この記事の目次 CONTENTS
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日産セレナの歴史・概要
日産セレナの性能(燃費、ボディサイズなど)
日産セレナのお勧めグレードは?
日産セレナの値引き、新車と中古車とどっちがいいのか?
2019年式e-POWERなら新車。2017年式以前なら中古車
日産セレナのライバル車は?
日産セレナ価格・スペック

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

日産セレナは、国内日産の販売を支える基幹車種だ。2021年度の新車販売台数ランキングでは、12位にランクインしている。11位のトヨタ ヴォクシーとの差はわずか約1,000台だ。僅差でMサイズミニバン販売台数ナンバー1を逃してしまった。
そんな日産の人気モデルであるセレナの値引き、リセールバリュー、ライバル車などをレポートする。

日産セレナの歴史・概要

セレナ

日産セレナは、歴史あるモデルだ。
初代セレナが登場したのは1991年のことだ。FR(後輪駆動)車だったのは、まだ商用車と共用のプラットフォーム(車台)が採用されていたからである。

現在のようなスペース効率に優れるFF(前輪駆動)車になったのは、1999年に登場した2代目セレナからだ。低床フロアによって室内が広大になったことに加え、「ものより思い出」のCMキャッチコピーで、大ヒットモデルとなった。

3代目、4代目セレナも広大な室内スペースを武器にして登場した。
4代目セレナからは、燃費性能が重視されている。4代目セレナは、2012年の一部改良でライバル車に先駆け、マイルドハイブリッドシステムである「S-HYBRID」を投入した。
しかし、2014年にライバルのトヨタ ヴォクシー&ノアがフルモデルチェンジし、ストロングハイブリッド車を投入した。燃費で圧倒的な差を付けられ、徐々に販売面でも苦戦を強いられるようになる。

そして、2016年に5代目セレナが登場した。ストロングハイブリッドは用意されずマイルドハイブリッドのみの設定だ。
5代目の運転支援機能「プロパイロット」は大きな話題を呼んだ。高速道路で同一車線内を維持しながら、全車速で先行車に追従走行できる機能だ。

しかし、マーケットはストロングハイブリッドを要望した。
2017年には、ホンダ ステップワゴンもストロングハイブリッド車を投入している。Mサイズミニバンでストロングハイブリッドを持たないのは、セレナだけになってしまった。

2018年、ついにセレナはストロングハイブリッドの「e-POWER」を投入した。ノートの1.2Lシリーズハイブリッドシステムをベースに、よりパワーアップした仕様だ。このe-POWERの投入で、セレナは息を吹き返し販売も好調となった。

日産セレナの性能(燃費、ボディサイズなど)

やや物足りないガソリン車

セレナの外観

日産セレナのボディサイズ(e-POWERハイウェイスターG)は、全長4,770mm×全幅1,740mm×全高1,865mmだ。従来このクラスは全幅1,695mm以下の5ナンバーサイズミニバンと呼ばれていた。だが、ハイウェイスターは専用エアロパーツなどの装備によってよりワイドになり3ナンバーとなっている。
フルモデルチェンジ直後のヴォクシー&ノアやステップワゴンは、5ナンバーサイズにはこだわっておらず、3ナンバーサイズ化している。

セレナに用意されたパワーユニットは2種類だ。2.0Lガソリンエンジンに小さなモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドと、1.2Lガソリンエンジンとモーターを組み合わせたシリーズハイブリッドのe-POWERである。
マイルドハイブリッド車は、150ps&200Nmに2.6psのモーターが組み合わされている。スペックは十分だが、燃費を重視した結果、アクセルレスポンスはやや鈍い。加速時はモッサリとしており、キビキビ走るタイプのクルマではない。あえてレスポンスを鈍くして燃費を向上させているように感じる。燃費は13.2㎞/L(FF、WLTCモード)だ。今となっては、それほどよい燃費値ではないが、デビュー時はトップレベルの燃費値だった。
優れているのは、アイドリングストップ時の静粛性だ。マイルドハイブリッド車なので、エンジンの再始動時にある「キュルキュルブォーン」という音と振動が極めて小さい。市街地では何度も繰り返されることなので、ライバル車のガソリン車と比べるとかなり快適だ。

