初採用)…AI技術により前方カーブの大きさを推定しステアリングの切り始めで速度抑制を開始

【2021年6月】

「スポーティ」さと「エレガント」さが際立つ特別仕様車を設定した。スポーティ系特別仕様車 RS“Limited Ⅱ”とRS Four“Limited Ⅱ”が登場。

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全長5m超! 大幅ボディサイズがアップした30系クラウンセダン

新型クラウンセダン(30系)の全景

※上図:新型クラウンセダン(30系)の全景

16代目となる30系クラウンは、2022年9月にクラウンクロスオーバーが発売され、2023年11月にはクラウンセダンが誕生した。

 

30系クラウンシリーズのクロスオーバーやスポーツなどには、前輪駆動ベースのプラットフォームであるGA-Kを採用している。しかし、クラウンセダンのみ、後輪駆動ベースのGA-Lプラットフォームを用いた。高級セダンらしく、後輪駆動にこだわっている。クラウンセダンは「クラウン」という名を冠したものの、プラットフォームが異なるため、他のクラウンシリーズとは全くの別物と言える。

 

また、30系クラウンセダンは初のグローバルモデルとなり、ボディサイズは一気に大型化された。全長5,030 mm(+120mm)×全幅1,890 mm(+90mm)×全高1,475mmとなった。※( )…220系クラウンセダンとの比較

 

パワーユニットは2タイプあり、大幅に変更された。ひとつは燃料電池ユニットを搭載しFCEVとなった。このFCEVは、基本的なシステムをミライと共用している。

もうひとつは、走り楽しさをプラスした2.5Lマルチステージハイブリッドシステムを搭載したものだ。

安心の220系、斬新さの30系

外装デザイン比較

220系のクラウンの後景

※上図:220系クラウンの後景

220系クラウンセダンは、凝縮された強さと、洗練されたエレガンスの両立によるスポーティセダンの創出を狙いデザインされた。「スポーティセダンであること」を重要視している。

新型クラウンセダン(30系)の後景

※上図:新型クラウンセダン(30系)の後景

対する30系クラウンセダンは、ニューフォーマルを追求した美しい佇まいを追求し、デザインされた。従来のクラウンイメージをまったく感じさせない個性を重視したデザインといえる。

220系は、無難で安心感がある。古さを感じさせないのは美点だ。ただし、30系の圧倒的な存在感や個性と比べると、少し地味に見えてしまう。

フロントフェイス比較

220系クラウンのフロントフェイス

※上図:220系クラウンのフロントフェイス

220系クラウンセダンは、フロントグリルの押し出し感を重視し、迫力あるフェイスを生み出した。フェイスデザインのスタンダートと言える手法だ。バランスよくまとめらえていて、今でも古さを感じさせない。

新型クラウンセダン(30系)のフロントフェイス

※上図:新型クラウンセダン(30系)のフロントフェイス

30系クラウンセダンは、鋭さとワイド感を強調する「ハンマーヘッド」と、縦基調のパターンを施した大型台形グリルの「アンダープライオリティ」の組み合わせで、かなり個性が強いフェイスとなった。バンパーも手の込んだ立体的な造形で、圧倒的な存在感をアピールする。

220系クラウンセダンは「派手さは必要なく、落ち着いた雰囲気が好き」という人にお勧めだ。「斬新で存在感を重視」するならば、30系クラウンセダンが圧倒する。

リヤスタイル比較

220系クラウンのリヤエンド

※上図:220系クラウンのリヤエンド

220系クラウンセダンは、ややツリ目のリヤコンビネーションランプでスポーティさを演出している。RS系は4本出しのマフラーを装備し、スポーティさが強調された。

※上図:新型クラウンセダン(30系)のリヤエンド

30系クラウンセダンは、かなりドッシリとした安定感あるフォルムだ。ワイドになった全幅に加え、一文字のコンビネーションランプが存在感を示す。

220系は、スッキリ系。30系はややアクの強いデザインといえる。

サイドスタイル比較

220系は、流麗にトランクへと続くクーペルックのルーフラインでスポーティさを強調している。そのため、6ライトウインドウとなっている。

30系は、20系より滑らかに長く伸びるルーフラインとしている。セダンというより、4ドアクーペのようだ。

自動ブレーキの性能は世代によって大きな差がある

予防安全装備の比較

予防安全装備パッケージ「トヨタセーフティセンス」は、両車共に単眼カメラとミリ波レーダーを組み合わせている。だが、世代が違うため性能差も大きい。

 

