トヨタ カローラスポーツ vs マツダ3ファストバック徹底比較! Cセグメント対決

トヨタ カローラスポーツとマツダ3ファストバックを徹底比較。
燃費性能、価格、デザイン、車内空間、安全装備、走行性能など様々な角度から調査。
乗り心地重視ならトヨタ カローラスポーツ、デザイン・インテリア重視ならマツダ3ファストバックがおすすめだ。

この記事の目次 CONTENTS
トヨタ カローラスポーツの特徴
マツダ3ファストバックの特徴
1.燃費比較
2.価格比較
3.購入時の値引き額比較
4.内装デザイン比較
5.室内空間と使い勝手
6.外観デザイン比較
7.安全装備の比較
8.走行性能の比較
9.リセールバリュー比較
10.今のクルマを高く売る方法
11.まとめ・総合評価

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

カローラスポーツとマツダ3は、両車とも5ドアハッチバックで、Cセグメントと呼ばれるカテゴリーに属しているコンパクトカーだ。
このCセグメント車は、欧州などでは非常に人気の高いカテゴリー。
フォルクスワーゲン ゴルフやメルセデス・ベンツAクラス、BMW1シリーズなどがしのぎを削っている。
おおよそ全長4.4m前後のモデルが多い。

日本マーケットでは、まだ精彩を欠いているCセグメント車。
しかし、最近ではSUV系も含め徐々に多くの車種が投入されてきている。
今後、注目のカテゴリーだ。
そこで、今回はフルモデルチェンジしたばかりのマツダ3ファストバックとカローラスポーツを徹底比較した。
クリーンディーゼルVSハイブリッドという、低燃費パワーユニット対決という側面にも注目だ。

トヨタ カローラスポーツの特徴

2018年6月に登場したカローラスポーツは、従来あったオーリスの実質的な後継モデルだ。
カローラブランドの再構築中ということもあり、世界的に「カローラ」という車名を積極的に採用。オーリスの名は消えている。

カローラスポーツ

カローラスポーツには、TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ)により開発されたGA-Cプラットフォームを採用。
低重心化され、走行性能を大幅に向上した。
1.8Lハイブリッド車は、楽しい走りと低燃費を両立している。

マツダ3ファストバックの特徴

アクセラスポーツの後継モデルとなるのが、マツダ3ファストバックだ。
もともとアクセラは、欧州などではマツダ3と呼ばれていた。
今回、2019年5月にフルモデルチェンジしたことを期に、日本においても車名をマツダ3へと統一した。

マツダ3

マツダ3には、「スカイアクティブX」エンジンを採用。
ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの長所を併せ持つ「火花点火制御圧縮着火(SPCCI)」を採用した、注目のエンジンだ。
しかしマツダ3への搭載は、他のパワーユニットより大幅に遅れており、2019年12月に販売予定となっている。

マツダ3の魅力のひとつは、その優れたデザインと質感の高いインテリア。
これらは多くの人を魅了する。

1.燃費比較

カローラスポーツの評価は4.5点
マツダ3ファストバックの評価は4点

燃料費視点では、同等レベルになるクリーンディーゼル

カローラスポーツの1.8Lハイブリッドと、マツダ3ファストバックの1.8Lクリーンディーゼルは、共に低燃費をアピールするパワーユニットだ。
カローラスポーツの燃費は30.0㎞/L(WLTCモード)。
マツダ3ファストバックは19.8㎞/L(WLTCモード)となった。
燃費値の差はかなり大きいのだが、ポイントとなるのは燃料費。
ハイブリッド車はレギュラーガソリンを燃料として使用するが、ディーゼル車は軽油を使う。
軽油はレギュラーガソリンより20円/L前後も安い。
そのため、燃料費という視点で見ると、ディーゼル車はかなりハイブリッド車に近くなる。
力強さという点ではディーゼル車が上回るので、燃費と力強さどちらを取るか?という選択になる。

カローラスポーツには、1.2Lターボも用意されており燃費は16.4㎞/L。
マツダ3ファストバックは、2.0Lガソリン車が15.6㎞/L、1.5Lガソリン車が16.6㎞/Lとなっている。
燃費値に関しては、ほぼ互角といった印象だ。

カローラスポーツのメーター
マツダ3のメーター

2.価格比較

カローラスポーツの評価は2点
マツダ3ファストバックの評価は3点

 

充実の安全装備が標準装備のマツダ3ファストバックはお買い得!

