スズキ スペーシアギアvs中古クロスビー 同価格帯ならどちらがおすすめ?

自動車ニュース / ガリバー

2022.9.3

スズキ スペーシアギアvs中古クロスビー 同価格帯ならどちらがおすすめ?

※本記事内に安全装備への言及がありますが、安全装備には作動条件や限界があります。機能を過信せず、安全運転を心がけましょう。

スペーシアギア対クロスビー

SUVブームの中、軽自動車やコンパクトカーで注目なのが、ハイトワゴンとSUVのクロスオーバーモデルだ。スズキのクロスビー(軽自動車)の中古車は買い得感が出てきており、新車のスペーシアギア(コンパクトカー)と同等レベルといえる。そこで、新車スペーシアギアと中古クロスビーを比較評価した。

この記事の目次 CONTENTS
スズキ スペーシアギアの特徴
スズキ クロスビーの特徴
両車良好な燃費値
新車のスペーシアギアよりも、かなり安価になってきた高年式中古クロスビー
高額値引きは期待できないが、しっかりと競合させることが重要
SUVトレンドとは逆!? 愛着がわく可愛らしいデザイン
室内スペースはクロスビーだが、スペーシアギアの両側スライドドアも捨てがたい
平均レベルの安全装備
走行性能はクロスビーが圧勝!?
両車、高リセールバリューを維持
価格が同程度なら、室内に余裕のある中古クロスビーがお勧め
スズキ スペーシアギア 価格・スペック
スズキ クロスビー 価格・スペック

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

スズキ スペーシアギアの特徴

スペーシアギア スペーシアギア

スズキ スペーシアギアは、2018年末に登場した。スーパーハイト系のスペーシアがベースだ。
アンダーガード風にデザインされ、ガンメタ塗装された前後バンパーなどを装備し、タフでワイルドなSUVルックに仕上げている。

ベースとなっているスペーシアは、スーパーハイト系なので居住性や積載性に優れる。さらにスペーシアギアは両側スライドドアなので、アウトドアレジャーなどでの使い勝手も抜群だ。SUVルックになったことで、アウトドアシーンに似合うモデルとなった。

スズキ クロスビーの特徴

クロスビー クロスビー

スズキ クロスビーは、2017年末に発売されたAセグメントのコンパクトSUVだ。
ハイトワゴン系のボディをベースにSUV化されたクロスビーは、大きな丸形ヘッドライトが特徴的である。コンパクトカーらしい可愛らしさは、迫力を重視したデザインが多いSUVの中においてかなりユニークな存在といえる。
その一方で、バンパーやフェンダーまわりには十分なボリュームが与えられ、SUVらしいタフネスさも表現した。

また、軽自動車で鍛えたスズキの高効率パッケージにより、車内と荷室はとても広い。シートアレンジなども含め、使い勝手は抜群だ。

両車良好な燃費値

1.燃費比較

スペーシアギアの評価 4.0
クロスビーの評価 3.5

スズキ スペーシアギアと、スズキ クロスビーの燃費は以下の通りだ。(双方FF、WLTCモード)

スペーシアギア 19.8~21.2km/L
クロスビー 18.2km/L

双方マイルドハイブリッドシステムを搭載しているため、燃費値は良好だ。
クロスビーは1.0Lターボ+6速ATだ。さすがに660ccのスペーシアギアと比べると燃費値では負けるものの、その差はわずかである。
クロスビーのパワフルさを踏まえると、この燃費値であれば許容範囲といえるだろう。

新車のスペーシアギアよりも、かなり安価になってきた高年式中古クロスビー

2.価格比較

スペーシアギアの評価 3.0
クロスビーの評価 3.5

スズキ スペーシアギアの新車価格と、スズキ クロスビー新車価格と中古車相場は以下の通りだ。

スペーシアギア(新車) 1,725,900円(XZ、FF)~1,922,800円(XZターボ、4WD)
クロスビー(新車) 1,840,300円(MX、FF)~2,245,100円(MZ、4WD)
クロスビー(中古車相場) 約1,400,000円~2,100,000円(2020年式)

スズキ クロスビーはリセールバリューが高いため、中古車価格はやや高値を維持している。2020年式の中古車相場はやや価格幅が広いものの、安価な価格帯の車両は買い得感が出てきている。
スペーシアギアの新車価格並みの予算があれば、1クラス上で高年式のクロスビーが十分に狙えるのだ。