プリクラッシュセーフティ(自動ブレーキ)の世代差は以下の通りだ。

 

220系 前期

220系 後期

30系

歩行者

昼・夜

昼・夜

昼・夜

自転車

昼・夜

自動二輪車

-

-

対向歩行者

-

右折・左折

右折・左折

対向車両

-

右折

右折

2020年11月の改良(220系 後期)では、プリクラッシュセーフティに加え下記の機能が加わった。

  • ドライバー異常時対応システム
  • レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)
  • カーブ速度抑制機能…AI技術により前方カーブの大きさを推定しステアリングの切り始めで速度抑制を開始
  • 低速時加速抑制機能

220系クラウンセダンの中古車を買う際、より予防安全性能を重視するならば、2020年11月の改良後モデルがお勧めだ。

また、220系の予防安全装備は、一部グレードではオプション設定だ(ブラインドスポットモニターなど)。しっかりチェックして購入する必要がある。

 

30系クラウンセダンのトヨタセーフティセンスは、プリクラッシュセーフティの他、以下の安全装備を有する。

  • 緊急時操舵支援(アクティブ操舵機能付)+フロントクロストラフィックアラート+レーンチェンジアシスト
  • ドライバー異常時対応システム
  • プロアクティブドライビングアシスト(歩行者などに接近しすぎないようにするなど、リスクを事前に回避するための機能である)
  • ドライブレコーダー(前後)

30系クラウンセダンは、すべてのグレードで予防安全装備や運転支援機能などを標準装備している。性能や機能など、220系クラウンセダンを大幅に上回る。

ボディサイズが大幅拡大された30系クラウンセダン

車両サイズ、室内空間比較

ボディサイズやホイールベース、室内寸法は以下の通りだ。

【220系クラウンセダン】

全長×全幅×全高

4,910mm×1,800mm×1,455mm 

ホイールベース

2,920mm

室内長×室内幅×室内高

1,955mm×1,500mm×1,185mm

 

【30系クラウンセダン】

全長×全幅×全高

5,030mm×1,890mm×1,475mm

ホイールベース

3,000mm

室内長×室内幅×室内高

1,970mm×1,595mm×1,135mm

 

30系クラウンセダンは、220系に比べ、完全に1クラス上のボディサイズとなっている(全長+120mm、全幅+90mm、ホイールベース+80mm)。室内スペースは格段に広くなり、特に後席足元の広さは大差が付いた。30系クラウンセダンは、ショーファーカーとして十分に使える広さを確保している。

後席の快適性は30系クラウンセダンの圧勝!

内装比較

220系クラウンの運転席

※上図:220系クラウンの運転席

220系クラウンの後席

※上図:220系クラウンの後席

220系クラウンの荷室

※上図:220系クラウンの荷室

220系クラウンセダンでは本革シートが標準装備と、贅沢な仕様となっている(RSアドバンス、Gエクスクルーシブ、G系)。Gエクスクルーシブは、ショーファーカーとしても使えるように、リヤシートにパワーシートが標準装備された。

新型クラウンセダン(30系)の運転席

※上図:新型クラウンセダン(30系)の運転席

新型クラウンセダン(30系)の後席

※上図:新型クラウンセダン(30系)の後席

新型クラウンセダン(30系)の荷室

※上図:新型クラウンセダン(30系)の荷室

30系クラウンセダンの内装装備は、贅を尽くしている。

  • プレミアムナッパ本革シート表皮
  • 除電スタビライジングプラスシート(運転席)
  • シートベンチレーション(運転席・助手席・後左右席)
  • リフレッシュシート(後左右席)
  • リヤパワーシート

