人気中古車 ミニバン おすすめランキング2016秋

コリズム編集長で車評論家の大岡氏に、この秋おすすめの中古車・ミニバンを聞きました。
しかも今回は、中古車選びの醍醐味でもある「知名度が低く新車では人気薄のため、実は非常に良いクルマなのにお買い得!」な安くて良いクルマも、「裏車種」として厳選してもらいました。

  • RANKING BEST 1日産 セレナ(旧型)

    日産 セレナ(旧型)

    2016年8月にフルモデルチェンジしたため、旧型は価格が下がりつつある。中古車マーケットに旧型が増えてくれば価格が下がるため、これからがまさに買い時。2010年に登場した旧型セレナは、フルモデルチェンジするまでの間、何度も改良が加えられていて年式が新しいほど性能・装備が充実している。そのため、予算内でなるべく高年式車を選んだ方がよい。おすすめは、マイルドハイブリッド機能が付いたS-ハイブリッド車。燃費も大幅に向上。さらに、歩行者検知式自動ブレーキ「エマージェンシーブレーキ」が装備されたモデルもある。エマージェンシーブレーキは、2015年11月には全車標準装備化されている。旧型のミニバンで、歩行者検知式の自動ブレーキが用意されているのはセレナだけだ。

  • RANKING BEST 2日産 エルグランド

    日産 エルグランド

    エルグランドクラスのミニバンは、新車マーケットではトヨタのアルファード&ヴェルファイアの一人勝ち状態。中古車相場も高く、中古車としての旨みはない。一方でエルグランドは、新車マーケットで大敗してしまったこともあり、アルファード&ヴェルファイアの中古車と比べると随分安くなっており買い得感がある。価格は安くてもクルマそのものが悪い訳ではなく高級感は十分。エルグランドが売れなかった理由は、走行安定性を高めるために全高を低く抑えてしまったことと、それに起因し室内高が低くなり室内スペースが狭くなったことだ。これも、実用上はまったく問題ないレベルで、もはや好き嫌いの要素。旧型アルファード&ヴェルファイアと比べると、インテリアの質感や乗り心地を含めた走行性能は、エルグランドが勝るほどだ。

  • RANKING BEST 3三菱 デリカD:5

    三菱 デリカD:5

    デリカD:5は三菱の燃費不正問題の影響もあり、少々イメージが悪く、誰にでもおすすめできる訳ではないので、裏3位とした。燃費不正問題の影響を受け、中古車価格は下がってきている。デビューは2007年なので、基本設計は古い。しかし、その間、何度も改良が加えられ着実に深化してきた。また、デリカD:5の魅力は、そのユニーク性にある。多くのミニバンの中でもオフローダー的なミニバンは他社にはない。機能的にも、三菱が得意とする本格的4WD機能を装備されている。大人数で荷物を積んでのオフロードでの走行や、やや雪深い地域での走行、ウインタースポーツ、アウトドアなどレジャーを楽しみたい人には、まさにピッタリの1台。デリカD:5にしかできない使い方だ。2013年1月から2.3Lクリーンディーゼルエンジンを搭載したモデルが投入されたことにより、こうした用途に対して動力性能や燃料経済性が向上している。

中古車オススメランキングの3台を比較

燃費・経済性
  • セレナ

    旧型とはいえ、セレナの燃費は悪くない。初期モデルで14.6㎞/L程度、最新モデルでは15.4㎞/L前後の燃費性能となっている。さすがに、新型と比べると悪く見えるが、最新のノア&ヴォクシーでも16.0㎞/Lだ。新型セレナの納車が進むにつれ、旧型セレナの中古車相場は、これからドンドンと買い得感が出てくる。2013年式の高年式も200万円を切ったモデルが多く、160~200万円の予算があれば上質な中古車が探せる。2011年式になると、130~180万円というところがボリュームゾーン。この前後の年式は、今後かなり流通量が増えて下がる可能性がある。また、2016年式には、登録済み未使用車も少し流通していて、230万円くらいから売り出されている。

  • エルグランド

    2010年にデビューしたエルグランドは、2.5Lと3.5Lが用意されている。デビュー当時の燃費は、2.5Lが10.8㎞/L、3.5Lが9.2㎞/L。困ったことに、現在でも燃費値は進化していない。ただ、最新のアルファード&ヴェルファイアの2.5L車が11.6㎞/L、3.5L車が9.5㎞/Lなので、2.5Lはアルファード&ヴェルファイアの勝ちだが、3.5L車はエルグランドの勝ち。どちらも大差ない燃費値といえる。中古車では、2.5Lと3.5Lでそれほど大きな価格差にはなっていないようだ。
    なお、後席用のモニターやナビ、レザーシートなど豪華装備の有無で価格差が出ており、2013年式で230~300万円といったところがボリュームゾーン。数は少ないが、人気の高いハイウェイスターを選ばなければ、200万円を切る車両もある。新車価格と比べると、100万円前後安い状況になってきている。また、2011年式になると190~280万円という価格帯がボリュームゾーン。確実に安くなっているが、値落ちは意外と少ない。

