この記事の目次 CONTENTS
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eKクロスEVの概要
eKクロスEVと日産サクラの違い
高い走行性能のeKクロスEV
高速道路運転も気にならない、高い静粛性
軽自動車と思えないハンドリングの操縦性
室内空間が広いeKクロスEV
一般利用に十分な航続距離180km
Pグレードが装備充実で安心
eKクロスEVは補助金適用車
三菱eKクロスEV価格・スペック
三菱eKクロスEV電費、充電時間、ボディサイズなどスペック

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

eKクロスEVは、軽自動車の電気自動車として注目を集めている。今回は軽自動車の枠に収まらないeKクロスEVの走行性能や静粛性について解説する。また共同開発である日産サクラとの違いやグレード選びについても紹介するので、購入の検討材料にして欲しい。

eKクロスEVの概要

eKクロスEV

三菱は、2022年6月16日に新型EV(電気自動車)であるeKクロスEVの発売を開始した。
新型三菱eKクロスEVは、発売に先駆けて5月20日より先行注文を開始した。先行注文から約1か月で、月販売目標台数850台の4倍となる約3,400台(6月12日時点)を受注し、とても好調な出足となった。
約6割の購入者が選択している売れ筋グレードは、上級グレードの「P」だ。そのうち86%が運転支援機能である「マイパイロット パーキング」や、「マイパイロット」を含むパッケージメーカーオプションの「先進安全快適パッケージ」を装着した。

eKクロスEVと日産サクラの違い

三菱eKクロスEVの外観

三菱eKクロスEVは、日産と三菱の軽自動車における合弁会社NMKVによって開発されたモデルだ。主に日産が企画・開発し、三菱が生産を担っており、両社の持つ電動化技術が活かされている。

三菱eKクロスEVのフロントフェイス

日産サクラとeKクロスEVは姉妹車関係だ。外観や内装などを除き、パワーユニットやプラットフォーム(車台)などは共通化されている。

三菱eKクロスEVのリヤエンド

二車の大きな違いは、自社のラインアップ上の考え方だ。
サクラはデイズとは明らかに異なる内外装をもつ。サクラがEV専用車として位置付けされている特色だ。
対するeKクロスEVは、eKクロスの中の1つのグレードという位置付けになっている。そのため外観や内装は、ガソリン車のeKクロスとほぼ同じとした。
とはいえ、まだまだEVは特別な存在だ。車名はともかく、特別な印象を与える内外装が欲しいところだ。

高い走行性能のeKクロスEV

eKクロスEVの走行性能は、非常に高いレベルだ。100mも走行すれば、ガソリン車との違いに誰もが絶句し、そのパフォーマンスに酔いしれるだろう。もはや、軽自動車というカテゴリー横並びで評価する意味が無いほど、卓越した走行性能を誇る。

まず驚くのが、動力性能だ。MM47型モーターの最大出力は、軽自動車の自主規制上限の47kW(64ps)で、最大トルクは195Nmだ。軽自動車のターボ車でさえ100Nmが相場なので、その倍近い最大トルクをアウトプットしているのだ。
そのため、アクセルとチョンと踏むだけでスルスルとスムースに加速する。制限速度までストレス無く到達するのだ。eKクロスEVはガソリンターボ車よりも車重が200kg近く重いのだが、ものともしない加速力を誇る。
アクセルを全開にすると、グッと体がシートに押し付けられる感覚を伴いながら、グイグイ加速していく。これほどの加速力なら、急勾配の山道や高速道路の合流でも力不足を感じることはない。高速道路での100km/h巡行も楽々こなす。
ただ、47kW(64ps)という出力が影響して、高速域ではあまり伸びのある加速力とはいえない場合もあった。自主規制に合わせた出力特性のため、かなりもったいないシーンでもある。

eKクロスEVのモーターは、アウトランダーPHEVに使われているモーターと同じだ。アウトランダーPHEVの出力は100kW(136ps)&195Nmである。つまり、eKクロスEVのモーターも100kWレベルの実力があるということだ。
もう少し最大出力をアップしてくれれば、より上質で気持ちの良い走りをするEVになったのでは? と思うと少々残念だ。

高速道路運転も気にならない、高い静粛性

動力性能と同様、静粛性も非常に高いレベルになった。一般的な軽自動車で高速道路を巡行していると、エンジン音やロードノイズ、風切り音などが束になってやってきて、意識して大きな声を出さないと同乗者との会話もスムースにいかない。ところが、eKクロスEVでは通常の音量でも十分に聞こえ会話も弾むのだ。

軽自動車と思えないハンドリングの操縦性

ハンドリングも軽自動車の常識を覆すレベルを誇る。大きく重い駆動用リチウムイオンバッテリーを床下に設置したことで、運動性能に影響する重心高がガソリン車に対して約50mmも下がった。さらに、リチウムイオンバッテリーを守るための補強をいれたことで、結果的にボディ剛性はなんと40%もアップした。前後の重量バランスは、56:44とFF(前輪駆動)車としては、異例なほどリヤヘビーになっている。

