ライター紹介

221616 編集部

世の中の自動車ニュースとは一味違う視点でスローニュースを発信。編集部員はクルマ初心者からクルマをこよなく愛するマニアまで幅広いメンバーで構成。全国のガリバーで売れている中古車や車のスタッフレポートなど、生の情報をお届け中。

「このクルマでないとならない」世界中のユーザーのために!

 9月14日、トヨタは本格派オフロード4WDである新型ランドクルーザー プラドを発表した。コンセプトは「オフロード&いつもの快適」。中東の砂漠など、過酷な環境でも根を上げない悪路走破性をさらにレベルアップさせている。新型ランドクルーザー プラドは、そうした本格的なオフロード性能が求められる一方、9割以上のユーザーがオンロードでの仕様がメインということもあり、まるで高級サルーンのような快適性も追求したのが特徴だ。
 エクステリアはいかにもSUVらしい力強さを感じさせつつ、都会でも違和感のない洗練されたイメージとされている。厚みのあるフロントビューは、大きなフロントスリルがとても印象的。またボンネットフードの両端を持ち上げることで、狭い道での見切りの良さにも配慮されている。
 そしてボディサイドは立体的な造形の前後フェンダーが引き締まった印象を与えてくれる。さらにフロントのオーバーハングは衝突安全性能に配慮して拡大された。しかし悪路走破性に影響しないよう形状を工夫し、従来と同等(32°)のアプローチアングルを確保している。
 さらにリヤビューは、立体的なデザインのテールゲートや厚みのあるピラーなどで力強さを演出。クリアレンズとアルミ蒸着のエクステンションを組み合わせたリヤコンビランプで上質さもプラスしている。

「プラド」は世界170ヶ国の国と地域で販売され、長きに渡りユーザーから絶大な支持を集め続ける、トヨタでも有数のグローバルモデルだ。

立体的な造形のサイドビューがとても印象的だ。また前後のオーバーハングは最低限に切り詰められ、悪路での走破性を確保した。

砂漠や雪国など「このクルマでないとならない」地域で特に根強い支持を集めるランクル プラド。そのワイルドさは都会でも異彩を放つ!

上級モデルのTZ-GとTZは18インチのタイヤ&アルミホイールが標準装備。デザインもSUVらしいもので力強いイメージだ。

TX系はこちらの17インチタイヤ&アルミホイールを装備する。タイヤは悪路での走破性と市街地での快適性を考慮したもの。

狭い駐車場などでもバックドアを開けずに荷物の出し入れが出来る、便利な「バックドアガラスハッチ」。

広さも豪華さも使い勝手も・・・全て満たす欲張りな仕上がり

 新型ランドクルーザー プラドのインテリアは、実に豪華な雰囲気だ。インパネまわりは立体的な造形で躍動感を表現。HDDナビの画面は高い位置に配され、とても見やすい。また木目パネルや本革シートなどの質感も非常に高く、上質な印象を与えてくれる。

 ボディサイズは衝突安全性能を高めるため拡大されたが、それでも最小限(全長で45mm、全幅で10mm)にとどめられ、取り回しの良さは従来並をキープ。それでいて室内幅が30mmも広げられるなど、快適な居住空間を実現した。
 シートは5人乗りの2列シート車と7人乗り(従来は8人乗り)が用意されるのは先代モデルと同様だが、3ドアのショートボディは国内仕様には用意されず、5ドアボディのみとなっている。
 フロントシートは快適性だけでなく、オフロード走行時の機能性も考慮した形状を採用。またベンチシートタイプのセカンドシートとサードシートの位置関係も見直し、サードシートでも自然な乗車姿勢を取ることができるようになっている。さらにシートアレンジに関しては、開発に力を入れたという。ミニバンなどとも比較したというだけあり、多彩なアレンジが可能だ。
 居住空間だけでなく、ラゲッジも広いスペースが確保されている。バックドアはガラスハッチ部分のみの開閉も可能で、小さな荷物を積み込むときの使い勝手もいい。また荷物の大きさや駐車スペースなどにあわせ、バックドアを任意の位置で保持できるなど、便利な機能が盛り込まれている。

