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221616 編集部

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ビッグマイナーチェンジ実施! 2列シート車も登場

 元祖、トヨタ対ホンダというか、トヨタのホンダ潰しといったらいいのだろうか、新型へとスイッチしたトヨタのウィッシュに対抗すべく、今度はホンダがストリームをマイナーチェンジした。その内容はエンジン&ミッションは従来通りで、1.8リッター+5AT/2リッター+CVTの2本立て。となると、単純なデザイン変更&装備充実による、よくあるマイナーチェンジと思うかもしれないが、そうではない。

ホンダ 新型ストリーム RSZ

走りを重視したRSZは、引き続き設定される。フロントグリルや前後のランプ、そして17インチホイールなどのデザインが変更されている。また2列シートのRSTと同じ外装を持つSパッケージも用意。

2列シートのRSTは走りも装備も別格

というわけで、細かく見ていくと、まず最大のトピックスは、新たに追加されたRSTというグレード。これは3列目を廃止した2列シート仕様で、広大なラゲッジがまずは特徴だ。ミディアムクラスだけに、パッケージングに余裕はなく、さらに走りを重視したモデルとなれば、3列目を思い切ってなくすのは手ではある。実際の使用上も3列シートはあまり使わないというオーナーは多いだろうし。
 しかし、ホンダはこのRSTをただの実用性アップグレードと考えていない。ホンダらしく、スポーツグレードとして捉えているのだ。要は3列目がなくなって軽量化がなされているという論法なのだが、足回りを専用チューニングして、ハンドリング性能をアップ。特徴的なボリュームたっぷりのバンパーなどのデザインはRSZをベースとしつつ、グリルをさらにブラックアウト。リヤには大きなスポイラーが付いたり、新デザインの17インチホイールなどを装着し、内装には赤ステッチが施されるなど、本気度はかなりのレベルで別格の雰囲気である。
 その分、元々のスポーツグレードであるRSZの立ち位置が曖昧になった感は否めない。こちらも各ディテールのデザイン変更を実施したり、ステアリングやシフトを本革巻きにしたりしてはいるが、RSTのエクステリアになるSパッケージが用意されていることから見ても立場逆転でどうも微妙な感じだ。バイヤーズとしては、ミニバンにスポーティな走りを求めるならば、RSTがまずはオススメ。「3列シートじゃなきゃダメ」という場合でも、パッケージSを選んだほうが満足度は高いだろう。

ホンダ 新型ストリーム RST

今回のマイナーチェンジで新たに設定された2列シートのRST。3列目シートを廃止して軽量化することで、優れた加速性能を実現。また足まわりも専用とすることでリニアなハンドリングも楽しめる。内外装のデザインも専用アイテムが奢られ、スポーティな雰囲気を重視した。

安全装備を充実させたグレードのGiも追加登場

とはいえ、2列シート仕様はまずは実用グレードに設定したほうがよかった気はする。ただし、最近の販売データを見ても、ウィッシュともどもかなり沈み気味ではあるから、ならば、走りに大きく振ったほうが個性を立たせられるという判断なのだろうか。
 そして地味ながら、RSTの追加と並ぶトピックスをもうひとつ。安全装備の点で、ホンダはトヨタに対する遅れが指摘されがちだが、横滑りを防止するVSAやサイドエアバッグが標準で付く、安全重視グレードといっていいGiも追加登場。2リッターグレードのベーシック的な位置づけながら、価格はストリームのなかで一番高いのは気になるけど、設計が古い分、なんとか頑張ったという感じではある。

ホンダ 新型ストリーム Gi

VSA(横滑り防止装置)やサイドエアバッグなどを標準装備し、安全性を重視したのがこのGiだ。1.8リッターの設定はなく2リッターのみのグレードだ。

代表グレード ホンダ ストリーム 1.8RST
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4570×1695×1545mm
車両重量[kg] 1370kg
総排気量[cc] 1799cc
最高出力[ps(kw)/rpm] 140ps(103kw)/6300rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 17.7kg-m(174N・m)/4300rpm
ミッション 5速AT
10・15モード燃焼[km/l] 14.6km/l
定員[人] 5人
税込価格[万円] 212.0万円
発売日 2009/6/18
レポート CORISM編集部
写真 近藤暁史