両車のおすすめグレードの価格は以下の通り(消費税10%)
カローラスポーツ ハイブリッドG Z 2,824,800円
マツダ3ファストバックXDプロアクティブ 2,790,741円

コンパクトハッチバックとはいえ、価格は300万円近くになっている。
とくにハイブリッド車やディーゼル車は、人気が高いこともあり価格は高めだ。
この価格帯になると、ジャンルは異なるが5ナンバーミニバンのガソリン車が買える。

この2台の価格差を見ると、微妙にマツダ3ファストバックが安価だ。
装備類ではそれほど大きな差はないが、安全装備で差が出ている。
カローラスポーツは、後側方車両接近警報や後方車両接近警報などがオプションであるのに対し、マツダ3ファストバックは、全車標準装備となっている。
さらに、インテリアの質感もマツダ3ファストバックが上回る。
こうなるとマツダ3ファストバックの方が、コストパフォーマンスが高い。

こうした傾向は、カローラスポーツの1.2Lターボとマツダ3ファストバックの2.0Lガソリン車も同様だ。
排気量にこだわらないのなら、マツダ3ファストバックの1.5Lは、なかなかコストパフォーマンスが高い。
上級グレードとなる15Sツーリングなら、安全装備も充実。
その他の装備も十分なものとなっている。

3.購入時の値引き額比較

カローラスポーツの評価は4点
マツダ3ファストバックの評価は2点

カローラスポーツは、大幅値引き獲得のチャンス

カローラスポーツは、デビューから1年以上が経過したこともあり、値引き額は徐々にアップしているようだ。
とくに消費税増税後は、しばらく買い控えが発生すると予想できるため、値引き額はさらにアップすると予想できる。

対するマツダ3ファストバックは、2019年5月に登場したばかりの新型車。
新型車なのでしばらくの間、値引きはゼロベースだ。
しかもマツダは値引き抑制をしているので、大幅な値引きは期待できない。
消費税増税の影響で、多少値引きが出るにしても微少だろう。

結果的にカローラスポーツは値引きアップ傾向で、マツダ3ファストバックは値引きゼロベースということになり、カローラスポーツを購入するのであれば、有利な展開になる。
さらにマツダ3ファストバックと競合させれば、値引き額アップも可能となる。

一方、マツダ3ファストバックから値引きを引き出すのは、なかなか難しい。
ただし何もしなければ、本当に値引きゼロになるので、ここは競合させることと同時に、タイミングも見計らって商談をするとよい。
ベストなタイミングは、2~3月だ。
自動車販売業界最大の繁忙期で、国産メーカーは決算時期と重なり、買い手が圧倒的に有利となる時期だ。
この時期の営業マンは、とにかく販売台数が重視されるため、販売価格は二の次になる。
ここで、しっかりとカローラスポーツやフォルクスワーゲン ゴルフなどと競合させれば、一定の値引きは期待できるだろう。
ただ、スカイアクティブX搭載モデルは、発売が12月なのでバックオーダーが多くあると予想できる。
バックオーダーが多くあると、値引きはあまり期待できない。

4.内装デザイン比較

カローラスポーツの評価は3点
マツダ3ファストバックの評価は4.5点

上質感のあるインテリアをもつマツダ3ファストバック

カローラスポーツとマツダ3ファストバックの内装デザインは、まさに対照的といえる。
カローラスポーツは、ややデコラティブ。
マツダ3ファストバックは、シンプルといった印象だ。

カローラスポーツのインパネデザインは、水平基調とすることで広々とした空間を表現。
シャープな線や面が複雑に組み合わされていて、スポーティなものとなっている。
インパネセンター部には、ディスプレイを設置。
高めの設置位置なので、比較的視線移動量が少なく安全性が高いが、もう少しウインドウ側に設置したほうがより視認性は向上する。

カローラスポーツのインパネデザイン

また、ナビなどの操作はタッチパネル式。
走行中の操作は非常に難しく、指先に視線が集中する。
そのため前方監視が疎かになり、安全面では疑問が残る。
タッチパネルだけでなく、ダイヤル式などとの併用が望ましい。
シートは、サイドサポートが付いたスポーツシートとスポーティシートの2タイプが用意されている。
スポーツシートには、タンカラーやレッド系のレザーもオプション設定。
より上質でスポーティなインテリアになっている。

