レクサスは、ハイブリッド車のHS250hに上質な内装とプリクラッシュセーフティを装備したお買い得な特別仕様車「レクサスHS250h “Harmonious Style Edition”」を設定し2017年1月16日より発売を開始する。
- この記事の目次 CONTENTS
- レクサスHSは販売苦戦?その理由は?
- マイナーチェンジでレクサスらしい「上質な走り」をアピール
- デザイン・スペック・装備は?プリクラッシュセーフティは一昔前の装備・・・?
- レクサスでは稀なお買い得な特別仕様車。背に腹は代えられない?
- コストパフォーマンスに優れるHarmonious Style Edition
- レクサスHS"Harmonious Style Edition"価格
レクサスHSは販売苦戦?その理由は?

レクサスHSは、2009年にハイブリッド専用車としてデビューした。デビュー直後は、ハイブリッドブームの全盛期という追い風に乗り、高価なレクサスブランドでも売れ、順調なスタートのようにみえた。ところが、その人気は1年程度しかもたず、どんどん販売台数は落ちていった。国産セダンのマーケットが縮小していく傾向にあったが、売れない理由はマーケット環境だけではなかった。
格下となるサイと同じハイブリッドシステムということが致命的に
そもそもHSと、トヨタブランドのサイは基本的に同じクルマである。同じ2.4Lのハイブリッドシステムを搭載している。しかし、価格はHSの方が圧倒的に高価な設定になっている。いわばサイの豪華仕様ともいえる存在がHSだった。これが、ある意味致命的な理由になる。
高額なレクサスブランドのクルマを買う顧客にとって、格下となるトヨタブランドのサイと同じクルマというのは、かなり抵抗を感じたようだ。レクサスは、トヨタブランドと異なる特別な高級車でなくてはならないからだ。こうなると、あえて高価なHSを買う理由がなくなってしまう。
カムリの登場で更に買う理由がなくなる
そんな状況下で、2011年にはカムリが登場する。カムリは2.5Lの新ハイブリッドシステムを搭載。HSの2.4Lハイブリッドシステムより排気量が大きくなり、パワーはカムリが上回った。さらに、排気量の多いカムリの燃費は23.4㎞/Lに対し、2.4LハイブリッドであるHSは20.6㎞/Lと、パワー、燃費両面でカムリに超えられてしまった。その上、カムリの方が圧倒的に価格が安いのだ。
こうなると、ますます高価でパワーもなく燃費が劣るレクサスHSを買う理由がなくなる。強いて言うのなら、HSの方が内外装のクオリティが高いというだけだ。
マイナーチェンジでレクサスらしい「上質な走り」をアピール
それでも、HSはなんとかしようと、2013年1月にマイナーチェンジを行った。レクサスのアイデンティティともいえるフェイスデザインである「スピンドルグリル」を装着。走行性能面でも、ボディ剛性の強化などにより、乗り心地や静粛性を向上させ、レクサスらしい「上質な走り」を実現した。
強力なライバル車の中で存在感を示すのは容易ではない
それでも、HSは人気車となることはなかった。HSのライバル車となるのは、サイやカムリだけではなく、価格帯で比較するとFRのレクサスISやクラウンが対象になる。そして、やや価格帯はアップするものの、BMW3シリーズやメルセデス・ベンツCクラスなど、欧州のプレミアムセダンまでもがライバルになる。これだけ強力なライバルがひしめき合うマーケットで、旧型のハイブリッドシステムや大幅に遅れている安全装備で存在感を示すのは容易ではない。
デザイン・スペック・装備は?プリクラッシュセーフティは一昔前の装備・・・?

今回投入された特別仕様車レクサスHS250h Harmonious Style EditionはHS250hをベースとしている。ベース車に対して、シルバーメタリック塗装のフロントグリルとメッキリヤガーニッシュを採用。また、専用内装色のファブリック/L texシートを採用し、それぞれの内装色に合わせて外板色を各4色設定した。HSの魅力でもあり、唯一のアピールポイントを際立たせている。レザーではなく、ファブリックを使用し、価格アップを抑えている。
さらに、機能面では衝突回避支援または被害軽減を図るプリクラッシュセーフティ(ミリ波レーダー方式)、先行車との車間距離を適切に保ちながら追従走行ができるレーダークルーズコントロール(ブレーキ制御付)が標準設定された
旧式の安全装備ではライバル車と比較にならない
特別仕様車に、重要な安全装備であるプリクラッシュセーフティが標準装備されたことは評価できる。しかし、バージョンLを除けば、その他のグレードはオプション設定がほとんど。しかも、装備されたプリクラッシュセーフティは完全に一世代前のもの。レクサスは、すでに歩行者検知式自動ブレーキであるレクサス セーフティシステム+があるのに、今更旧式のプリクラッシュセーフティではライバル車と比較することができるレベルに達していない。
激戦マーケットでは弱すぎるレクサスHS
同じトヨタ車のライバルはともかく、欧州ライバル車のほとんどが歩行者検知式自動ブレーキが標準装備化されている。これは、完全に安全装備面で大きく遅れている状態だ。400万円を超える高級車で、この安全装備は脆弱過ぎて、激戦マーケットでは戦えない。
レクサスでは稀なお買い得な特別仕様車。背に腹は代えられない?

さて、特別仕様車Harmonious Style Editionの価格は4,500,000円となっている。ベースとなるHS250hに対して、約15万円高となった。この価格はなかなかお買い得な設定となった。
ベースグレードより約15万高でもかなりお買い得
標準装備化されたプリクラッシュセーフティだけでも約15万円のオプション。これで、価格アップ分の元は取れた格好なので、専用ファブリック/L texシートなどの追加装備分がお買い得となる。レクサスブランドで、ここまで買い得感を出した特別仕様車は稀だ。
ところが、レクサスはこの特別仕様車をお買い得車としてアピールしていない。値引きゼロ戦略を続けるレクサスなので、ブランドイメージが下がるお買い得という言葉は使いたくないのだろう。
コストパフォーマンスに優れるHarmonious Style Edition

どうしてもレクサスHSが欲しいというのであれば、おすすめはこの特別仕様車Harmonious Style Editionとなる。他のグレードと比較しても、コストパフォーマンスに優れているからだ。ただし、レザーシートが欲しいということになると他のグレードになる。そうなると、かなり高額な買い物となる。
レクサスHS"Harmonious Style Edition"価格
レクサスHS特別仕様車"Harmonious Style Edition"価格は以下の通り。
- レクサスHS250h特別仕様車“Harmonious Style Edition”価格:4,500,000円
HSのカタログ情報
- 平成21年7月(2009年7月)〜平成30年3月(2018年3月)
- 新車時価格
- 395.0万円〜570.5万円
HSの在庫が現在13件あります
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