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今月のふせん絵 第8回 ヤマハ OX99-11
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◆国産F1エンジンは公道の夢を見るか
バイクメーカーとして有名なヤマハ発動機も、1989年から1997年まで、モータースポーツ最高峰のF1に参戦していた時期があった。参戦3年目の1989年には、3.5リットル5バルブV12エンジン「OX99」を開発、ブラバムのマシンがこれを搭載して活躍した。一方、その活躍と時を同じくして、ヤマハとして初の4輪車の発売予定のアナウンスが1992年に行われた。そのクルマが、OX99-11だった。当時、世界でもスーパースポーツカーが次々と登場していたこともあり、ヤマハはF1用V12の「OX99」を積んだスーパースポーツカーを発売することとした。だが、1台1億円以上する価格や、バブルの崩壊などが影響して結局1台も市販されることなくその幕を閉じた。悲運のジャパニーズ・スーパーカーである。
【イラスト/文 遠藤イヅル】
フリーのカーイラストレーター/ライター。東京都出身。自動車雑誌、WEBサイトにクルマをテーマにしたイラストや記事を多数提供。世界各国の生活感があるクルマを好み、20年間で18台のクルマを乗り継ぐ。クレイジーなほど深くて混沌としたクルマ知識を持つ元自動車系デザイナー。自身のクルマ体験をもと、独創的な視点で切り込むイラストやインプレッション記事は、他にないユニークなテイストとして定評がある。2015年7月現在の愛車はプジョー309SI。最新の掲載誌は遠藤イヅルのfacebookで確認!