スバル　新型レガシィB4

善戦してる新型レガシィの立ち上がり需要、そのワケとは

新型レガシィ＆アウトバック

　新型レガシィの初期受注状況が発表された。受注台数は7018台と、月間販売目標である3千台の2倍以上。昨今の厳しい状況を考えれば超好調なスタートを切ったように思う。果たして今後も売れ続けるだろうか？ 新型レガシィの○と×を考えてみたい。

※参照：新型 レガシィ、発売1ヶ月で目標の2倍を受注！[CORISM]

「広い！ ハンドリングだって従来以上に“いいっ！”」新型レガシィのここがマル！

スバル　新型　アウトバック　フロントマスク画像

○：最大の魅力は従来までのレガシィより大幅に車格感が上がった点にある。これまでのレガシィを見ると、日本市場にこだわったきたため、Ｄセグメント（アコードやＶＷパサート、プジョー407のクラス）のライバルと比べ二回りくらい小さかった。
スバルにとって最大の稼ぎ頭であるアメリカ市場で「小さ過ぎる」という声が多く出ており、レガシィのサイズアップは海外市場から強くリクエストされていたようだ。新しいレガシィを見ると、ライバルと並べても全く見劣りしない車格感になってます。
特に「広くなりましたね！」がリアシート。大柄な成人男性すら余裕で座れる広さを持つ。同時にエンジンも2.5リッターとなり、低い回転域から太いトルクを出す。それでいて車重は2〜3%しか重くなっていないのだからタイしたもんです。
足回りだって素晴らしい！ ハンドリングは従来型レガシィより向上。ワインディングロードを走った時の気持ち良さときたら、日本車トップだと言い切ってしまいたい。加えてビルシュタイン製のショックアブソーバーじゃない標準仕様の乗り心地まで上質。

「時代の空気に逆らう、ちょっと”KY”な大型化。でも・・・」なんだか悩ましい、新型レガシィのここがバツ！

スバル　新型　レガシィ　ツーリングワゴン　リアビュー

×：世の中の流れを見ると「大型化」というより「最適化」。これまでレガシィを支持してきた多くのユーザーが望んでいたのは「山椒は小粒でもぴりりと辛い」という新型車だったんだと思う。実際、燃費を改善することも出来ず。
　従来型と同じサイズと2リッターエンジンのまま軽量化＆CVTの採用に代表される効率化を行い、アイドルストップなど加えていたら、20%以上の実用燃費向上が可能だったかも。燃費良くしなければ国際公約となっている二酸化炭素の排出量削減は不可能です。
　何より価格が上がってしまった。2.5リッターエンジンを搭載する従来型と同等に設定したと言うけれど、2リッターモデルより30〜40万円高い。昨今の経済状況を考えると、事実上の値上げは厳しいんじゃなかろうか。
　一昔前なら「高級化」や「大型化」は「魅力的なこと」だったかもしれない。こうやって原稿を書いていても「良くなって何が悪いんだ？」と問う、もう一人の自分が居たりして。このあたり、理屈じゃないのかもしれません。皆さんの考え方次第かと。

　3ヶ月後も好調な販売台数をキープ出来たら、レガシィのフルモデルチェンジは大成功だと思う。同時にスバルのブランドイメージの高さに敬意を表す。ECOより高級化を望む「太いユーザー層」をキッチリ掴めたということです。

達人プロフィール： 国沢光宏
職業：自動車評論家
歯に衣を着せぬ原稿で、なにかと話題の自動車評論家。歯切れの良い文章も分かりやすく、多くのファンをもつ。カートップやベストカーなど、多数の自動車雑誌に寄稿するだけでなくＷＲＣなどのＴＶ解説まで幅広い活動を行なっている。
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新型 レガシィ、発売1ヶ月で目標の2倍を受注！

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