トヨタオーリス

 

<ネッツ店10周年記念特別仕様車。アイドリングストップ機能を選ぶこともできない環境問題無視な設定に疑問>

トヨタオーリストヨタ は、新ネッツ店誕生10周年を記念して、Cセグメントのコンパクトカー オーリスに 特別仕様車150X“Blackish Lounge”(ブラキッシュ ラウンジ)を設定し発売を開始した。

ネッツ店は、まずは旧オート店がネッツ店へ変更された。現在のネッツ店のラインアップのように、コンパクトカー 中心の取り扱い車種となり、初代ヴィッツ が投入されたチャンネルだ。その少し前には、走りを重視したアルテッツアも投入。現在も86 を扱っており、他のチャンネルと比べると比較的若年層の顧客が多い傾向にある。

トヨタは、あまりに多いチャンネルに対応するために、多くの姉妹車を無理やり作ってきた歴史がある。それは、効率的にはあまりよいものではなかった。その反省からか、パッとしなかった取扱い車種が多かったビスタ店を統合。ビスタ店専売車種の多くは、統合と同時に生産中止となっている。

そんな経緯をもつネッツ店10周年を記念し登場したモデルがオーリス150XBlackish Lounge”(ブラキッシュ ラウンジ)。実質のエントリーグレードとなるオーリス150Xをベースとした特別仕様車だ。

オーリスは、デビュー当時、スポーティさを前面に出した5ドアハッチバックだった。今回投入されたブラキッシュラウンジという特別仕様車名から分かるように、インテリアに力が入ったモデル。スポーティ一辺倒だったオーリスのイメージを大きく変えた特別仕様車になっている。

シート表皮やインストルメントパネルなどに、オレンジステッチをアクセントとした本革を採用。オーディオクラスターなどには、艶やかで深みのあるピアノブラック塗装を施した。ステアリングホイール、シフトノブなどに、ダークシルバー加飾を採用し、ハイコントラストな仕様とし高級感をプラス。その車名通り、まさに、ラウンジと呼ぶにふさわしいラグジュアリーなインテリアに仕上げている。

エクステリアも、そんなインテリアと合わせ、16インチアルミホイール、メッキドアベルトモールディング&ブラック塗装センターピラーを採用。外観はシックな印象とし、光モノのメッキをアクセントとして使った上品なものだ。外板色には、特別設定色ブラッキッシュレッドマイカを含む全5色を設定した。

オーリス ブラキッシュラウンジの価格は1,964,618円。ベースのオーリス150Xが1,841,143円なので、約12万円の価格アップだ。装備の差からみると、お買い得感のある仕様となっている。少し落ち着いた大人の雰囲気をもつコンパクトハッチバックモデルが欲しいと思っている顧客に向くだろう。

この特別仕様車の燃費は、ベースの150Xと同じで18.2㎞/L。エコカー減税に対応しており、約40,800円の恩恵を得られる。150Xには高価だがアイドリングストップ機能がオプションで用意されており、装着すると減税ランクが上がり約71,900円となる。燃費も19.2㎞/Lと大幅アップする。

しかし、この特別仕様車にはオプションでアイドリングストップ機能を選択することができない。軽自動車でもアイドリングストップ機能が装備されている時代なのに、これでは少々物足りない。環境問題を無視できない時代に、エンジンを停止させることで容易に燃費向上ができるアイドリングストップ機能選ぶことすらできないモデルをリリースすること自体が少々疑問に思える。

■ 150X“Blackish Lounge”(1.5L) 2WD 1,964,618円                                4WD 2,159,018円