アウディRS Q3

 

<SUVなのに、スポーツカー並みの310ps&420Nmという圧倒的なパワー!>
アウディRS Q3徐々に人気が高まっているコンパクトSUV。そのコンパクトSUVクラスに2012年にアウディは、Q3を投入した。211psを発揮する直4ターボエンジンを搭載し、クワトロシステムと組み合わされたQ3は、なかなかスポーティな走りを披露した。コンパクトSUVとはいえ、Q3のボディサイズは全長4385×全幅1830×全高1615mm。全長は短くても、全幅は1830mmもあり、最小回転半径は5.7mと日本の大型ミニバン 並み。あまり機動性が高いモデルというわけではない。Q3は他に170psモデルもあったが十分にパワフルだった。そんなQ3にクラスナンバー1のパフォーマンスをもつハイパフォーマンスモデルRS Q3を設定し発売を開始した。

アウディRS Q3のデザインは、よりスポーティなものへと変更されている。フロントフェイスは、マットアルミニウムのフレームとハニカムメッシュを組み合わせたシングルフレームグリルや、大型のエアインテークが装備された。エアロパーツ類もいかにも付けてます的な派手なものではなく、適度にスポーティさをアピールする大人のデザイン。しかも、2台並べるとQ3とは明らかに違うものとなった。また、オーバル形状のテールパイプを備えた専用エグゾーストシステムなどが装備され、ハイパフォーマンスモデルであることをアピールしている。

インテリアもエクステリアと同様にRSらしい仕様となった。シートはRSロゴのエンボス加工が施されたスポーツシートになり、フラットボトム仕様のステアリングホイールを装備。まるで、スポーツカーのようなステアリングとシートになった。装備面では、MMI 3G+やBOSEサラウンドサウンドシステムなどが標準装備されている。

注目のパワーユニットの実力は、最高出力310馬力、最大トルクは420Nm。このトルクは、自然吸気の4.0L車以上のものだ。

アウディRS Q3このパワーユニットと組み合わされるミッションは、7速Sトロニックで駆動方式はクワトロ(AWD)。全長4385mmという小さなボディに、420Nmという大トルクの組み合わせということになると、やはりクワトロ(AWD)ありきでないと、エンジンのパフォーマンスを持て余すことは確実だろう。

一般的にターボモデルは、パワーを上げれば燃費が悪くなるのが一般的。ところが、RS Q3の燃費は11.5km/Lとなかなか優秀。ベース車のQ3、211ps仕様が12.6㎞/L。パワーが約100馬力も上がっているのに、燃費は1.1㎞/Lしか下がっていないのだ。まぁ、RS Q3の燃費が良いというよりは、Q3の2.0Lエンジンの燃費性能は少々物足りない感もある。

足回りは、なんと255/35R20というこちらもスポーツカーもビックリ級の大径20インチホイールが装備された。そのホイールの隙間から姿を見せる大型のブレーキキャリパー、ドリルドローターが、ただ単にパワーを上げたお手軽モデルではないことを主張。

RS Q3の価格は718万円。Q3 211ps仕様が503万円なので、価格差は215万円と大きな価格差がある。この718万円という価格は、ひとクラス上で上級グレードでハイブリッドのQ5 ハイブリッドクワトロ(735万円)とそれほど変わらなくなっている。そうなると、RS Q3のサイズ感やパフォーマンスが好みなら問題ないが、実に悩ましい価格だ。また、Q5のスポーツグレードSQ5が770万円なので、このあたりも難しい選択が求められる。

■アウディRS Q3価格:718万円