クルマでしか行けないVol.22 箱根美術館で紅葉からの、天丼はまるで芸術のようなサクサク感
都内の道にも、風に飛ばされた枯葉の山ができはじめ秋もそろそろ終盤。しかし、食欲の秋は満喫したものの、もう一つの秋。そう芸術の秋には触れなかったと思い、ハンドルを美術館へと向けてみました。向かった先は箱根美術館。

この美術館の魅力は、なんといっても隅々まで手の行き届いた庭園。本館に展示されている歴史的価値のある美術品だけでなく、紅葉や苔、さらには池や滝まで楽しめるところです。

赤く染まるモミジが景観に味わいをプラスします
足を奥へと進めると真っ赤なモミジのトンネルに出会います。そこをくぐり抜けると、赤のグラデーションと岩に生えた苔の緑のコントラストが美しい苔庭が広がります。


苔園での赤と緑のコントラストは「見事」の一言
茶室「真和亭」でお茶を楽しんだあと、時計を観ると既に1時間近く散策していました。
お腹も減り、足も疲れてきたところでそろそろもう一つ行きたかった場所へ。

茶室では深まる秋を楽しみがらお茶をいただくことができます
竜頭の滝では音と匂いでやすらぎを感じます
向かう先は、小田原城!! 正確には、小田原城近くの天丼屋さんです。今年で創業120周年という老舗「だるま料理店」さんです。お店へ到着すると、登録有形文化財に指定されている母屋が出迎えてくれます。

関東大震災で立て直された母屋
会席料理を予約すると2階の風情ある個室を利用することもできますが、今回の目的は天丼!また、ここへ来る楽しみができたと天丼を注文します。

だるま料理店常務の廣澤さんにお話をお聞きすると、今朝、相模湾で水揚げされたアジのお寿司もおススメの一品とのこと。それならば、とアジのお寿司もお願いすることに。

趣ある店内。大切な人と大切な時間を過ごすには
これ以上ないシチュエーション
一般的なメニューをいただく食堂も天井が高く
落ち着ける雰囲気
店内を見渡しながら待つこと10数分。
まず登場したのは、揚げたてほっかほかの天丼。

会席料理と共に120年間親しまれてきた天丼
漂う香りとあわせて、器からはみ出るほどの盛り付けに見た目も十分に楽しんだ後、待ちに待った一口目。
「サクッ、サクッ」
からりと揚がったエビやナス。どれを口に含んでも小気味よい音が耳に残ります。音だけなく味も抜群。

食材の持つ旨みと濃厚なタレのバランスが絶妙でご飯がどんどんと進みます。

口の中で弾き返す弾力が印象的。味も抜群です
次に登場はアジのお寿司!! 一口で分かります、その新鮮度!!!!!
「プリッ、プリッ」です。

弾き返すような食感と、臭みがまったくなくあっさりとした味わい。味がいいからアジと名付けられたといわれる理由が本当にわかるほど。
気が付けば一気に7貫を食べきってしまいました。

廣澤さんにお話をお伺いすると「この店は、小田原の迎賓館的な役割を担っているので、小田原の名を汚さないように頑張っていきたい」と今後の想いを聞かせてくれました。

だるまや料理店常務取締役の廣澤 圭祐さん
心と体とお腹を満たし、最高のカタチで今年の秋を締めくくれた余韻に浸りながら家路へと向かいました。

<アクセス>
箱根美術館
住所:神奈川県箱根町強羅1300
TEL:0460-82-2623
OPEN:4月~11月 9:30~16:30(入館は16:00まで)
12月~3月 9:30~16:00(入館は15:30まで)
休館日:木曜日/年末年始(11月は無休)

だるま料理店
住所:神奈川県小田原市本町2-1-30
TEL:0465-22-4128
OPEN:11:00~20:00
一階食堂20:00L.O(中休なし)
階上座敷19:00最終入店
休館日:1月1日、2日