三菱L200

<新車ジャンル、スポーツ・ユーティリティ・トラック(SUT)って何だ?>

三菱は、ジュネーブショーでピックアップトラックの三菱L200を欧州初公開した。

三菱L200は、タイなどで販売されているピックアップトラック、トライトン。トライトンは、タイで9年ぶりにフルモデルチェンジしたばかりだ。三菱は、そのトライトンを2015年夏に、L200として欧州で発売を予定している。

このL200は、究極のスポーツ・ユーティリティ・トラック(SUT)を目指して開発されたという。スピードレンジも高く、クルマに高い総合力を要求する欧州において、価格優先の新興国向けの車両を単に持ち込んでもなかなか売れない。そこで、三菱は働くクルマとしての機能性・信頼性を向上しながら、乗用車のように快適な移動空間を提供するクルマとしてL200を仕上げた。それがSUTということになる。

エクステリアデザインは、先代トライトンのイメージを継承。力強い面の張りをもち、タフなピックアップトラックらしさを強調する。そこに、ボディサイドのシャーブなキャラクターラインが加わり、スポーティな雰囲気もプラスしている。

ディーゼルエンジンが主流の欧州マーケットなので、L200もディーゼルエンジンが搭載される。欧州の厳しい環境規制に対応させた4N15型2.4L MIVECディーゼルターボエンジンが用意された。このエンジンに、アイドリングストップ機能「オートストップ&ゴー(AS&G)」を装備。クラストップレベルの高い環境性能を実現している。また、タービン容量を可変制御するVGターボチャージャーにより、低回転域から力強いトルクを発生し、高回転域までレスポンスよく滑らかに加速するという。ミッションは、新開発の6速MTと5AT。なんと5AT車には、パドルシフト付きスポーツモード。まさに、SUTといった仕様となっている。

4WD機能は、こちらも高性能なパジェロと同じスーパーセレクト4WD-IIが採用された。低燃費走行を可能にする2WDモードから様々な路面に対応可能な4WDモードまで、4つのモードが選択可能なシステムだ。販売価格が重視されるトラックとは思えないほど、高価な装備が装着されている。

また、開発テーマのひとつである乗用車のような快適な空間。こちらは、遮音材、吸音材、制振材の追加と最適化とボディ高剛性化により、室内空間の静粛性を向上。サスペンションも最適化し、滑らかな乗り心地を実現した。

さらに、トラックならではの装備として、牽引中のトレーラーが横風などによって不安定な動きをした場合に、自車とトレーラーが正しいコースを維持するように補助する「トレーラースタビリティ アシスト(TSA)」、走行レーンを逸脱しそうな場合にドライバーに警報で注意を促す「車線逸脱警報システム(LDW)」などの予防安全技術も採用された。日本では、まだまだトレーラーを牽引する人は少ないものの、より安心して使える。

L200の全長は5,285mmと、かなり長い。日本で使うとなると、かなり制約が出てくるだろう。ただし、先代モデルと同様に最小回転半径をクラストップレベルの5.9mとなっている。アルファード/ヴェルファイアなどの大型ミニバンより、少し小回りが苦手といったところなので、使い勝手はギリギリといったところだろう。

さらに、L200はダブルキャブ仕様ががる。さすがに、2人乗りでは日本で使う以上、かなり使い勝手が悪い。多少荷室が狭くなるものの、後席があれば、ライフスタイルでL200を選ぶという人もいるだろう。また、先代モデルは古いガソリンエンジンだったので、燃費も良くなかった。このL200は、最新のディーゼルエンジンが搭載されている。ガソリンよりも20円程度安い軽油が使え、燃費が良いということになれば、日本での注目度はイッキにアップしそうだ。そうは言っても、販売台数は多くならないだろうが、こうした圧倒的な個性が三菱ファンを増やし、ブランド力を強くすると予感できるモデルだ。日本への導入は、今のところ未定だ。