このような運動性能がアップする要素がプラスされたことで、eKクロスEVのハンドリングは高い操縦安定性を得た。とにかく、グイグイと良く曲がる。
サスペンション設定が柔らかめなので、カーブではクルマは大きく傾きがちだ。高速域でうねりのある路面を通過すると、ボディの揺れがなかなか収束しない。
また、良く曲がるのだが、気持ちよく走っているとリヤサスペンションのスタビリティがもっと欲しいとも感じる。
eKクロスEVは乗り心地が重要視されるとはいえ、従来の軽自動車とはレベルの違う運動性能をもっている。もう少ししっかりとしたサスペンションチューニングで、その運動性能の高さをアピールしてほしいところだ。

室内空間が広いeKクロスEV

三菱eKクロスEVのフロントシート
三菱eKクロスEVのリヤシート
三菱eKクロスEVの荷室

eKクロスEVのプラットフォームのベースは、デイズやガソリン車のeKクロスと同じだ。このプラットフォームは、最初からEVを視野に入れて開発されたこともあり、室内の広さにはまったく影響を与えていない。ガソリン車のeKクロス同様、広い室内となっている。

一般利用に十分な航続距離180km

三菱eKクロスEVのバッテリー

EVで気になるのは航続距離だろう。
eKクロスEVの航続距離は、20kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し180kmとなった。流れが悪い首都高速を60km/h前後で流していたときの電費は9.0km/kWhと、なかなか優秀な数値だ。この数値なら、カタログ値通りである。ただし、速度が80km/hくらいに上がるとドンドンと電費が下がる傾向にある。

180kmという航続距離を長いと思うか短いと感じるかは、使い方によるだろう。一般的な軽自動車の使い方である通勤、送迎、買い物などで考えると、十分な航続距離といえる。
片道100km程度なら余裕だ。目的地までのルートで、休憩や食事ポイントなどで急速充電器がある場所を選択すると尚安心である。休憩や食事などの時に継ぎ足し充電をしておけば、走行距離は伸び、不自由ない走行が可能だ。

Pグレードが装備充実で安心

三菱eKクロスEVのインパネ

三菱eKクロスEVのグレードは、最上級グレードのPと、エントリーグレードのGの2種類が用意された。価格差は約53万円だ。さすがに、これだけ大きな価格差が出ると装備はまったく異なる。
PにあってGない装備の例は以下の通りだ。

  • ステアリングヒーター
  • シートヒーター
  • ナビ
  • ETC
  • SOSコール
  • ルーフスポイラー

Gシンプルな仕様だ。熱源が無いEVで、シートヒーターやステアリングヒーターが無いというのは、冬場はなかなか厳しいものがある。

三菱eKクロスEVのメーター
  • Gグレード…必要最低限のオプションを選択し予算を抑えるグレード
  • Pグレード…十分な装備で、このグレードを買っておけば安心

ただし、両グレードとも車線を維持しながら全車速追従式クルーズコントロールはオプション設定となる。

eKクロスEVは補助金適用車

eKクロスEVは両グレード共に、55万円の補助金が用意されている。
Gグレードの購入に補助金を使うと、約185万円とガソリン車のeKクロスターボ車より、やや高価な価格帯となる。
さらに地方自治体による補助金がプラスされると、ガソリン車並みの価格帯に入ってくる。(補助金額は地方自治体によって異なる。)

地方自治体から支給される補助金が高いほど、メリットが大きくなるモデルといえる。ただし、国、地方自治体の補助金予算が無くなる前に買う必要があるので注意が必要だ。

EVの購入を中古車でも検討している場合、メーカーが三菱ならアウトランダーPHEVもよいだろう。アウトランダーPHEVはミドルクラスSUVだ。eKクロスEVとボディタイプが異なる。ただし、2021年12月にフルモデルチェンジをしており、中古車にも注目が集まっている車種だ。フルモデルチェンジ前後の比較は以下の記事を参考にして欲しい。

三菱eKクロスEV価格・スペック

三菱eKクロスEV価格

G 2,398,000円
P 2,932,600円

*令和4年度「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」 550,000円

三菱eKクロスEV電費、充電時間、ボディサイズなどスペック

代表グレード eKクロスEV Pグレード
ボディサイズ 全長3,395mm×全幅1,475mm×全高1,655mm
ホイルベース 2,495mm
最小回転半径 4.8m
定員 4名
蓄電池種類 リチウムイオン電池
総電力量 20kWh
モーター最大出力 47kw(64ps)/2,302-10,455rpm
モーター最大トルク 195N・m/0-2,302rpm
一充電走行距離WTLCモード 180km
三菱eKクロスEV充電時間 普通充電:8時間(バッテリー残量警告灯点灯位置~100%)
サスペンション(前/後) ストラット式/トルクアーム式3リンク
タイヤサイズ 165/55R15