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「気になるくるま」三菱 コルトギャラン GTO-MR(1971)

ひとことでくるまと言っても、誰にも知られていないようなマイナーなものから、みんなの憧れのようなスーパーカーまで、実に様々です。そんなクルマたちの中から、マニアックカー・マニアでもある遠藤イヅルが、独断と偏見で選び出したくるまたちをイラストとともにみなさんにお送りいたします。第7回は1971年にアメリカン・ルックで登場し人気を博したスポーツクーペ、三菱 コルトギャラン GTO-MRをお送りいたします。


◆マッスルなスポーツサルーン


1960年代に三菱500、三菱600、コルト、デボネアなどを矢継ぎ早に発表した三菱ですが、どちらかというと派手さよりは地味で、堅実な設計を旨としていました。ところが、その印象を覆すクルマが1969年に発売されました。それが、「コルトギャラン」。のちにコルトの名が取れて三菱を代表する中型車となっていくギャランは、ブルーバードやコロナといった強力なライバルと戦えるだけの魅力を備えていたセダンでした。

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ボディは1960年代的な丸さから脱却、低く、広いプロポーションと四角いヘッドライトによって精悍なスタイリングに。エンジンも三菱初のSOHCとなって近代化。ハンドリングもよく高性能だったこともあり、これまでの三菱車にはなかったスポーツサルーンとして好評となりました。その流れのまま1970年にはセダンをベースにした2ドアハードトップを追加、バリエーションを拡充していきます。


◆「EVO」に受け継がれる「MR」の称号


そして、1970年秋、ギャラン・セダンやハードトップとはまったく違うエクステリアを与えたクーペモデル、「コルトギャランGTO」が登場します。ボンネット上にはダミーながらもエアスクープが設けられ、重量感のあるフロントグリルを備え、サイドに走るラインはコーダ・トロンカ風のダック・テールまで続き、さらにトランク上まで鉢巻状に覆っていました。当時のアメリカ車(マッスルカー)そのもの、この派手な外観は多いに注目を浴びることになったのです。

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エンジンはすべて1.6リットルとなり、バリエーションはシングルキャブの“MI(M1)”、SUツインキャブの”MII(M2)“、そして1.6リットルDOHCエンジンを採用した最も高性能なバージョンである“MR”が用意され、MRでは実に125psを発生しました。なお、MRは「三菱レーシング」の意味で、のちのランエボなどの最上位スポーツモデルにも受け継がれています。

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1972年にはMR以外1.7リットルに排気量を拡大(17Xシリーズと呼ばれた)、翌1973年にはマイナーチェンジを行い2リットルエンジンが追加されるとともに、排ガス対策が困難だった1.6リットルDOHCエンジンのMRが廃止されてしまいます。そのかわり、これもまた三菱の高性能モデルの代名詞となる “GSR”が登場するなど進化を続けましたが、1977年、後継となるギャランΛ(ラムダ)のデビューとともにフェードアウト、生産を終えています。


【イラスト/文 遠藤イヅル】
フリーのカーイラストレーター/ライター。東京都出身。自動車雑誌、WEBサイトにクルマをテーマにしたイラストや記事を多数提供。世界各国の生活感があるクルマを好み、20年間で18台のクルマを乗り継ぐ。クレイジーなほど深くて混沌としたクルマ知識を持つ元自動車系デザイナー。自身のクルマ体験をもと、独創的な視点で切り込むイラストやインプレッション記事は、他にないユニークなテイストとして定評がある。2015年7月現在の愛車はプジョー309SI。最新の掲載誌は遠藤イヅルのfacebookで確認!

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