ショーファーカーとしての価値も高く、リヤシートの装備が充実しており、快適に過ごせる。

ディスプレイにこだわった220系

インパネデザイン

220系クラウンのインパネデザイン

※上図:220系クラウンのインパネデザイン

220系クラウンセダンのインパネデザインは、ドアノブ付近まで回り込んでおり、包み込まれるような感覚だ。新開発のダブルディスプレイは、遠方配置の8インチディスプレイと、操作性を考慮し手前側に配置した7インチディスプレイの2つを連携させた。タッチパネル式なのだが、アイコンがやや小さいため押しにくい。階層が深くなる機能もあり、使い勝手は少々微妙だ。

新型クラウンセダン(30系)のインパネデザイン

※上図:新型クラウンセダン(30系)のインパネデザイン

30系クラウンセダンは、他のクラウンセダンと同じ、水平基調のスッキリとしたデザインだ。シフトノブ周りに異なるデザインを与え、セダンらしさをアピールしている。

全64色に色替え対応可能なLED照明は、インパネ左右や前席足元、リヤドアトリム左右に配置された。行燈のような柔らかい灯りによる間接光で、心地よさを提供している。

メーターパネル

220系クラウンのメーター

※上図:220系クラウンのメーター

220系セダンのメーターパネルは、当時定番の2眼オプティトロンメーターだ。視認性は良好だが、グラフィックなどにやや古さを感じる。カラーヘッドアップディスプレイは一部グレードに標準装備されている。

新型クラウンセダン(30系)のメーター

※上図:新型クラウンセダン(30系)のメーター

30系クラウンセダンのメーターパネルは、12.3インチTFTカラーメーター+マルチインフォメーションディスプレイとなった。フルデジタルで、4つのデザインテイストと、3つの情報レイアウトの計12タイプから好みの表示形式を選択できる。視認性や鮮やかさ、情報の豊富さは、220系を大きく上回る。

最先端のパワーユニットを採用した30系

燃費、走行性能比較

220系クラウンセダンと30系では、まったく異なるパワーユニットとなっている。直接比較できないので、短評とした。

 

220系クラウンセダンのパワーユニット出力と燃費(WLTCモード)は以下の通り。

2.5Lハイブリッド
  • システム出力:226ps
  • 燃費(FR):20.0km/L

220系クラウンセダンで最も人気があったパワーユニットだ。力強さは十分で、燃費もよくバランスがとれている。

3.5Lマルチステージハイブリッド
  • システム出力:359ps
  • 燃費(FR):16.0km/L

パワフルなシステム出力が魅力だ。G系グレードを選ぶと、高級セダンらしい、余裕ある走りが可能になる。さらに、10段変速により、走りに優れたレスポンスとダイレクト感が生まれた。スポーティなRS系グレードだと、気持ちの良い走りが楽しめる。ただし、新車価格が700万円を超える高価なグレードに設定されていたため、販売台数は伸びなかった。

2.0Lターボ
  • 最高出力:245ps
  • 最大トルク:350Nm
  • 燃費(FR):12.4km/L

わずか1,650回転で最大トルク350Nmを発揮する、いわゆるダウンサイジングターボエンジンだ。街中では、とくに力強く走る印象が強い。ただし、高回転域ではパンチにやや欠け、スポーティな印象には欠ける。2.5Lハイブリッドより、やや力強い印象だ。使用燃料がハイオクで燃費が良いわけでは無いので、燃料費は高めになる。

220系クラウンセダンの走行性能

220系クラウンのエンジンルーム

※上図220系クラウンのエンジンルーム

220系には、RS系とG系の2つのグレードが存在する。RS系は従来のアスリートで、スポーティな仕様で、G系は乗り心地重視のロイヤル系だ。人気はスポーティなRS系が勝っていた。