  • D:5

    デリカD:5の燃費は、燃費不正問題でもはや参考値。2.4Lの4WDの燃費は10・15モードで10.4㎞/L。最新モデル11.2㎞/Lへ向上。2.3Lクリーンディーゼルは13.6㎞/Lだ。クリーンディーゼルは、燃料が軽油なので20円/L前後安い価格が魅力となる。新車価格は、ガソリンとディーゼルとでは30万円以上違う。
    中古車相場は、2013年式で250~300万円がボリュームゾーン。2013年にディーゼル車が追加されているので、ディーゼル車の流通量が多い。ディーゼルは、軽油を使うためガソリンより20円/L前後安い。燃費もガソリン車よりも優れているので経済性は高い。また、最大トルク360Nmあるので、重いミニバンにはピッタリのパワーユニット。より力強い走りが楽しめる上に、燃料経済性は高い。

装備・使い勝手
  • セレナ

    2015年の改良で、歩行者検知式の自動ブレーキ「エマージェンシーブレーキ」が全車標準装備された。2013年末のビックマイナーチェンジ後のモデルでも、エマージェンシーブレーキがほぼ標準装備化されている。高年式になってしまうが、安全面を考えるとエマージェンシーブレーキが装備されたモデルがおすすめ。
    また、2012年にマイルドハイブリッド機能であるS-ハイブリッドが登場。燃費が向上したのはもちろんだが、マイルドハイブリッド機能の一部がアイドリングストップ機能からの再始動を行うため、非常に振動や静粛性が少ないのが特徴だ。2013年のマイナーチェンジ後からは、フロントドアのスーパーUVカット断熱グリーンガラスの採用をはじめ、フロントウィンドウに開放感と防眩を両立するトップシェード、3列目シートにパーソナルテーブル等、多くの装備が追加された。3列目シートは、操作の簡単な左右跳ね上げ式だ。

  • エルグランド

    エルグランドには、残念ながら未だ自動ブレーキ関連の安全装備は用意されていない。エアバック類は、サイド&カーテンエアバッグが標準装備されているので、一定のレベルはクリアしている。3.5L車の一部グレードには、「踏み間違い衝突防止アシスト(駐車枠検知機能付)」が標準装備されるが、2.5L車には用意されていない。
    安全性と利便性を高める機能として、アラウンドビューモニターを用意。この機能は、各部カメラの映像をまるでクルマを真上から見たような映像に加工し、クルマ周辺にあるものがひと目で分かるようになっている。バックでの駐車など、クルマの周辺が確認でき安全性を高めてくれる。モデル途中からは、周辺の移動物検知もできるようになり、より安全性が高まっている。大型ミニバンの運転はちょっと苦手、というドライバーに役立つアイテムだ。また、2014年のビッグマイナーチェンジ後から、室内高もやや広くなり、3列目シートに前方向240mmのスライド機能を追加。3列目シートに人が座っていても後部ラゲッジ長の拡大が可能。ゴルフバッグ6個が積載できる広さを誇る。3列目シートは床下収納となる。

  • D:5

    デリカD:5は、基本的に4WDの設定である。一部グレードには、2.0LのFFがあるがあまりおすすめできない。この4WDは、ライバル車にはない、本格的なものだ。4WDシステムは本格的な電子制御4WD。2WDや4WDオート、走破性を高める4WDロックと、ドライバー自ら選択し走行できるようになっている。最低地上高も210㎜。エルグランドが150㎜なので、他のミニバンとは比べものにならない走破性をもつ。3列目シートは、左右跳ね上げ式だ。

    <関連記事> 人気ミニバン10種類をシートアレンジで比較!「本当に使いやすい車」はこれだ!

走行性能
  • セレナ

    最新モデルと比べると、やや古さを感じさせるフットワーク。高速道路などでは、もう少し安定感が欲しいところだ。しかし、旧型のステップワゴンや旧型ノア&ヴォクシーなどと比べると、さすがに乗り心地などの性能面では勝っている。また、旧型セレナSハイブリッドは、街中走行時の振動や静粛性は際立って高い。Sハイブリッドには、マイルドハイブッドが搭載されている。アイドリングストップからの再始動時に、マイルドハイブリッド機能の一部が使われ、エンジンの騒音や振動がほとんど感じられないのだ。市街地走行では、何度もアイドリングストップから再始動を繰り返すだけに、この快適さを味わうと他のミニバンがうるさく感じるほど。もはや、高級車並みの静粛性だ。

  • エルグランド

    エルグランドのリヤサスペンションは、マルチリンク式が採用されている。そのため、2010年デビューとモデル末期に入っているものの、乗り心地や操縦安定性はなかなかよい。旧型アルファード&ヴェルファイアは、トーションビーム式なので、乗り心地や操縦安定性では、エルグランドが勝る。新型アルファード&ヴェルファイアでは、リヤサスをグレードアップし、ダブルウイッシュボーン式に変更したほどだ。それでも、エルグランドは全高を低くしたことによる低重心化で、カーブでの安定感は新型アルファード&ヴェルファイアに勝るほど。ミニバンにしては、安定感のあるタイプだ。