インパネまわりは立体的なデザインで、質感の硬さと実用性を兼ね備えたもの。また運転席からの見切りも良く、運転しやすい。

メーター中央のディスプレーにはステアリングの切れ角やトヨタ初のマルチテレインセレクトのモードなど表示させることができる。

4リッター(写真)はマニュアルモード付きの5速AT、2.7リッターは4速ATを搭載している。どちらも変速は非常に滑らかだ。

シートの配置を見直し、サードシートでも無理のない乗車姿勢を実現した。横方向にも30mm拡大され、ゆったりとした雰囲気。

5人乗り仕様の2列シート車も用意される。内装色はグレーとベージュがあり、上級モデルには本革仕様が標準装備される。

ラゲッジスペースはとても広く、大きなアウトドア用品なども余裕で積み込める。アレンジも豊富で使い勝手はとてもいい。

悪路の走破性とオンロードの快適性、どっちも兼ね備えるのが「プラド」のプライド!

 エンジンは4リッターV6と2.7リッターの直4が搭載されるのは先代モデルと共通だ。どちらを選んでも2トン以上ある車重をものともせず、力強い走りが味わえる。低い回転から太いトルクを生み出す味付けがなされ、街中はもちろんオフロードでも非常に扱いやすい特性が与えられている。

 組み合わされるミッションは4リッターがマニュアルモード付きの5速AT、2.7リッターは4速ATとなっている。どちらもトルセンLSD付きトランスファー付きの4WDシステムを採用し、悪路での走破性を高めているほか、4リッター車には下り坂で車速を調整してくれるダウンヒルアシストコントロールと上り坂での発進をサポートするヒルスタートアシストコントロール機能も搭載している。
 足まわりはランドクルーザー200にも採用されているKDSSを上級グレードに標準装備している。これは前後のスタビライザーを油圧システムで結び、走り方や路面状況に合わせて最適に制御するシステムだ。これにより、本来は相反する市街地での快適性とオフロードでの走破性を高いレベルで両立させている。さらに最上級モデルのTZ-Gはリヤにエアサスを採用し、より快適性を高めている。
 新型ランドクルーザー プラドは安全性にも優れている。プリクラッシュセーフティこそオプションだが、横滑り防止装置のVSCやトラクションコントロール、そしてABSはもちろん全車に標準装備。また運転席のニーエアバッグを含め7つのエアバッグも標準だ。さらにHDDナビ装着車には前後とサイドのモニターも装備し、ブレーキ制御付きのレーダークルーズコントロールも装着される。
 気になる価格は、「TX(5人乗り)」の315.0万円〜「TZ-G」の475.0万円となっている。

4リッターV6エンジンはトルクこそ従来と変わらないが、パワーは30馬力近くアップした。またフリクションロスの低減などにより、燃費も向上させている。

2.7リッターの直4エンジンはパワーやトルクなど、スペックの数値こそ変わらないが、オフロードから市街地まで扱いやすい特性が与えられている。

トルセンLSD付きトランスファーの切り替えスイッチ。また砂地や泥濘路、そして急な坂などでステアリング操作に集中できるクロールコントロールも装備する。

ランクル200にも採用された「KDSS」(Kinetic Dynamic Suspension System)だが、油圧回路に電気式ソレノイドバルブ内蔵のアキュムレーターを採用し衝撃吸収性を進化。さらに乗り心地がアップした。

定員分のELR付3点式シートベルトとヘッドレストを採用したサードシートは、薄型設計でフロアへ格納し荷室の拡大することも可能だ。なお室内・バックドア側それぞれから格納・着座操作することが出来る。

4:2:4分割式シートバックを持つセカンドシートはシートスライド機構付きだ。また7人乗り車はサードシートへのアクセスを助けるウォークイン機構を、5人乗り車はダブルフォールディング機構をそれぞれ採用する。

代表グレード トヨタ 新型 ランドクルーザー プラド TX Lパッケージ(2.7リッター)
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4760×1885×1850mm
車両重量[kg]2090kg
総排気量[cc]2693cc
最高出力[ps(kw)/rpm]163ps(120kw)/5200rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]25.1kg-m(246N・m)/3800rpm
ミッション4速AT
10・15モード燃焼[km/l]8.8km/l
定員[人]7人
税込価格[万円]374.0万円
発売日2009/9/14
レポートCORISM編集部
写真近藤暁史/トヨタ自動車