とにかく売れているハイブリッドコンパクトカー。
マイナーチェンジでSUVルックのXアーバンを追加したアクアの試乗レポート!
- スタイリッシュな標準車と、SUVルックのXアーバンと2タイプのボディが存在
- 優れた低燃費性能だが、マイナーチェンジ前のモデルは、やや乗り心地が悪い
- 超人気モデルなので、新車値引きは厳しい。中古車も価格はやや高めだが選びやすい
マイナーチェンジ時に、SUVルックのXアーバンが登場
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コンパクトなボディサイズに、2代目プリウスの1.5Lハイブリッドシステムの進化バージョンを搭載。空力特性を高めたことにより、スタイリッシュなデザインをもつ。ニッケル水素バッテリーをリヤシート下に配置することで、居住性や積載性も高めている。
また、標準車と差別化されたSUV感覚のデザインを採用したのがアクアXアーバン。しかもルーフレールやバンパー、サイドシルガードなどに異なる配色をした3種類のツートーンカラー仕様も個性的だ。SUVルックながら、駆動方式はFFだけなのでいわゆる“なんちゃってSUV”なのだが、最低地上高も20mm高く設定され、見るからにSUV感覚のモデルに仕上げられている。最近はこのようなタイプのクルマが世界的に人気を集めている。
選ぶ楽しさがあるインテリア
優れた燃費に高い運動性能。乗り心地性能重視ならマイナーチェンジ後がお勧め
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システム出力100ps(136kW)を発生するハイブリッドの動力性能は十分なもの。比較的軽量なアクアのボディを余裕で引っ張るだけの実力がある。
ハイブリッドシステム用のバッテリーをリヤシート下に搭載していることで、前後の重量バランスや低重心化に優れ、想像以上に高い運動性能をもつ。世界最高水準とされる37.0km/Lの燃費は一部の特殊なグレードのもの。売れ筋グレードの実力値は33.8km/Lだが、それでも十分に良い燃費性能である。
現行アクアはデビューした当初のモデルは、乗り心地が悪いなど走りの質感に欠ける印象だった。
しかし、マイナーチェンジ後では、かなり改善され一定の水準以上のレベルとなった。乗り心地性能を重視するなら、マイナーチェンジ後のモデルが良いが、まだまだ流通量が少ない。Xアーバンはそのマイナーチェンジのときに登場したモデルなので、乗り心地や振動・騒音、操縦安定性などはまずまずバランスがとれている。Xアーバンは最低地上高を高めたのに合わせて専用のチューニングが施されており、高めの地上高による不安定さを感じないですむ。
値引きは厳しい。ライバル車+アクア同士の競合が効果的
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アクアは、フィットハイブリッドに比べるとやや高価な価格設定がされている。エントリグレードのLは、価格訴求用のオトリグレードとも呼べるもので、実際にはSグレード以上から選ぶことになる。そうなると約190万円。オプションを装着すると、余裕で200万円を超える。Xアーバンも同様で、200万円を超えている。ハイブリッド車でSUV感覚の外観デザインを持つとはいえ、ちょっと高めの価格設定である印象が強い。
アクアはデビュー当時から、売れに売れている超人気車。マイナーチェンジを行い、やや古くなったとはいえ、値引き期は非常に厳しい状況。それでも、必ずフィットハイブリッドやデミオ(クリーンディーゼル車)と競合させたい。
競合させないと、値引きはほぼ無いと思ってもいいだろう。また、アクアはトヨタの全チャネルで売られている。トヨタ店とトヨペット店、カローラ店、ネッツ店など、異なる販売会社でアクア同士を競合させるのも効果的だ。
中古車では、3年落ちのモデルが110~160万円というのがボリュームゾーン。程度の良いクルマなら130万円を超える。やや高めな価格なのだが、流通量は多く選びやすい。
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自動車評論家
松下 宏(まつした ひろし)中古車の業界誌から自動車誌の編集者を経て、自動車評論家に。
誰でも買える価格帯であり、小さくて軽く、そして燃費がよいということを信念として評論。
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員としても、その信念は変わらない。
そのため、大本命といわれている車種さえ外してでも自らの信念を貫き通す熱いハートをもつ。
アクアのカタログ情報
- 現行モデル
- 令和3年7月(2021年7月)〜現在
- 新車時価格
- 198.0万円〜283.7万円
アクアの在庫が現在574件あります
以下車両の保証内容詳細は画像をクリックした遷移先をご確認ください。