スズキ iM-4

<アルトのデザインテイストをもつ愛嬌あるデザインが魅力のコンパクトSUV>

 スズキiM-4最近の欧州で人気なのは、コンパクトSUV。日本も同様に、多くのコンパクトSUVが投入されている。そうしたトレンドにいち早くスズキは取り入れ、ジュネーブショーで小型の4WD車である「スズキiM-4」を世界初公開した。

スズキiM-4は、Shape the Inspiration(インスピレーションを形にする)」をコンセプトとして開発されたモデルだ。アルトにみられる最新スズキのデザイントレンドやスズキ4WDのDNAと最新技術を個性的なデザインにパッケージした。コンパクトカーのもつ愛嬌と、SUVらしい力強さが調和しているのが特徴だ。

iM-4のボディサイズは、全長3,693mm×全幅1,709mm×全高1,566mm。現行ソリオの全長が3,710mmなので、ソリオよりやや短く非常にコンパクトなサイズのSUVとなっている。

このコンパクトなボディのベースとなっているのは、次世代軽量プラットフォームに「SHVS」。スズキは、アルトでスズキの軽量化技術をアピール。その実力は高く、ライバルメーカーから頭ひとつ抜き出ている。車両の軽量化は、大きなメリットをもたらしてくれる。それは、コンパクトカーに限らず燃費改善、安全性の向上、運動性能アップなどだ。軽量化で容易な方法は、材料置換。高級車などは、高価なカーボンパーツなどは大量に使い軽量化したいるする。ただし、高級素材を使った材料置換は、コストが重要視されるコンパクトカーには向かない。スズキは、そうしたコスト上昇を抑えながら、知恵と工夫で軽量化に取り組んでいる。

スズキ iM-4この軽量プラットフォームに搭載されるのは、1.2Lデュアルジェットエンジン。1.0L直3直噴ターボを搭載したiK-2がデビューしているのに、既存のガソリンエンジンを使っているというのには疑問が残る。ただ、この1.2Lエンジンには、ワゴンRにも搭載されたISG(モーター機能付発電機)が装着されいてる。ISGは、モーターアシストと効率のよい回生発電を行う、マイルドハイブリッドシステムでもある。このISGにより燃費を向上。また、ISGはアイドリングストップからの再始動が、とても静かで快適なのも魅力のひとつだ。

iM-4のデザインは、一見アルトSUV? とも見えるなかなか愛嬌のあるものとなった。そうしたデザインに、エスクード等のスズキ4WDの特徴である貝殻形状のボンネットや、スイフト等に採用されている黒色のA・Bピラー、初代セルボやフロンテクーペから受け継いだCピラー周りからリヤへの造形など、スズキの伝統を感じるデザインを随所に散りばめた。ある意味、人気モデルのアイコンが集合したようなクルマでもある。ともあれ、なかなか魅力的なデザインである。スズキの場合、こうしたコンセプトカーでは非常に魅力的なのだが、市販化されると個性が消えることがよくある。願わくば、このまま実際に市販車してほしいものだ。