軽自動車を選びたい人以外は、より車内が広く、パワフルな中古のクロスビーという選択肢もアリだ。およそ170万円以下の中古クロスビーであれば、新車スペーシアギアよりも予算が節約できるメリットもある。

高額値引きは期待できないが、しっかりと競合させることが重要

3.購入時の値引き術

スペーシアギアの評価 3.0
クロスビーの評価 3.0

新車スペーシアギア、新車クロスビー共に、高額な値引きはあまり期待できない。
少しでも値引きを引き出すには、ライバル車と競合させる必要がある。

スペーシアギアには直接的なライバル車が無いため、同じスーパーハイト系であるホンダN-BOXやダイハツ タントなどと競合させるとよい。クロスビーであれば、トヨタ ライズとの競合が効果的だ。値引き交渉が厳しくなってきたら、現金値引きではなく、ディーラーオプションなどの用品サービスなどに切り替えてみるものいい。

中古車の場合、高額な現金値引きは行われない傾向がある。だがお店によっては一定の値引きに応じてくれる。
中古クロスビーもしっかりと値引き交渉したい。近隣に同じような価格帯の中古クロスビーがあれば、中古車同士競わせたい。同じような中古車が無ければ、新車同様、中古のライズなどを探して競合させるとよい。
中古車は現車での商売だ。即決を迫られるケースが多いが、営業マンの口車に乗るのは避けたいところだ。「納得のいく価格にならなければ、買わない」というスタンスで商談したい。
現金値引きが厳しいのであれば、中古車の有料延長保証やタイヤ交換などを条件にしてみるのもよい。

SUVトレンドとは逆!? 愛着がわく可愛らしいデザイン

4.デザイン比較

スペーシアギアの評価 4.0
クロスビーの評価 4.5

SUVのデザイントレンドは、とにかく迫力重視だ。押し出し感のある大きなグリルに薄型LEDヘッドライトを組み合わせることが多い。だがスペーシアギアとクロスビーは、SUVのトレンドとはまったく異なるデザインが採用されている。
両車共に、角を丸くした四角いボディに丸形のヘッドライトを組み合わせている。可愛らしく、愛着がわくシルエットにまとめている。

スペーシアギアの外観 スペーシアギアの外観
スペーシアギアのフロントフェイス スペーシアギアのフロントフェイス
スペーシアギアのリヤエンド スペーシアギアのリヤエンド

スペーシアギアは軽自動車のボディであるため、やや平面的なデザインだ。だがフロントフェイスに上手く凹凸を付け、存在感を表現している。

クロスビーの外観 クロスビーの外観
クロスビーのフロントフェイス クロスビーのフロントフェイス
クロスビーのリヤエンド クロスビーのリヤエンド

クロスビーのデザインは秀逸だ。ボディサイズの制約は軽自動車ほど厳しく無いため、面の張りも強く、SUVらしいタフネスさが表現された。小さなボディながら、意外なほど存在感がある。

室内スペースはクロスビーだが、スペーシアギアの両側スライドドアも捨てがたい

5.室内空間と使い勝手

スペーシアギアの評価 4.5
クロスビーの評価 4.5

スズキ スペーシアギアと、スズキ クロスビーのボディサイズとホイールベースは以下の通りだ。

全長×全幅×全高 ホイールベース
スペーシアギア 3,395mm×1,475mm×1,800mm 2,460mm
クロスビー 3,760mm×1,670mm×1,705mm 2,435mm
スペーシアギアのフロントシート スペーシアギアのフロントシート
スペーシアギアのリヤシート スペーシアギアのリヤシート

驚きなのは、スペーシアギアのホイールベースだ。なんと、1クラス上のコンパクトカーであるクロスビーよりも長い。そのため後席足元はそれほど大きな差はない。
むしろスペーシアギアは、クロスビーより開放感を感じるほどだ。スペーシアギアは全高が高いため、頭上方向のスペースに余裕がある。

クロスビーのフロントシート クロスビーのフロントシート
クロスビーのリヤシート クロスビーのリヤシート

対するクロスビーは全幅がワイドだ。フロントシートのカップルディスタンスに余裕があるのは、クロスビーとなる。乗車定員も、軽自動車のスペーシアギアが4人であるのに対し、クロスビーは5人乗りだ。荷室も同様でクロスビーは横方向に広い。サイズにもよるが、ゴルフバックを真横に積むことができる。