マツダ3ファストバックもカローラスポーツと同様に、広さを強調する水平基調のインパネデザインになっている。
シンプルな線と面の構成により、しっとりと落ち着いた上質な空間を作り上げた。
ディスプレイは、ダッシュボードセンター付近に設置され視認性は良好だ。

マツダ3のインパネデザイン

また、操作もセンターコンソール上のダイヤルで可能。使い勝手もよい。
シートはサイドサポートが付いたスポーツシートを装備。
シート座面前端に角度調整機能があり、色々な体格の人でも、最適なドライビングポジションがとれるように配慮されている。

カローラスポーツとマツダ3ファストバックのインテリアデザインは、好みがあるのでどちらが良いかというのは難しい。
ただ、全般的に質感や色使い、使い勝手などはマツダ3ファストバックが上回る。

5.室内空間と使い勝手

カローラスポーツの評価は3点
マツダ3ファストバックの評価は3.5点

使い勝手よりデザイン重視のマツダ3ファストバック

室内空間の広さにおいては、全長とホイールベースの関係が重要になる。
カローラスポーツの全長は4,375mm、ホイールベース2,640mm。
マツダ3ファストバックは4460mm、ホイールベース2,725mmだ。
数値的には、マツダ3ファストバックは、全長とホイールベースともに長い。
そのため、室内空間はややマツダ3ファストバックの方が広い印象がある。

カローラスポーツの室内

使い勝手面では、ナビなどのディスプレイ操作は、ダイヤル操作機能をもつマツダ3ファストバックが使いやすい。
その他、操作系はほぼ互角といったところだ。

マツダ3の室内

荷室の広さは、カローラスポーツが352L。
このクラスでは平均値的だ。
マツダ3ファストバックは公表されていないが、デザイン優先のためか荷室はカローラスポーツと比べるとやや小さい。

カローラスポーツの荷室
マツダ3の荷室

6.外観デザイン比較

カローラスポーツの評価は3点
マツダ3ファストバックの評価は4.5点

好みにもよるが、気品あるマツダ3ファストバックが魅力的

カローラスポーツは、トヨタ独自のキーンルックと呼ばれるデザイン手法が使われている。
このキーンルックは、台形形状の大型ロアグリルにアッパー部を合わせたもので、立体的な造形となっている。
なかなか強烈な個性があることから、やや好き嫌いが出るデザインと言えるだろう。
パッと見た目はあまり感じないかもしれないが、ヘッドライトまわりの造形は、かなり彫りが深い立体的な造形をもっていて、スポーツモデルらしい精悍さがある。

カローラスポーツの外観

リヤまわりのデザインは、さらに複雑。
全幅1,790mmというワイドなボディサイズを生かし、リヤフェンダー上部はやや盛り上がっており力強さを表現している。
リヤゲートまわりのデザインもフロント同様に、立体的なディテールにこだわり、複雑な造形となった。
重心を低く見せ、シャープなキャラクターラインでスポーティさを表現したデザインといえる。

一方、マツダ3ファストバックの開発テーマは「誰もが羨望するクルマ」。
マツダのデザインコンセプトである魂動デザインをさらに深化させた。
マツダ3ファストバックに採用された魂動デザインは「新たなエレガンス」を目指し、「引き算の美学」を考え方のベースとした。

シンプルなフォルムを作り上げるために、デザイン上の色々な要素を徹底的に削ぎ落している。
ボディサイドには、カローラスポーツのような明確なキャラクターラインはない。
ボディ面の張りの強弱を作り、光の当り方次第で色々な表情を見せている点が特徴のひとつだ。
なかなかユニークなデザイン手法で「きれいなクルマ」という印象が強い。

マツダ3の外観

カローラスポーツは、多くの線と面を複雑に組み合わせた立体的な造形。
良くも悪くも線と面がうるさく見えるところもあり、やや子供っぽさを感じさせる。
マツダ3ファストバックはカローラスポーツとは正反対で、とにかくシンプルに徹し面と光の組み合わせでスタイルを表現した。
デザインの上質感や美しさは、マツダ3ファストバックの方が上回る。

