ホンダ アコード ツアラー
車格を1ランク以上アップ
高級車の風格すら漂う
セダン&ワゴン離れで日本では少々元気のないアコードだが、世界的には大ヒットモデルといってよく、累計1600万台を販売したというから凄い。それだけに、8代目となる現行型は欧州テイストを前面に押し出した味付けで、どこか輸入車のような雰囲気を醸し出している。 まずはそのデザイン。クオリティのアップを掲げて登場してきただけに、存在感はかなりもので、プレミアム感すら漂うほど。とくに今回登場したワゴンに関しては、大胆なハイデッキスタイルを採用。リヤのもっさり感は皆無。正式車名もワゴンからツアラーへと変更になったことにおいても、ヨーロッパ車のようにどこまでも高速巡航を続けていけるようなキャラクターへとスイッチさせようというホンダの意図が感じ取れる。 ただしサイズ的にも"日本サイズ"から脱却し、ひと回り以上は大きくなってしまった。反対サイドの見切りなど、小柄な女性だとかなり苦労するほどだ。もちろんボディサイズ拡大はラゲッジ容量の確保には貢献しており、通常で406リッター。最大で660リッターと立派な数値が自慢だ。 搭載されるエンジンも拡大傾向に。2リッターが廃止されて、2.4リッターのみに。206psという十分すぎるスペックを誇るが、i-VTECを採用することで、環境性能にも配慮しているのが特徴だ。ただし、組み合わされるミッションは5速ATのみで、全グレードでパドルシフト付きとはいえ、最近の流れで考えると6速を搭載してもよかったのではないだろうか。
[エコ&燃費] 排出ガスで4つ星を獲得しているものの、燃費基準は+5%というのは少々残念なところ。数値的にも10・15モードで11.4km/Lと、アテンザと比べても遜色は明らか。ATは6速にして欲しかった。
[安全性能] オデッセイで採用された細いAピラーで前方斜めの視界を確保。横滑りを防止するVSAや操舵力をアシストし、挙動を安定させるモーションアダプティブEPS、サイドエアバッグなどが標準装備になっている点に注目だ。
[取材時実測燃費] 8.9km/L
[アコード ツアラー価格帯] 295.0〜410.0万円 |
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マツダ アテンザ スポーツワゴン
スポーティな味付けが随所に
マツダが放つ、世界的ヒット作
マツダのラインナップのなかでもMクラスを担当するのが、アテンザだ。先代から国内外での評価は高く、各国で数々の賞を受賞している世界戦略モデルと言っていい。2代目となる現行型はセダン/ハッチバック、そしてワゴンと、初代譲りの3タイプのボディ形状が用意されている。ハッチバックはスポーツと呼ばれ、ワゴンもスポーツワゴンというように、スポーティな味付けもアテンザの身上である。 走りに関しても、スポーツにこだわり、先代では他社に先駆けてテスト車両にGPSを付けて挙動の変化を読み取るなど、並々ならぬ努力がされてきたのはマツダらしい点。 さらに2代目ではそのエッセンスを昇華させ、「最高の高速ロングツアラー」というコンセプトを掲げ、まさに自信満々だ。ただし完全に欧州を意識したコンセプトで、日本の道路事情を考えると少々違和感があるのも事実ではある。 搭載されるエンジンは2リッターと2.5リッターの2タイプを用意。ミッションもFFは5速ATだが、4WDは6速ATをぜいたくにも搭載するというマツダお得意の手法が採られているだけでなく、今や貴重な6速MTの設定があるのもうれしいところだ。 デザインについては、複雑かつシャープなラインや独特の塊感は和のテイストからインスピレーションされたもので、アテンザらしさを大胆にアピールしている。インテリアに関しては、インパネまわりの質感やシート素材など、こちらは大胆というよりもしっとりとした雰囲気を重視したまとめがなされている。
[エコ&燃費] 先代の2.3リッターから2.5リッターへとアップさせつつ、レギュラー仕様へと変更。それでいて数値的には変らないのだから、実質向上しているといっていい。さらに高張力鋼板を高い割合で使用することで軽量化を推進し、省燃費にもひと役買っている。
[安全性能] 2.5リッターモデルには横滑り防止のDSCが標準装備される。さらに後方からの車両接近を関知警告する「リアビークルモニタリングシステム」も2〜2.5リッタークラスのワゴンとしては初めて一部のグレードにオプション採用する。
[取材時実測燃費] 9.3km/L
[アテンザ スポーツワゴン価格帯] 220.0〜267.0万円 |