 

RSアドバンスとG系には、AVSが標準装備されている。サスペンションの減衰力を走行状況に合わせ可変されるものだ。AVSにはドライブモードが設定されており、7つのモードから設定が可能だ(SPORT S+/SPORT S/NORMAL/ COMFORT/ECO/CUSTOM/SNOW)。

RS系でSPORTモードを選択すると、サスペンションがグッと引き締まり、よりスポーティな走りが楽しめる。SPORTモードでも、乗り心地はそれほど悪くならないのもよい。

 

対する30系クラウンセダンのパワーユニット出力と燃費(WLTCモード)は以下の通りだ。

2.5Lマルチステージハイブリッド
  • システム出力:245ps
  • 燃費:18.0km/L

30系クラウンセダンは、新開発の2.5Lマルチステージハイブリッドをトヨタ車で初搭載した。従来のハイブリッドシステムに加え、4段の変速機が加わった。駆動力が向上し、低車速からの最大パワー使用が可能になったため、より力強い走りが可能になった。

 

また、変速機が加わったことで、模擬10段変速制御となった。リズミカルな変速やドライバーの意図に忠実なエンジン回転数変化と加速感が可能となり、より走りが楽しめるハイブリッドシステムとなっている。

FCEV
  • モーター最高出力:182ps
  • モーター最大トルク:300Nm
  • 燃費:148km/kg
  • 一充填走行距離(参考値):約820km

 

すでに発売されているFCEVであるトヨタ ミライと同じパワーユニットを使っている。最高出力こそ182psと少々アンダーパワー気味に見えるものの、最大トルクは300Nmもある。モーターは、アクセルを踏んだ瞬間から最大トルクを発揮するので、数値以上に力強く感じる。一充填走行距離は約820kmと十分だが、まだまだ水素ステーションが少ない点が難点だ。

30系クラウンセダンの走行性能

新型クラウンセダン(30系)のエンジンルーム

※上図:新型クラウンセダン(30系)のエンジンルーム

30系と220系は、同じGA-Lプラットフォームを使用している。しかし、ボディサイズが大きく異なるため、走行フィールも違う。車名は同じでも、全く違うクルマだと理解した方がよいだろう。

また、220系クラウンセダンは、スポーティセダンを目指しているが、30系はショーファーカーを視野に入れているため、乗り味も異なる。220系は、ややカッチリしたフットワークをもつが、30系はしっとりとした乗り心地重視のセッティングになっている。街中でのぼり心地は、ややフワフワしているが、高速道路のカーブではフラットな姿勢を維持して、意外なほどスポーティな走りを披露する。これは、AVSという可変式減衰力調整機能付きダンパーによるものだ。走行シーンに合わせた最適な乗り心地と走りを実現している。30系クラウンセダンの走りは、このAVSが支えているようにも感じるほどだ。

コストパフォーマンスで圧倒する220系。新車比較ではバーゲン価格の30系

価格比較

デビュー時の220系クラウンセダン(ハイブリッド)の新車価格帯と中古車相場は以下の通り。

  • 新車価格帯:4,978,800円(Sグレード、FR)~7,187,400円(Gエグゼクティブ、FR)
  • 中古車相場(2021年式):約330~470万円

 

30系クラウンセダンの新車価格は以下の通り。

  • Z(ハイブリッド) 730万円
  • Z(FCEV) 830万円

30系クラウンセダン(ハイブリッド)の新車価格は約730万円と、かなり高価に感じるかもしれない。しかし、220系でも最上級グレードのGエグゼクティブでは約720万円程度だったので、それほど価格はアップしていない。むしろ、ボディサイズが大きくなり数々の先進装備などがプラスされたことを考えると、30系のクラウンセダンはお買い得だ。

 