両車共にアウトドアレジャーでの使用シーンが想定されている。
一部グレードを除き、シート表皮は撥水加工タイプだ。小さな子供の食べこぼしなどもサッと拭き取れるため便利だ。

スペーシアギアの荷室 スペーシアギアの荷室
クロスビーの荷室 クロスビーの荷室

後席背面と荷室フロアは防汚タイプなので、濡れた荷物なども気兼ねなく積むことができる。小物入れなども充実している。
使い勝手で大きな差が付くのは、両側スライドドアだ。狭い場所や小さな子供の乗り降りでは、両側スライドドアが便利である。この部分は、スペーシアギアがリードする。

平均レベルの安全装備

6.安全装備の比較

スペーシアギアの評価 3.0
クロスビーの評価 3.0

スペーシアギアとクロスビーには、スズキの予防安全装備パッケージである「スズキセーフティサポート」が用意されている。

スペーシアギアのインパネ スペーシアギアのインパネ
スペーシアギアのメーター スペーシアギアのメーター

新車の場合、スペーシアはスズキセーフティサポートが全グレード標準装備だ。クロスビーは、MXグレードを除き標準装備化されている。

歩行者検知式自動ブレーキは、両車共に昼夜の歩行者検知が可能だ。誤発信抑制機能など、一定レベルの安全装備といえる。ただし、以下の検知にはまだ対応していない。

  • 自転車、自動二輪
  • 交差点内での右左折時の歩行者
  • 右折時の対向車
クロスビーのインパネ クロスビーのインパネ
クロスビーのメーター クロスビーのメーター

中古のクロスビーは、2020年10月の改良で安全装備が向上し、以下の機能が搭載された。

  • 車線維持支援機能
  • アダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能付)
  • デュアルカメラブレーキサポート(夜間の歩行者も検知)

中古車を選ぶなら、改良後モデルがお勧めだ。

走行性能はクロスビーが圧勝!?

7.走行性能の比較

スペーシアギアの評価 3.0
クロスビーの評価 4.0

スズキ スペーシアギアと、スズキ クロスビーの出力、車重は以下の通りだ(全てFF)。

出力 車重
スペーシアギア 660cc自然吸気エンジン 52ps&60Nm 880kg
スペーシアギア 660ccターボエンジン 64ps&98Nm 890kg
クロスビー1.0Lターボエンジン 99ps&150Nm 960kg

エンジンのスペックを比較すると、1.0Lターボを搭載するクロスビーが優位に立つ。クロスビーの最大トルクは150Nmと1.5L自然吸気エンジン並みだ。車重は960kgと軽いので、とても力強く感じる。この差は大きい。

スペーシアギアのエンジンルーム スペーシアギアのエンジンルーム

スペーシアギアでお勧めなのは、ターボ車だ。自然吸気エンジンは車重に対して出力が不足気味で、急な登り坂や高速道路の合流などでは、やや非力に感じる。ロングドライブを楽しみたいのであれば、最大トルクに余裕があるターボ車がよい。それでも、クロスビーほどの余裕には欠ける。
スペーシアギアは、やや硬めの乗り味だ。タイヤのゴツゴツ感も伝わってくる。スーパーハイト系は、背が高くいため重心も高いため、カーブではボディが大きく傾き横転リスクもある。そのため、サスペンションをやや硬めに設定し、車体をより安定させる傾向になるのは、他のスーパーハイト系と同様だ。
もうひとつの特徴が、横風への弱さだ。背が高く、車幅が狭いので仕方がない。強い横風を受けると、車体がフラフラとして落ち着かない。

クロスビーのエンジンルーム クロスビーのエンジンルーム

対するクロスビーの乗り心地は、なかなか快適だ。多少速度を増すとリヤサスペンションがドタバタする感覚もある。だがサスペンションストロークを有効に使うことで、フラット感ある乗り心地とカーブでの安定性を実現している。エンジンもパワフルなので、ロングドライブも苦にならない。走りの質は、クロスビーの圧勝だ。

アウトドアレジャーで悪路を走る場合も、クロスビーが優位だ。
スペーシアギアの最低地上高は150mmと、ベースであるスペーシアと同じである。SUVのようなルックスになっているものの、悪路走破性は高くない。
対するクロスビーの最低地上高は180mmだ。余裕がある最低地上高とはいえないものの、ちょっとした悪路であれば十分に走り抜けることができるレベルである。スペーシアギアでは走れないような悪路であっても、クロスビーなら余裕で駆け抜ける。