1.2Lのe-POWERは、136ps&320Nmの最大出力をもつモーターを搭載した。2代目ノート用のシステムを改良してよりパワフルにした仕様だ。
e-POWERはシリーズハイブリッドシステムだ。エンジンは発電のみに徹し、その電力を使いモーターで走行する。モーターは最大トルク320Nmを瞬時に発生させる。そのため、低・中速域では、なかなか力強さを感じる。街中や郊外路などでは、キビキビとよく走る印象で扱いやすい。
ただ、高速域はあまり得意ではない。必要十分なパワーなのだが、高速域ではややパンチに欠けあまり伸びの良い加速とは言えない。最大出力の限界を感じる。e-POWERはシリーズハイブリッドであることもあり、高速走行の燃費はやや悪化傾向になる。

全般的によくできているのだが、信号待ちなどで停止するたび、頻繁にエンジンが始動する。しかも、1,500回転前後とやや高めのエンジン回転数で発電するのだ。走行中であれば、それほど気にならないのだが、停車中は車内がやや賑やかになる。こうした充電制御は、2022年度に投入されるという新型6代目セレナに期待したい。

サスペンションセッティングは、ガソリン車とe-POWER共に、乗り心地重視になっている。前席の乗り心地が最もよく、次が2列目、そして3列目という順番になる。3列目は、ややドンドンと突き上げ感がある。

使い勝手面で注意したいのは、乗車人数だ。e-POWERは駆動用バッテリーを搭載したため、2列目キャプテンシートの7人乗りのみの設定となる。ガソリン車は8人乗りのみだが、スマートマルチセンターシートの設定がある。2列目シートの中央部だけを前席にスライドさせ、アームレストとして使うことができる機能だ。こうすることで、2列目シートを余裕あるキャプテンシートとして使用することも可能だ。

尚、e-POWERには4WDが設定されていない。4WDを選択したい場合は必然的にガソリン車となる。

日産セレナのお勧めグレードは?

e-POWERハイウェイスター一択

日産は積極的にクルマの電動化を推し進めている。3代目ノートには、ガソリン車の設定がないことからも見て取れる。新型6代目セレナも、e-POWERのみとなる可能性が高い。
リセールバリューは、マイルドハイブリッド付きガソリン車とはいえ、大幅に下がる可能性もある。カーボンニュートラル時代であることも含め、e-POWER一択といえる。

2022年7月末現在、日産のHPからガソリン車とe-POWERグレードの一部が削除されている。e-POWERには、4WDの設定がない。どうしても4WDが欲しいのであれば、ヴォクシー&ノアのハイブリッドがお勧めだ。

グレードはハイウェイスターから選びたい。
セレナの場合、ハイウェイスターが圧倒的に高い人気を誇り、リセールバリューも高い。乗り潰すのであれば基準車も良いが、短中期での乗り換えを考えているのであれば、リセールバリューが高いハイウェイスターだろう。人気ミニバンなので、10年落ちの低年式になっても、ハイウェイスターなら高値が付く可能性が非常に高い。

ハイウェイスターのグレードは、VとGがある。
Gには以下の装備などが含まれている。

  • 16インチアルミホイール
  • プレミアムインテリア
  • 合成皮革シート
  • インテリジェントルームミラー

約23万円の差額を考えると、Vグレードで十分だ。
お勧めは、e-POWER ハイウェイスターVとなる。

日産セレナの値引き、新車と中古車とどっちがいいのか?

大幅値引きの期待大。値引き次第では、新型6代目セレナ狙いも

5代目日産セレナは2016年に登場した。すでにモデル末期で、2022年度中にフルモデルチェンジが予定されているという。
さらにライバル車であるトヨタ ヴォクシー&ノアが2022年1月、ホンダステップワゴンが2022年5月にフルモデルチェンジした。

