プジョー3008
<グレード&装備変更、及び価格引き下げで競争力を高めたフェイスリフト>
プジョー3008プジョー は、Cセグメントのコンパクトカー308をベースとしたコンパクトSUVである3008をフェイスリフトし販売を開始した。

3008は、2010年に日本デビューしたモデル。ボディサイズは全長4,365mm、全高1,635mmというサイズなのだが、なんと全幅は1,835mmとワイド。全長4,895mmあるクラウンの全幅1,800mmより大きい。そのため、コンパクトカーとはいえ、なかなか立派に見え、ある意味クラス感がない独自の存在感をもつ。

エンジンは、1.6Lの直4直噴ターボで156ps&240Nmというパワーとトルクを発揮し、車重も1,500㎏程度ということもあり、なかなかパワフル。このエンジンに、プジョー独特のハンドリング性能や乗り味がプラスされるので、背の高いSUVタイプとはいえ、なかなかエキサイティングな走りを披露する。

このエンジンと組み合わされるミッションは6速AT。燃費性能は10.4㎞/L。さすがに、今となってはアイドリングストップ機能が無かったりなど、急速に進む低燃費化の波には乗れておらず、燃費性能に関しては今ひとつという状況といえるだろう。

今回のフェイスリフトでは、フロントフェイスのフローティンググリルの上部には、新たにプジョーレタリングが配された。また、ヘッドライトの形状も変更。流行のLEDポジションランプ付きとすることで、より個性的なフェイスとなった。また、フォグランプまわりもクロームで縁取られ高級感がアップしている。全体的に引き締まった印象になり、高級感もアップした。

また、フェイスリフトと同時に、新たな機能も追加された。元々3008は、308がベースのFF車だ。走破性という視点では、4WDと比べると当然劣ってしまう。とはいえ、SUVのスタイルをしている以上、一定の走破性は欲しい。そんな機能が新たに追加されたグリップコントロールだ。このグリップコントロールは、従来のトラクションコントロールを進化させた機能。駆動輪へのエンジントルクとブレーキを制御し、滑りやすい路面でも安定した走行ができるようにしたものだ。

この機能には、ノーマルモードの他に、「スノー」、「マッド(泥道)」、「サンド」という3つのモードが用意されている。各々の状況下で最適なトラクション、ブレーキング、ハンドリング性能を発揮するシステムとなっている。その他の装備では、カラーヘッドアップディスプレーが装備された。

プジョー3008新装備が追加されたのと同時に、価格も見直された。3008の価格は、3008プレミアムが329万円。3008シエロが359万円となっている。今回は、エントリーグレードのプレミアムが、装備などを見直し13万円価格が引き下げられた。さらに、上級グレードもグリフからシエロへとグレード名と装備が見直され29万円価格が引き下げられた。装備類では、ホイールが16インチへサイズが小さくなるなどしているが、安全装備を外すなどはされていない。基本的に、豪華装備が簡素化されたとみていいだろう。良いクルマがより安く買えるようになるのは、我々にとって好感が持てる。ただ、価格引き下げが進むCセグメント車がベースなので、まだまだ安いと諸手を上げて言える価格ではない。

そして、今3008を選ぶということには熟慮が必要。3008のベースとなる308は、そろそろフルモデルチェンジを迎えるからだ。近い将来、3008もフルモデルチェンジすることが予想できる。そういったことを考えると、今買いなのか? という難しい判断が必要だ。あえて、今買うというのなら、やはりある程度の値引き条件が必要だろう。