日産セレナ

<お買い得な特別仕様車と値引きで、ライバルを圧倒する価格で勝負する日産セレナ>

日産セレナ日産は、人気の5ナンバーミニバンであるセレナに、3タイプのお買い得な特別仕様車を設定し発売を開始した。

日産セレナは、2010年11月にデビューし、すでにモデル末期のモデル。セレナの大きな改良ポイントは、2012年8月にマイルドハイブリッド機能を装備したセレナSハイブリッドが登場。2013年12月には、ビッグマイナーチェンジをし日産の自動ブレーキであるエマージェンシーブレーキがどのライバルよりも先に装備した。

その他、セレナは日産車の中でも小まめに仕様が変更されているモデル。さらに、グレードが豊富。標準車の他、売れ筋のハイウェイスター、ライダーシリーズが数タイプ、エアロモードと多種多様なラインアップを誇る。こうした仕様であることには訳がある。セレナは、日産の国内販売において、販売台数を支える重要な車種であるということだ。軽自動車 のデイズシリーズ を除くと、セレナはノートに次ぐ量販車種。マーチの販売が低迷している日産にとっては、セレナが売れなくなると日産の国内販売は窮地に追い込まれる。また、300万円近い車種であることもあり、収益的にもインパクトは大きい。

日産セレナ同時に、セレナが属する5ナンバーミニバンマーケットは、ライバル同士が厳しい販売争いを繰り広げている。少しでも放置するとライバル車に出し抜かれる傾向が強い。こうした理由で、各車切磋琢磨することで5ナンバーミニバンは、日本にマッチしたクルマとなっていて高い人気を誇っている。日本マーケットに真摯に向き合ったクルマは売れるということにもなる。

そんなセレナだが、現在は少々分が悪い。モデル末期であることや、ライバル車が新型に切り替わったばかり。さらに、トヨタ勢のような本格的なハイブリッドではなく、ステップワゴンのように1.5Lダウンサイジングターボで自動車税が節税できるなどのメリットも提示できていない。戦闘力と言う面では、なかなか太刀打ちできない状況にもなってきた。

とはいえ、日産にとってはセレナの販売台数を落とすことは、死活問題でもある。セレナが勝てる唯一の部分ということで、考え抜かれて登場したのがお買い得な特別仕様車なのだ。もはや、モデル末期で戦闘力がないセレナにとって、フルモデルチェンジするまでの間、価格訴求で価格志向の顧客のハートを揺さぶる作戦しかないともいえる。

3つの特別仕様車の内、売れ筋になるとみられるのは「日産セレナハイウェイスター Vセレクション+Safety Ⅱ」。ベース車にLEDヘッドランプ、ワンタッチオートスライドドア<両側>(挟み込み防止機構付)、16インチアルミホイール(2WD車のみ) と、安全性をさらに高める「アドバンスド セーフティ パッケージ」を標準装備した。この特別仕様車の価格は、2WD車で価格を157,000円高に抑え、152,000円割安な価格設定としている。価格は2,799,360円とわずかだが、280万円を切っている。

セレナハイウェイスター Vセレクション+Safety Ⅱを、さらに個性的にしたモデルが「ハイウェイスター Vエアロモード+SafetyⅡ」だ。こちらは、ハイウェイスター Vセレクション+Safety Ⅱにプラスされた装備に加え、LEDイルミネーションを組み込んだフロントプロテクター、専用ダーククロムグリル、専用パワーウインドウスイッチフィニッシャー(グロスブラック)といったアイテムを標準装備。2WD車で価格を197,000円高に抑え、182,000円割安な価格設定としている。

日産セレナさらに、価格志向の顧客向けといえる「20X Vセレクション+Safety」は、ベース車にワンタッチオートスライドドア<両側>(挟み込み防止機構付)を標準装備としたもので、2WD車、4WD車ともに価格を54,000円高に抑え、76,000円高と割安な価格設定としている。

ライバル車が、やや高価な価格帯になっていることもあり、セレナのお買い得な特別仕様車と比較すると、同じような装備内容にすると、かなりお買い得な価格設定となった。ている。さらに、モデル末期ということもありセレナは値引き金額も大きい。こうなると、ライバル車と比べると、支払金額では大きな差となってくるだろう。

直接的なライバルだけでなく、ひとクラス下の新型シエンタハイブリッドと比べても差がなくなっている。セレナハイウェイスター Vセレクション+Safety Ⅱの価格が約280万円。シエンタハイブリッドの上級グレードが約233万円。仮にセレナが40万円引きになると、240万円。ほぼ値引きゼロのシエンタハイブリッドとさほど変わらない価格になる。

こうしたお買い得な特別仕様車の設定は、5ナンバーミニバンの購入を考えている顧客全体に大きなメリットを与えいている。トヨタのハイブリッド車の除くガソリン車は、セレナの特別仕様車と競合させられると、価格差が大きくなる。国内販売が伸び悩むホンダは、ステップワゴンが頼みの綱。価格差を少しでも縮めるため、値引き幅は大きくなるだろう。また、トヨタ系はノア、ヴォクシー、エスクァイアと自社の中でも競合するので、ここにステップワゴンやセレナが加わると、価格競争となるのは確実だ。

こうした状況を理解して商談にのぞめば、ライバル車のさらなる値引き額のアップが見込まれる。当然、セレナを購入するつもりでも、こうしたライバル車と競合させるのは重要。ある意味、セレナのお買い得な特別仕様車は、ライバル各社に値引き対応せざる負えない状況に追い込んだ。値引き合戦のという泥沼にセレナがライバル車を引きずり込んだといえる状況。セレナのお買い得特別仕様車を含めて、今、5ナンバーミニバンは買い時だ。

■日産セレナ特別仕様車価格

■2WD
・20X Vセレクション+Safety S-HYBRID 2,506,680円
・ハイウェイスター Vセレクション+SafetyⅡ S-HYBRID 2,799,360円
・ハイウェイスター Vエアロモード+SafetyⅡ S-HYBRID 2,839,320円

■4WD
・20X Vセレクション+Safety 2,758,320円
・ハイウェイスター Vセレクション+SafetyⅡ 3,040,200円
・ハイウェイスター Vエアロモード+SafetyⅡ 3,080,160円