さらに買い得感があるのが30系のFCEVだ。830万円と高価だが、購入時には約140万円の補助金や優遇税制が加わる。そのため、車両価格は実質約690万円になるからだ。水素を燃料として走る最先端のFCEVでこの価格は、かなり競争力がある。近隣に水素ステーションがあるならば、お勧めのモデルだ。

 

【30系クラウンセダンのお勧め】

プラス査定装備

パノラマルーフ、ブラックパッケージ

ボディカラー

黒もしくは白

 

対するクラウンセダンは、すでに中古車でしか購入できない。中古車相場(2021年式)は約330~470万円だ。単純に購入価格を比べるなら、30系を圧倒するリーズナブルさを持つ。

 

220系クラウンセダンは、他メーカーと比べるとやや高めのリセールバリューになっている。セダンの人気が低いものの、トヨタブランドの魅力が付加価値を後押ししているからだ。しかし、人気のSUVと比較すると、リセールバリューは低い。そのため、中古車も買い得感がある。

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【220系クラウンセダンのお勧め】

年式

2020年11月以降
(トヨタセーフティセンスの機能向上後)

グレード

RSアドバンス

カラー

黒もしくは白

以下が装備されていれば、さらにお勧めだ。

  • ムーンルーフ
  • パーキングサポートブレーキ&パノラミックビューモニター
  • アクセサリーコンセント(AC100V・1500W)
  • トヨタプレミアムサウンドシステム

予算次第で大きく変わる選択肢

オススメは30系?それとも220系?

クルマの性能で選ぶなら、30系クラウンセダンがお勧めだ。性能は、驚くほど大差がついているので、よりよいクルマで予算も十分というのであれば30系クラウンセダンが良いだろう。30系でもFCEVは近未来のクルマとして、さらにお勧めと言える。水素ステーションが近隣にあることが条件だ。

 

予算重視ならば、220系クラウンセダンがお勧めだ。2021年式という高年式で、中古車価格は新車価格の65~66%にまで落ちてきている。高級セダンがこの価格帯で購入できるのであれば、コストパフォーマンスはかなり高い。ブームに乗って高額なSUVを買うよりも、より質の高いクルマに乗ることができる。

 

予算を新車の30系と比べると、約300万円も節約できる。クルマのパフォーマンスは30系が圧倒するものの、多額の予算が節約できるのであれば、220系という選択もありだ。クラウンは高級セダンなので、中古車とはいえ、未だそのパフォーマンスは高いレベルにある。倹約を考えるのなら220系はお勧めだ。

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新型30系トヨタ クラウンセダン燃費、ボディサイズなどスペック

代表グレード

クラウンセダンハイブリッドZ

全長×全幅×全高

5,030mm×1,890mm×1,475mm

ホイールベース

3,000mm

トレッド(前/後)

1,620mm/1,615mm

車両重量

2,020kg

エンジン型式

A25A-FXS

エンジンタイプ

直列4気筒DOHC16バルブ

総排気量

2,487cc

システム最高出力

245ps

燃費(WLTCモード)

18.0km/L

駆動方式

後輪駆動

トランスミッション

マルチステージハイブリッドトランスミッション

サスペンション

前後マルチリンク式

タイヤ(前/後)

235/55R19

最小回転半径

5.7m

220系トヨタ クラウンセダン(後期型)燃費、ボディサイズなどスペック

代表グレード

クラウンセダン 2.5LハイブリッドRSアドバンス

全長×全幅×全高

4,910mm×1,800mm×1,455mm

ホイールベース

2,920mm

トレッド(前/後)

1,560mm/1,560mm

車両重量

1,770kg

エンジン型式

A25A-FXS

エンジンタイプ

直列4気筒DOHC16バルブ

総排気量

2,487cc

システム最高出力

226ps

燃費(WLTCモード)

20.0km/L

駆動方式

後輪駆動

トランスミッション

マルチステージハイブリッドトランスミッション

サスペンション

前後マルチリンク式

タイヤ(前/後)

225/45R18

最小回転半径

5.3m

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員