トヨタ ランドクルーザープラド

 

<450N・mという大トルクを発揮する新開発2.8Lクリーンディーゼルを搭載! これで、ますます敵なし?>

1435471030トヨタ ランドクルーザープラドは、中古車マーケットで人気が高く、リセールバリューの高いクルマだ。そんなランドクルーザープラドだが、日本にはガソリン車しかなかった。2トン超級の車重で、あまり燃費の良くない旧世代のガソリンエンジンだったため、燃料費はかなり高くなってた。また、本格的オフローダーとして使いたいというニーズをもつ顧客にとって、低回転から大トルクを発揮するディーゼル車へのニーズも高い。

そこで、ようやくというべきなのか、ついに待望のクリーンディーゼルがランドクルーザープラドに搭載された。搭載されたのは、新開発2.8Lクリーンディーゼルエンジン「1GD-FTV」。国内で初めて搭載するクリーンディーゼルエンジンだ。このディーゼルエンジンは、次世代高断熱ディーゼル燃焼やコンパクト で高効率のターボチャージャーを併用。低回転でも高トルクを発揮できる動力性能を備えている。また、低燃費・低排出ガスも実現。JC08モード走行燃費は、11.8km/Lを達成。さらに、排出ガス関連では新開発の尿素SCRシステムなどの採用し、窒素酸化物(NOx)を大幅低減した。その結果、「ポスト新長期規制」に適応している。もちろん、クリーンディーゼル車として「エコカー減税」の他に、「CEV補助金」制度を利用した場合、最大約24万円が給付されるなどのメリットもある。

新開発された1GD-FTV型2.8Lディーゼルエンジンのスペックは、130kW[177ps]/3,400rpm、450Nm[45.9㎏-m]/1,600~2,400rpm。わずか1,600回転で450Nmを発揮する。これだけの大トルクがあれば、2.3トンもあるランドクルーザープラドの車重も苦にならないだろう。ただし、このエンジンはトラックやSUV用ともいえるもので、最高出力の発生回転数が3,400回転と低い。最近の乗用車用クリーンディーゼルエンジンのように、高回転まで回るタイプではないようだ。このクリーンディーゼル搭載によって、プラドの航続可能距離が延びた。燃料タンクが87Lと大きいこともあるが、新型ディーゼルエンジンを搭載し燃費が大幅に向上したことで、高速道路などでは速度を控えめにして走ることが条件になるものの、満タンで1,000㎞近く走ることも可能だろう。

プラドに、新型クリーンディーゼルエンジンが投入されたことにより、今まであったトップグレードに搭載されていた4.0Lエンジンはラインアップから消えた。現在のエンジンラインアップは、2.8Lクリーンディーゼルと2.7Lガソリンの2タイプとなっている。

クリーンディーゼルエンジンの投入と同時に、プラドは一部改良が施された。2.7Lガソリン車は、従来の4速ATから6速ATへと多段化。同時に、エンジンも改良。燃費は従来の8.5㎞/Lから9.0㎞/Lへ向上させている。

装備関連では、従来型で好評のLEDヘッドランプをディーゼル車(TZ-G、TX“Lパッケージ”)に標準装備。外板色には、新色のレッドマイカメタリックを含む全10色を設定した。

トヨタ ランドクルーザープラドの選び方。まず、2.7Lのガソリンか2.8Lのクリーンディーゼルかを選ぶことから始まる。予算を無視するのであれば、クリーンディーゼルエンジン車を選ぶといい。2.7Lガソリンでは、さすがに2トン超級のボディを気持ちよく走らせるには無理があるからだ。また、プラドはリセールバリューがいいとはいえ、恐らく今後はクリーンディーゼル車が人気となるため、ガソリン車のリセールバリューは下がることも予想できるからだ。

ただし、クリーンディーゼル車は高価。最上級グレードTZ-Gの価格は5,133,927円。従来の4.0L車と比べると、約9万円アップとなっていて、価格アップは控えめ。しかし、2.7Lガソリン車TX(3,349,963円)と比較すると、クリーンディーゼルのTXが3,964,582円なので、約61万円高となる。最大24万円の補助金とエコカー減税分をプラスしても、この差は埋まらない。ガソリンと軽油の価格差が20円前後で、燃費もディーゼルが上回るので、距離を走る人ならこの価格差分を回収できるかもしれない。リセールバリューや満足度を含めて考えれば、多少無理してでもクリーンディーゼル車を選んだほうがいいだろう。

グレード選びでは、最上級グレードTZ-Gを選びたい。その理由は、安全装備にある。今回の一部改良でも、トヨタの自動ブレーキであるトヨタ セーフティセンスは装備されていない。当たり前だが、2トン超の大きなクルマが、追突や歩行者との接触は大きな事故になる。プラドのような大きくて重いクルマほど、早急に自動ブレーキなどを標準装備する必要があるからだ。しかし、プラドには既存のプリクラッシュセーフティシステムが最上級グレードのTZ-Gのみにオプション設定。このプリクラッシュセーフティシステムを選択しないと、前走車追従式のレーダークルーズコントロールも装備されないので、高級SUVの装備としても物足りない状況。できることなら、最新の安瀬装備であるトヨタ セーフティセンスが装備されてからが買い時となる。現状では、最上級グレードのTZ-Gにプリクラッシュセーフティシステムをオプション選択するしかない。

■トヨタ ランドクルーザープラド価格

<2.7Lガソリン車>
・TX 5人乗り フルタイム4WD 6AT 3,349,963円/7人乗り 3,504,109円
・TX Lパッケージ 5人乗り フルタイム4WD 6AT 3,802,582円/7人乗り 3,956,727円
<2.8Lクリーンディーゼル車>
・TX 5人乗り フルタイム4WD 6AT 3,964,582円
・TX Lパッケージ 7人乗り フルタイム4WD 6AT 4,696,037円
・TZ-G 7人乗り フルタイム4WD 6AT 5,133,927円