7.安全装備の比較

カローラスポーツの評価は3.5点
マツダ3ファストバックの評価は4.5点

高い安全装備を標準装備化したマツダ3ファストバックは高評価

カローラスポーツは、第2世代型の予防安全装備「トヨタセーフティセンス」が全車に標準装備されている。
この「トヨタセーフティセンス」は、最新バージョンということで、夜間の歩行者検知や昼間の自転車検知も可能。
歩行者死亡事故の多くは、夜間に多く発生していることを考えると、より実用性が増している点がポイントだ。
もちろん、サイド&カーテンエアバッグやニーエアバッグも全車に標準装備化。
どのグレードを選んでも高いレベルの安全性能をもっている。

カローラスポーツの運転席

ただ、物足りない部分もある。
後方や後側方から接近する車両を検知して警報を発し、衝突の危険がある場合にブレーキ制御で衝突を回避するブラインドスポットモニターやリヤクロストラフィックオートブレーキなどはオプション設定となっている。
これらは機能する機会が多く、とくに運転が苦手な人や、視界が狭くなっているお年寄りには頼りになるだけに、標準装備化が求められる機能だ。
グレードによって、ベーシックな安全装備に格差をつけるのは評価できない。
自動車メーカーは交通事故を起こす可能性のあるクルマを販売している以上、交通事故を回避させるためのベーシックな装備は、自ら積極的に標準装備化する責任がある。

一方、マツダ3ファストバックには、カローラスポーツにはオプションだった類似機能が全車に標準装備化されている。
その他、カローラスポーツと同等な機能をもつ予防安全装備も全車標準装備化されている。
安全装備が標準装備化されている点においては、マツダ3ファストバックが上回る。

マツダ3の運転席

もちろん、カローラスポーツもオプションで安全装備をプラスすれば、ほぼ同等のレベルになる。
ただその分、車両価格はアップする。

8.走行性能の比較

カローラスポーツの評価は4.5点
マツダ3ファストバックの評価は3.5点

乗り心地など、走りの質感はカローラスポーツが上回る

カローラスポーツには、GA-Cプラットフォームが採用された。
低重心化されたことにより、走行性能は非常に高いレベルになった。

1.8Lハイブリッド車は、ラバーバンドフィールと呼ばれる応答レスポンスの悪さを改善。
アクセル操作に対するレスポンスが向上し、スポーティな走りを披露する。

1.2Lターボ車の出力は116ps&185Nm。スペック的には十分だ。
しかし、絶対的な排気量が小さいため、レスポンスの悪い瞬間がよくある。
アクセルを戻し、エンジンの回転が下がったら、再びアクセルを踏み再加速…そんなシチュエーションだと、トルクが細いため、エンジンの回転が上ってターボの過給が高まるまで、レスポンスが悪くなることが多い。
ストップ&ゴーの多い市街地でも同様だ。

乗り心地については上質だ。
KYB製新開発ダンパーの効果により、低速では微小な凹凸を吸収。
カーブなどでは、しなやかにしっかりと路面をとらえる。
全速度域で快適さを誇る。

また、リヤサスペンションは全車ダブルウィッシュボーン式を採用。
一部改良後のモデルでは、運転中の目線の動き、旋回時の姿勢、ライントレース性などドライバーが感じる動きを解析し、サスペンションを最適化。
非常に乗りやすさを感じる運動性能となった。

マツダ3ファストバックは、やや硬めのサスペンションでスポーティな雰囲気を演出している。
とてもよく曲がり、気持ちがよい。
カーブなどでの走る楽しさは、クラストップレベルといえる。
ただ、カローラスポーツのダブルウィッシュボーン式リヤサスペンションに対して、マツダ3ファストバックはグレードの劣るトーションビーム式。
そのためか、荒い路面ではドタバタした乗りになる。

1.8Lのクリーンディーゼルエンジンの出力は、116Nm&270Nm。
トルクが大きいので、高速道路などでのクルージングは、力強く余裕のある走りが可能。

2.0Lガソリン車は156ps&199Nmという出力をアウトプットする。
価格など、バランスの取れた仕様といえる。

1.5Lは111ps&146Nmの出力。実用上は十分といえるものだ。
車両価格は安価なので、気軽にマツダ3ファストバックを楽しむというのであれば、良い選択といえるだろう。

カローラスポーツとマツダ3ファストバックを比べると、走りの質感という点では、カローラスポーツが上回る。
多少乗り心地が悪くても、キビキビ走ればいいというのであれば、マツダ3ファストバックという選択になる。