  • D:5

    デリカD:5の2.4Lガソリン車は、最新モデルで170ps&226Nmというパワーとトルクをアウトプット。余裕あるとまではいかないが、必要十分といったところ。ただし、さすがに5人以上乗せて荷物満載となれば、少々力不足を感じるかもしれない。そうなるとお勧めは、クリーンディーゼル車。最大トルクは、なんと360Nmを誇る。この最大トルクは、自然吸気のガソリン3.5Lエンジンと同程度。それも1,500回転という低回転で発生するので、市街地や高速道路問わず余裕ある走りが可能だ。乗り心地や操縦安定性に関しては、やや古さを感じるが許容範囲といったところ。4WDの走破性は高く、多少雪深い場所でも十分に走行可能なのは頼もしい。

デザイン
  • セレナ

    日産 セレナ(旧型)

    残念ながら新型セレナは、トヨタのミニバンの強面&迫力系になってしまった。そんなこともあり、旧型セレナのもつクリーンでスタイリッシュなデザインが、より際立ってきた印象がある。セレナの売れ筋は、スポーティな外装をもつハイウェイスターだ。流通量は少ないが、ギラギラ感をプラスしたライダーやエアロモードなど、カスタマイズされたモデルも用意されている。

  • エルグランド

    日産 エルグランド

    エルグランドは、全高が低いこともあり、フロントフェイスの面積もライバルのアルファード&ヴェルファイアに比べると低く小さい。全体的にスポーティなスタイルにまとめられている。2014年のビッグマイナーチェンジでは、フロントグリルを大型化。全周をクロームメッキで囲み押し出し感と高級感を高めた。また、シグネチャーLEDポジションランプを配して目ヂカラを強調した新デザインのヘッドランプと組み合わされた。全体的にグッと睨みのきいた顔つきになっており、精悍さが増した。インテリアは、かなりラグジュアリー感がある。ダイヤモンドキルトブラックレザーのシートは、オシャレなアンバーアクセントスペシャルステッチが施されていて、よりラグジュアリー感あるインテリアとしている。

  • D:5

    三菱 デリカD:5

    エクステリア&インテリアとも、さすがに古さを感じる。アンダーガード的なデザインや、フェンダーガードのように盛り上がったフェンダーなどでタフネスさを表現した結果、今でもなんとか通用するデザインになっている。フロントフェイスは、太めの縦格子グリルとなっていて、ジープのようなオフローダー感を出した。こうしたオフローダー的なデザインにしたことで、他のミニバンのようなファミリー感はない。洗練さはないため、都市部より海や山、雪上を走っている姿がとても似合うミニバンだ。

中古車値引き交渉術

新型セレナの下取り車となった旧型セレナが中古車マーケットに出そろっていない状況。まだ少し時間はかかりそうだが、少しずつ下がってくるだろう。異なる中古車店同士で、同じような年式・仕様の旧型セレナを競合させ値引きを引き出したい。近隣に同様の旧型セレナが見つからない場合、ノア&ヴォクシー、ステップワゴンの近い価格の車両で競合させるといい。値引きを引き出したい場合、ライバル車の見積りを先に取ることが重要で、あくまで旧型セレナはついでに見に来た程度。安くなるなら考えるくらいで商談を始めるといいだろう。

エルグランドも旧型セレナとお案じ手法で商談に臨もう。ただし、ライバル車がアルファード&ヴェルファイアとなるので、同じ年式だとやや高めの価格になる。価格を同じにして、本命はアルファード&ヴェルファイアというように感じさせることが重要。「エルグランドは人気ないからなぁ」という感じで、多少難色を示しておくことがポイントだ。

デリカD:5は、未使用車が流通している。すでに、随分買い得感のある価格設定になっているが、燃費不正問題でイメージが悪化しているため、そう簡単に売れるとは思えない。価格は300万円を超えてくる車両が多いため、人気のアルファード&ヴェルファイアの中古車で同等程度の価格帯の車両を競合させるといいだろう。あくまでアルファード&ヴェルファイアが本命というスタンスで商談に臨もう。すぐに売れてしまうような人気車ではないので、ジックリ商談する方法が正攻法。裏技では、こちらから値引き金額を指定してしまうやり方だ。「100万円値引きしてくれるなら、今すぐ買う」というやり方。100万円引きしてくれることはないだろうが、徐々に値引き額を引き下げていき、相手の表情やトークで落としどころを見つけ、値引き金額次第では今買うという姿勢をとること。値引き金額が伸びなくなったら「今、買うと決めるから、店長に聞いて!」とするのもよい。タイミング次第だが、お店は販売目標があるので、状況によっては大幅値引きしてでも目標を達成したいという場合があるからだ。

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クルマ評論家 CORISM代表 大岡智彦 氏
クルマ評論家 CORISM代表
大岡智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

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