- この記事の目次 CONTENTS
- 今月のふせん絵 第18回 オースチン・3リッター(Austin 3 Liter)
- 販売不振で短命に終わったオースチンの旗艦
- 【イラスト/文 遠藤イヅル】
今月のふせん絵 第18回 オースチン・3リッター(Austin 3 Liter)
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販売不振で短命に終わったオースチンの旗艦
1967年から1971年まで製造されたオースチンの旗艦。コードネームADO(Austin Drawing Office Project)61。車名の通りエンジンは直6OHV3リットル。前任のオースチンA110ウエストミンスターのトラディショナルなスタイルから一変、クラスが下のオースチン1800(ADO17)を前後に伸ばしたスタイルが高級感に欠いたことから売り上げは芳しくなく、生産台数は4年で1万台に満たなかった。
同じBL(ブリティッシュ・レイランド)内に高級車として好評だったローバー3500(P6)などがいたことも、売れなかった理由。イシゴニス式FFのADO17そっくりだが、エンジンは縦置きの後輪駆動だった。本来大衆車ブランドだったオースチンが高級車を持つ必要もなくなり、後継車は存在しない。あだ名は「ランド・ロブスター」。これはADO17の「ランド・クラブ(陸の蟹)」にかけたものだ。
【イラスト/文 遠藤イヅル】
フリーのカーイラストレーター/ライター。東京都出身。自動車雑誌、WEBサイトにクルマをテーマにしたイラストや記事を多数提供。世界各国の生活感があるクルマを好み、20年間で18台のクルマを乗り継ぐ。クレイジーなほど深くて混沌としたクルマ知識を持つ元自動車系デザイナー。自身のクルマ体験をもと、独創的な視点で切り込むイラストやインプレッション記事は、他にないユニークなテイストとして定評がある。2015年7月現在の愛車はプジョー309SI。