スズキは、スーパーハイト系に属するスペーシアに新たな派生モデルとなる「スペーシアギア」の発売を開始した。
スペーシアとの共通点や違い、その他にもデザイン、予防安全装備などを詳しく解説している。また、グレード展開やおすすめの購入時期についても触れている。

この記事の目次 CONTENTS
1.スペーシアに3つ目のモデルが新登場
2.初代と2代目に販売台数の差が出たスペーシア
3.ハスラーの成功例を生かしたモデルがスペーシアギア
4.可愛いさとタフネスさを兼ね備えたデザイン
5.低燃費なマイルドハイブリッドを搭載
6.どのグレードでも充実した安全装備や豪華装備
7.新車よりも登録済未使用車がおすすめ!
8.スズキ スペーシアギア価格

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

1.スペーシアに3つ目のモデルが新登場

新型スペーシアギアは、スペーシアをベースにSUVテイストをプラスしたモデル。
従来の標準車とカスタムに加え、スペーシアギアが加わったことで計3タイプのラインアップとなった。1車種で3タイプのモデルが用意されるのは珍しい。

2.初代と2代目に販売台数の差が出たスペーシア

初代スズキ スペーシアは、2013年年にパレットの後継モデルとして登場した。
人気のスーパーハイト系なのだが、デビュー直後から販売台数は低迷。価格がやや高めであったことや、人気のあるカスタム系が迫力不足ということが、販売不振の要因だった。しかしモデル末期には、不評だったフェイスを大幅に変更したカスタムZを投入。お買い得感のある価格にしたことで、販売台数は右肩上がりとなる。

初代の販売不調を完全に払拭した2代目

2代目スペーシアは2017年12月に登場した。
不振だった初代に対して、2代目はデビュー直後から販売好調。初代が売れなかった理由を完全に払拭してのデビューだったことが好調の要因だった。

スペーシアギアの投入でN-BOXを越したいスズキ

2代目スペーシアの2018年販売台数は152,104台で、軽自動車車種別販売台数ランキングにおいて2位を記録しライバルであるダイハツ タントを超えた。前年比は145.2%となり、非常に高い伸び率となった。
だが、1位のN-BOXとの販売台数差はまだまだ非常に大きい状態。その差を縮めるためにスズキが投入したモデルが、新型スペーシアギアとなる。

3.ハスラーの成功例を生かしたモデルがスペーシアギア

新型スズキ スペーシアギアは、スズキの成功体験から生まれたモデルともいえる。スズキはワゴンRをベースに、SUVテイストをプラスしたハスラーを送り出し大ヒットした。今回も同様に、スペーシアをベースにSUVテイストをプラスした。

軽自動車の殻を打ち破ったハスラー

ハスラーが登場した当時、ワゴンR属するハイト系マーケットに新しいコンセントをもつモデルが無く、閉塞感があった。生活のためのクルマというイメージが強すぎたためだ。

こうした実用性重視という軽自動車の殻を打ち破ったのがハスラーだった。どこかドライブに行きたくなるような、遊び心あふれるコンセプトで顧客のハートを捉えたのだ。
スペーシアギアもこうしたハスラーのコンセプトをスーパーハイト系に応用した。

4.可愛いさとタフネスさを兼ね備えたデザイン

新型スズキ スペーシアギアの外観デザインには、ハスラーと同様の手法を用いられている。
角を丸くした四角いボディにキュートな丸型のヘッドランプ。フロントグリル、フロント・リヤバンパー、サイドドアガーニッシュ、ルーフ色などをガンメタリック色に統一し、SUVらしいワイルド感を演出した。少し押し出し感のあるグリルデザインもなかなか秀逸で、存在感も十分だ。

オレンジをアクセントにアクティブさをアピール

インテリアデザインは、スペーシアとほぼ共通。ブラックをベースとしながら、メーターやシートステッチなどにオレンジのアクセントカラーを施した。アウトドアギアによく使われるブラック&オレンジの組み合わせで、アクティブさを上手くアピールしている。

ファミリーにも嬉しい全席撥水加工仕様

SUV系ということもあり、シートは機能性を付加した全席撥水加工仕様になっている。
撥水加工は濡れたアウトドアギアを積み込むときだけでなく、子供の食べこぼしなどもさっとふき取るだけでOKだ。そのため、シートの汚れをあまり気にすることが無くなり、ファミリーにも便利な機能である。

ハスラーよりも使い勝手面で優れるスペーシアギア

もちろん、シート背面も防汚タイプ。アウトドアギアを載せるときに、汚れを気にすることなくガンガン使える。
収納性という面では、ベース車がスペーシアなので非常に高いレベルにある。背が高くスライドドアをもつ新型スペーシアギアは、使い勝手面ではハスラーの上を行く高いレベルに仕上がっている。

5.低燃費なマイルドハイブリッドを搭載

新型スペーシアギアには、660㏄の直3エンジン+モーターのマイルドハイブリッドシステムが搭載された。
また、スペーシアと同様に自然吸気とターボの2タイプが用意されている。

28.2㎞/Lの低燃費を誇る自然吸気エンジン

自然吸気エンジンは、52ps&60Nmの出力で燃費は28.2㎞/L。ターボエンジンの出力は64ps&98Nmで燃費は25.6㎞/L。それぞれ4WDも用意され、スペーシアと同じだ。

6.どのグレードでも充実した安全装備や豪華装備

新型スペーシアギアの安全装備は充実している。
歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全装備「デュアルセンサーブレーキサポート」に加え、後退時の衝突被害軽減ブレーキ「後退時ブレーキサポート」、フロントシートサイドエアバッグを全車に標準装備とした。どのグレードを選んでも高いレベルの予防安全性能を持ち、スズキ車としては珍しい仕様だ。

また、クラスを超えた豪華・安全装備としてフロントガラス投影式の「ヘッドアップディスプレイ」をメーカーオプション設定としている。

やや高価な価格設定でも納得できる豪華装備

豪華なものを標準装備化していることもあり、新型スペーシアギアの価格は1,614,600円からとやや高価。ハスラーでの成功もありなかなか強気な価格設定だが、納得できるレベルといえる。

7.新車よりも登録済未使用車がおすすめ!

スズキは、登録済未使用車を大量発生させる傾向のあるメーカーだ。

登録済未使用車とは、メーカーやディーラーの都合で買い手がいないのに登録された車両。登録だけなので、コンディションは新車とほぼ同等のまま、多くの中古車店で販売される。中古車扱いのため、新車コンディションながら価格が大幅に下がっているのが特徴だ。

発売してから半年後が購入の狙い目

まだ発売直後のため、しばらく登録済未使用車は流通しないだろう。ただ、半年もすれば徐々に登録済未使用車も流通し始めるはずだ。

登録済未使用車は新車より大幅に価格を下げて設定されるため、よほど急いでいないのなら待ってみてもよい。

8.スズキ スペーシアギア価格

スズキ スペーシアギアの価格は以下の通り。

グレード 駆動 価格
スペーシアギアHYBRID XZ 2WD 1,614,600円
4WD 1,732,320円
スペーシアギアHYBRID XZターボ 2WD 1,695,600円
4WD 1,813,320円