初代のDNAを引き継ぎ、さらにプレミアムSUVへと進化した
斬新なデザインで話題を呼んだSUV「日産 ムラーノ」の日本デビューから、この9月で丸4年が経過した。初代ムラーノのデザイン鮮度は今だに落ちてはいないのだが、日産は早くもこのタイミングでフルモデルチェンジを実施する。9月29日、東京・東銀座の日産本社ギャラリーにて記者発表が行われたのでさっそくレポートしよう。
もともと初代ムラーノのデビューは02年のこと。当初は北米専用車として登場し、好評を持って受け入れられた。その後世界各国からの要望を受け、最終的には80ヶ国を超える国で発売されるまでに至っている。ちなみに日本では、04年9月からの投入だった。
新型ムラーノは、世界で受け入れられた初代モデルのDNAを受け継ぎ、さらにプレミアムSUVとしての進化を目指した。既に今年1月より北米市場で発売を開始しており、世界でおよそ170ヶ国での発売を予定しているというから凄い。重要な世界戦略車へと進化した新型ムラーノのアピールポイントは3つ。一つ目は「モダンアートデザイン」。二つ目が「プレミアムドライビング」。そして三つ目が「スイートルーム」だ。新型のチーフ・プロダクト・スペシャリスト(開発責任者)岩本 洋一氏は「初代が培った独自のポジションを基に、その存在感をさらに確固たるモノにしてゆくことが出来るクルマに仕上がった」と新型ムラーノの仕上がりに胸を張る。
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日産 NEW ムラーノ エクステリア
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日産 NEW ムラーノ リアビュー
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日産 NEW ムラーノ フロントマスク
匠の技!「現代の名工」が生み出す日産プレミアムカー
発表会の会場では、新型ムラーノのエクステリアデザインを決定する際のクレイモデルが展示されていた。クレイとは工業用のネンドのこと。平面で描いたイメージスケッチを、具体的な3次元の立体物として検討する際に用いる。その際に鍵を握るのが「クレイモデラー」だ。デザインから設計に至るまで、ほとんどの工程でコンピュータ化・機械化が進む中、このクレイモデルの最終的な仕上げだけは人の手によって微調整される。それだけ繊細で、数値では表しにくい感性の領域での作業となる。
厚生労働省が、卓越した技能者を表彰する「現代の名工」という認定制度があるが、日産ではクレイモデラーの木村 誠 氏がこの「現代の名工」に選ばれている。新型 ムラーノはプレミアムなモデルとして販売されるモデルだけに、その仕上げには気の遠くなるような作業が必要とされたというが、実際にこの木村モデラーがムラーノのデザイン開発にも携わったという。新型ムラーノのTVCMでは、名工の技を駆使し丹精込めて造られた製作工程を再現。「感性を刺激する、優美でプレミアムなデザイン」を訴求する。
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日産 新型 ムラーノのデザイン検討用クレイモデル(1/4サイズ)
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新型 ムラーノ リア周り
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クルマのデザイナーが登場する番組やCMなどは数あれど、クレイモデラーにスポットが当たることは珍しい。平面のスケッチだけでは絶対に表現しきれない部分を、クレイモデラーの匠の技で仕上げること。立体物である自動車のデザインには、これが非常な大事な工程であることは意外と知られていない事実だ。今回日産ではムラーノの登場を機に、日産車が「匠の手によって作られる」ことを表す共通価値「NISSAN Premium Factory」の展開を始める。日産のプレミアムカー「スカイラインクーペ」「フーガ」「エルグランド」、そして「新型ムラーノ」の4台がラインナップされ、今後TVCMやWebなどのプロモーションで紹介されてゆく。また、年内12月に発売予定の新型「フェアレディZ」についてもこのNISSAN Premium Factoryの展開に加えられる予定であることが明らかにされた。
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新型ムラーノのTVCMより。厚生労働省が認定する「現代の名工」に選ばれた日産自動車 デザイン本部 デザイン リアライゼーション部のクレイモデラー木村 誠 氏が出演する異例のCMだ。
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木村氏は「止まっていても、いかにも走りそうなイメージを頭の中に浮かべながら削る。息吹を与える。それが人の手だと思うんですよね」と、新型ムラーノのモデリングについて静かに語る(CMより)。
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こちらが実際の新型 ムラーノのフード部分。塗装面への映り込みで、複雑な面構成であることが判る。「現代の匠」木村氏が削り出した新しいプレミアムカーであることを前面に打ち出したTVCMで「NISSAN Premium Factory」を訴求する。
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日産 NEW ムラーノ フロントマスク