両車、高リセールバリューを維持

8.リセールバリュー比較

軽自動車は、元々人気が高くリセールバリューが高いカテゴリーだ。さらにスペーシアギアは人気のSUVルックなので、リセールバリューは高値を維持している。
2019年式の中古車相場は120~170万円だ。新車価格が160~180万円なので、新車価格の75~94%にしか落ちていない。

クロスビーもスペーシアギア並みの高いリセールバリューを維持している。2019年式の中古車相場は、160~200万円だ。新車価格が190~220万円だったので、新車価格の84~91%という高リセールバリューとなっている。

両車共に中古車価格が高値を維持しており、中古車らしい買い得感はあまりない。だが購入時に高価でも、短期で乗換えれば高値で売却できるのでデメリットも少ない。

価格が同程度なら、室内に余裕のある中古クロスビーがお勧め

9.まとめ・総合評価

スペーシアギアとクロスビーには、大きな違いがある。

スペーシアギアは軽自動車なので、税金などが安い。両側スライドドアは狭い駐車場などでの小さな子供の乗り降りなどに大きなメリットがある。これは、クロスビーに無いユニークなポイントである。
スペーシアギアはSUVルックながら、悪路での走行は苦手だ。これは最低地上高が150mmしかないことに起因している。対するクロスビーの最低地上高は180mmだ。よほどの悪路でなければ十分に走り切れる数値である。アウトドアレジャーで悪路を走行するケースが多い場合、クロスビーという選択になる。
こうした遊び心あふれるコンパクトSUVを選ぶ人は、アウトドアレジャーなどで長距離移動が多くなるだろう。そう考えると、横方向に余裕のある室内や優れた乗り心地、長距離移動でも疲れない余裕ある出力をもつクロスビーがお勧めだ。

高年式の中古クロスビーは、新車のスペーシアギアより安価になっていきている。絶対に新車一択、という人以外は一度選択肢にいれてみるとよいだろう。

スペーシアギア クロスビー
総合得点(40点満点) 28.5 30.0
1.燃費 4.0 3.5
2.価格 3.0 3.5
3.購入時の値引きしやすさ 3.0 3.0
4.デザイン 4.0 4.5
5.室内空間と使い勝手 4.5 4.5
6.安全装備 3.0 3.0
7.走行性能 3.0 4.0
8.リセールバリュー 4.0 4.0

スズキ スペーシアギア 価格・スペック

スズキ スペーシアギア 価格

FF 4WD
HYBRID XZ 1,725,900円 1,845,800円
HYBRID XZ ターボ 1,802,900円 1,922,800円

スズキ スペーシアギア 燃費、ボディサイズなどスペック

代表グレード スペーシアギア
全長×全幅×全高 3,395mm×1,475mm×1,800mm
ホイールベース 2,460mm
最小回転半径 4.4m
定員 4名
駆動方式 前輪駆動(FWD)
車両重量 890kg
総排気量 660cc
エンジン種類 R06A型 直3 DOHC12バルブターボ
エンジン最高出力 47kw(64ps)/6,000rpm
エンジン最大トルク 98N・m(10.0kg-m)/3,000rpm
WTLCモード燃費 19.8km/L
サスペンション(前/後) マクファーソンストラット/トーションビーム式
タイヤサイズ 155/65R14

スズキ クロスビー 価格・スペック

スズキ クロスビー 中古車相場

2019年式中古車相場 約160~200万円
2018年式中古車相場 約140~200万円

スズキ クロスビー 新車価格

FF 4WD
HYBRID MX 1,840,300円 1,985,500円
HYBRID MV 1,994,300円 2,139,500円
HYBRID MZ 2,099,900円 2,245,100円

スズキ クロスビー燃費、ボディサイズなどスペック

代表グレード クロスビーHYBRID MZ FF
全長×全幅×全高 3,760mm×1,670mm×1,705mm
ホイールベース 2,435mm
最小回転半径 4.7m
定員 5名
駆動方式 前輪駆動(FWD)
車両重量 960kg
総排気量 996cc
エンジン種類 WA05A型 直3 DOHC12バルブターボ
エンジン最高出力 73kw(99ps)/5,500rpm
エンジン最大トルク 150N・m(15.3kg-m)/1,700-4,000rpm
WTLCモード燃費 18.2km/L
サスペンション(前/後) マクファーソンストラット/トーションビーム式
タイヤサイズ 175/60R16