高級カルナバワックスの代名詞として、世界中で愛用されるブランド、Zymöl(ザイモール)。今回は、「カーワックスの達人」外川信太郎が、カルナバ含有率51%を誇るザイモール「チタニウム」の成分や使い方について詳しく解説。また、実際に使用しての効果、初心者におすすめできるワックスかについてもレポートしました。
- この記事の目次 CONTENTS
- 1.世界中で愛用される高級カルナバワックスの代名詞、ザイモール
- 2.塗り込みは指先が好ましいがスポンジでも塗布可能
- 3.拭き取り作業は2回に分けて、念入りに
- 4.丁寧な作業がコツ!「チタニウム」の使用方法
- 5.「チタニウム」を使って愛車を磨きあげた結果・・・
- 6.ザイモール「チタニウム」価格
- 7.カルナバワックス特集バックナンバー
1.世界中で愛用される高級カルナバワックスの代名詞、ザイモール
ザイモールといえば、高級カルナバワックスの代名詞として、世界中のモーターショーやコンクールド・エレガンスといった場で、マストアイテムとして愛用されるブランド。
全ての製品は純植物性であり、一切の化学薬品を含有していないというのも特徴の一つです。
艶出しワックスで塗装面は保護できない?
洗車マニア達は口を揃えてこんな事を言います。
「ザイモールのようなワックスはどうせ艶出し専用でしょ?」、「一般ユーザーは、塗装面の保護性能も必要なんだ!」と。
では、このザイモール、本当に艶出し専用なのでしょうか?
その答えはNOです。
美しい艶を醸し出すワックス=塗装面保護にも長けている
美しい艶を出す最重要成分はカルナバ蝋。
そんなカルナバ蝋には、品質によって1号から3号まで分類され、ザイモールはカルナバ1号を使用しています。
品質の高いカルナバ蝋は、塗装面に透明で強固な皮膜を形成します。
そのため、ザイモールに限らず、美しい艶を醸し出すワックス=塗装面保護にも長けていると言えるでしょう。
カルナバ含有率はパッケージ中51%を誇る「チタニウム」
今回ご紹介する「チタニウム」は、容器中の半分以上がカルナバ蝋という世界でも稀なワックス。
一般的にカルナバ蝋の含有率が高まるほど強固な皮膜が形成できます。
しかし、その分ワックスそのものが固くなり作業性が低下します。
常用ワックスとして使いこなせるか、試してみた
ザイモールのラインナップでミディアムクラスに属しながらも、常にベストセラーの「チタニウム」。
さて、庶民のワタクシが常用ワックスとして使いこなせるのか。
ぬくぬくのガレージの中ではなく、寒風吹きすさむ洗車場にて、テストを敢行してみました。
2.塗り込みは指先が好ましいがスポンジでも塗布可能
耐久性に優れたポリカーボネイトのパッケージを開けると、シロップのような甘い香りが漂います。
やはり、カルナバ含有率51%、寒さも相まって、ワックス表面は石鹸のように固いのデス・・・。
これで塗装面に塗りこめるのか不安になってきました。
溶けた状態のチタニウムをボディに塗りこむ
一通り洗車を済ませ、塗装面に残った水分を拭き取ったあと、塗布作業に取りかかります。
まずは、ザイモールが推奨する塗布方法、指先を使って塗布していきます。
「チタニウム」の表面に指先をあて軽く擦ると、石鹸のように固かったものが次第に溶け始め、ねっとりとまとわり付いてきます。
すぐさま「チタニウム」が固まらないうちに、塗装面に刷り込むように塗布。
この“儀式”のような手法は正直、骨が折れます。
外気温度が15度以上でスムーズに作業ができる
一般的な固形カルナバワックスのようにスポンジを使った塗布も可能ですが、ワックスがなかなか馴染んできません。
それでも、スポンジを湿らせ何度かこすれば擦り取ることもできますが、作業性は決してよいものではありません。
しかし、外気温度が15度以上であれば問題なく作業できるという事なので、作業性もよくなりそうです。
3.拭き取り作業は2回に分けて、念入りに
さすがに51%ものカルナバ蝋を含有する「チタニウム」だけあり、塗装面に塗布するとすぐさま硬化を始めます。
(カルナバ蝋は空気に触れると硬化する特性があります。)
そのため、拭き取りは“生乾き”の状態が必須といえます。
さらに艶を出す場合は日なたで焼き付けを
作業は、2回に分けて行います。
最初は余剰成分をサッと拭き、仕上げは塗装に定着させるため、丁寧に拭き上げます。
さらに艶を出したいのなら、クルマを日なたに移動し、2~3時間そのまま焼き付けを行います。
最後に軽く磨き上げれば完璧です。
4.丁寧な作業がコツ!「チタニウム」の使用方法
ザイモール「チタニウム」の塗布から拭きあげ方法までをご紹介します。
①通常の洗車後、塗装面に残った水分を完全に拭き取ります。
②体温でワックスの表面を溶かし、指先に適量取り、伸ばします。
③スポンジでの塗布も可能です。
その際は、水分を含ませ、固く絞るのが理想となっています。
④拭きあげはパネルごとに作業を行います。
まずは、サッと素早く拭きあげます。
⑤ネル地を換えて、丹念に仕上げ磨きを行います。
粉の発生は皆無です。
5.「チタニウム」を使って愛車を磨きあげた結果・・・
水洗いから始め、指先を使った塗布、そして最低2回以上の拭き上げを行い、ここまでに数時間を要しました。
確かに、誰にでもおすすめできるワックスではありません。
透明感、硬質感のある仕上がりに
高級カルナバワックスの数十倍ものカルナバ蝋を含有する「チタニウム」。
その艶は、石油系溶剤や化学成分でごまかしたものとは違い、高濃度カルナバ皮膜だけが再現できる透明感、硬質感のあるものです。
ガラスのようなシャープな艶を持続
形成される強固な皮膜は、簡単に塗装面から剥がれ落ちることはありません。
「チタニウム」塗布後、3回の降雨、2回の降雪がありました。
そして、積雪路での走行を繰り返し、シャンプー洗車も行いました。
それでも、撥水性能は一向に衰えることがなく、シャープな艶も施工直後と変わりません。
まさに天然素材のコーティング剤といえます。
時間を要する分、喜びもひとしお
「チタニウム」を施工するには、スケジュール表に予定を書き込む必要があります。
しかし、仕上げた時は何物にもかえられないほどの喜びがありました。
6.ザイモール「チタニウム」価格
ザイモール「チタニウム」の価格は以下の通り。
- ザイモール「チタニウム」価格:13,650円
7.カルナバワックス特集バックナンバー
達人コダワリの、カルナバワックス特集バックナンバーはこちらから。