9.リセールバリュー比較

カローラスポーツの評価は4点
マツダ3ファストバックの評価は3点

両車高レベルなリセールバリューに期待

リセールバリューは、数年後のクルマの価値。
主に、中古車マーケットでの人気で価値が決まる。
つまり新車であまり売れていない車種でも、中古車で一定の人気を得ていると中古車価格は高くなり、リセールバリューも高価になる。
リセールバリューが高いと、今まで乗っていたクルマを高額で売却できるため、よりリーズナブルに乗り換えが可能となる。

トヨタ車は、総じてリセールバリューが高め。
アクアやプリウスなどはあまりに売れすぎて、中古車マーケットでクルマがあふれているため、価格がやや低めに推移しているが、カローラスポーツは適度な販売台数なので、中古車ではやや高値傾向にあることが予想できる。
とくに、高値が期待できるのはハイブリッド車。
それに対してガソリン車はあまり期待できないので、リセールバリューを気にするのなら、ハイブリッド車を選ぶと良い。

マツダ3ファストバックのリセールバリューは、カローラスポーツとほぼ同等のレベルになると予想できる。
マツダ3ファストバックの販売台数はそれほど多くないので、リセールバリューが大幅に下がることはないだろう。
ただ、エンジンラインナップが多いため、エンジンによりリセールバリューが若干変わる可能性が高い。
クリーンディーゼル車のリセールバリューは、やや高め傾向になるだろう。
この傾向は、先代アクセラと同様だ。
1.5Lガソリン車はやや低め、2.0Lガソリン車は平均的と予想。
微妙なのがスカイアクティブXを搭載したモデル。
ハイオクガソリン仕様になるため、これがマーケットでどう判断されるかが大きなポイントだ。
ハイオクガソリン仕様だと、敬遠されるケースが多いからだ。

10.今のクルマを高く売る方法

手間を惜しまず、まずは買取店で査定

下取り車をより高値で売却するためには、手間を惜しんではいけない。
売却金額は、売却先で大きく変わるからだ。
一般的に下取りに出すのが一番簡単で、手間がかからない。
しかし、下取り価格が本当に正しい価値かどうかは1社では分からない。
値引き額が大きく得した気分になっていても、下取り価格が安ければ何のメリットもない。
場合によっては、損をしているかもしれないのだ。

そこで、大切なのが買取店での査定。
できれば、複数店舗で査定してもらおう。
そうすることで、下取り価格が適正なのかが分かる。
そもそも、買取店での査定価格が下取り価格に負けていては、買取店はビジネスにならないし、多くの買取店が店を構えることはできない。

買取店に行く時間がなかなかとれないという人には、中古車大手ガリバーが運営するクルマ査定アプリ「ガリバーオート」おすすめだ。
写真を撮って送信、簡単な質問に答えるだけで査定価格が提示される。
これをベースに下取り価格と比べてみるのもよい。
査定価格に納得できれば、そのままアプリ経由で売却もできる。
売却先はどこであれ、色々と査定してみて最終的に最も高値を付けた店に売ればいい。

11.まとめ・総合評価

カローラスポーツの総合点は31.5点
マツダ3ファストバックの総合点は32.5点

デザイン性ならマツダ3ファストバック? 走りはカローラスポーツ?

カローラスポーツとマツダ3ファストバックは、さまざまな面で対照的なキャラクターをもつ。
こうなると比べて買うというよりは「どっちが好きか?」という情緒的な選び方になるかもしれない。
まず、どのクルマがどんなニーズをもつ人に合うのかという点が重要。
カローラスポーツは、乗り心地や走りの質感を重視する人に向く。
走行性の面ではマツダ3ファストバックより上回るところも多い。
トヨタ車の中でも、カローラスポーツはひと味違う走りのクオリティをもっている。

それに対してマツダ3ファストバックの魅力は、やはり感性に訴えかける美しいデザインとインテリアの質感だ。
この部分に関しては、カローラスポーツが一歩譲る部分でもある。
乗り心地は、荒れた路面ではややゴツゴツした感じが残るが、スイスイと良く曲がる感覚はFF(前輪駆動)とは思えないほど。
GVC+(Gベクタリング・コントロール・プラス)による車両制御は滑らかで自然。
滑りやすい道での安定感は抜群だ。

こうした、各々のクルマの特徴を理解し、自分にとって何が重要かを明確にして選ぶと失敗しないだろう。