セレナは現在、燃費や走行性能、安全装備などでライバル車と大幅に差が付いてしまい、競争力を失っている状態だ。競合されると、値引きで勝負せざるを得ない状況だからこそ、大幅値引きが期待できる。
もちろん、何もしなければある程度の値引きしか得られないので注意が必要だ。セレナの商談前に、ヴォクシー&ノアとステップワゴンの見積書を先に取ると良い。その上で「ついでにセレナを見に来た」といった感じで商談しよう。あくまで、ヴォクシー&ノアかステップワゴンが本命と思わせることが重要だ。

「値引き次第でセレナも購入対象になる」と伝えよう。見積書の値引き額を見ながら、セレナはすぐに旧型になりリセールバリューが下がること、性能面ではライバル車に対して物足りないのだから、もっと値引きして欲しいということを伝えたい。

その後、一旦帰宅し時間をおいてみよう。営業マンから、電話がかかってくればチャンスだ。何度か値引き交渉をしながら、徐々に値引き額を引き出したい。少なくとも、モデルチェンジ直前のセレナであれば50万円以上の値引きは欲しいところだ。それ以上も狙える可能性がある。値引きが50万円を超えないようであれば、値引きを諦め新型6代目セレナに切り替えるのもよい。

注意したいのは納期だ。セレナも納期が長期化しているので、タイミング次第では新型車に切り替わってしまう。9月くらいには受注終了となる可能性があるので、上手く調整して商談する必要がある。

2019年式e-POWERなら新車。2017年式以前なら中古車

新車と中古車、どちらを買うべきだろうか。
結論は、高年式なら新車、それ以外なら中古車がお勧めだ。

2019年式e-POWERの中古車相場は約270~340万円と、ほとんど新車価格と変わらない。この金額ならば、新車納期が長いとはいえ、新車を大幅値引きで買った方がよい。
e-POWERまでは予算が至らないが、2.0Lのマイルドハイブリッド車は検討範囲内だ。2017年式の中古車相場は、おおよそ150~240万円と、価格幅がやや広い。新車価格は240~320万円だったので、またやや高値を維持しているものの新車価格の63~75%にまで落ちてきている。程度の良いハイウェイスターで、200万円以下の車両なら、買い得感があるといえるだろう。
ハイウェイスターでボディカラーが白と黒だと、中古車価格はやや高めだ。乗り潰すのであれば、比較的安価な赤系を選ぶとコストパフォーマンスが高くなる。

日産セレナのライバル車は?

日産セレナのライバル車は、トヨタ ヴォクシー&ノアとホンダ ステップワゴンだ。これらのモデルは、ほぼ日本専用車である。日本人が日本人のために考え抜いたミニバンなので、非常に使い勝手が良いのが特徴だ。

ヴォクシー&ノアとステップワゴンは2022年にフルモデルチェンジを果たし、大幅に燃費や走行性能がアップした。
対するセレナは2016年に登場し、現在モデル末期だ。多くの部分でライバル車にリードを許してしまっており、競争力はない状態といえる。
日産はセレナを2022年度内にフルモデルチェンジする予定だ。6代目新型セレナが登場すれば、より熾烈な販売合戦となるのは確実である。全車新型車ながら、早くも値引き合戦に突入するかもしれない。

燃費性能と予防安全装備、走行性能で飛びぬけているのは、ヴォクシー&ノアだ。
ステップワゴンはヴォクシー&ノアより後に登場したが、デビュー時すでにヴォクシー&ノアに負けている部分が目に付く。
6代目新型セレナが、どこまでヴォクシー&ノアに近付けるか注目したい。

日産セレナ価格・スペック

日産セレナ価格

e-POWER ハイウェイスターV 3,582,700円
e-POWER ハイウェイスターV(防水シート車) 3,615,700円

日産セレナ燃費、ボディサイズなどスペック

代表グレード セレナe-POWERハイウェイスターV
ボディサイズ 全長4,770mm×全幅1,740mm×全高1,865mm
ホイールベース 2,860mm
車両重量 1,780kg
総排気量 1,198cc
エンジン最高出力 62kw(84ps)/6000rpm
エンジン最大トルク 103N・m(10.5kg-m)/3,200-5,200rpm
モーター最高出力 100kw(136ps)
エンジン最大トルク 320N・m(32.6kg-m)
タイヤサイズ 195/65R15
WLTCモード燃費 18.0km/L
定員 7名