ダイハツ 新型軽自動車 「ムーヴ コンテ」 エクステリア

ガリバーズEYE

ユーザ視点に立ったガリバー独自の「安全基準」「環境・燃費基準」「経済性」という新たな評価軸を用いてクルマを評価いたします。

ムーヴを名乗りながら、全く新たなモデルとして登場

 ダイハツは8月25日、新型軽自動車「ムーヴ コンテ」を発表した。その名が表すように、ダイハツを代表する軽自動車「ムーヴ」(06年秋にフルモデルチェンジを実施)の派生モデルだ。ただし新プラットホームに低燃費の新エンジン・CVTを搭載する基本構成は同じながら、ムーヴ コンテは全く新たなモデルとして再構築されている。その差は見た目にも明らかで、ベース車が先進的なモノフォルムなのに対し、ムーヴ コンテではシンプルでモダンなスクエアスタイルとした。
 開発テーマは「自分らしくいられる”居心地のよさ”」だ。四角いフォルムのメリットを生かし、ベース車以上の広々した室内空間を確保。さらにソファー風のフロントベンチシートで居心地のよさを追求する。ターゲットは、こだわりが強いイマドキの若者層。主に2,30代の女性層をターゲットとした「ムーヴコンテ」に加え、20代男性ユーザー層向けに、押しの強いエアロをまとったダイハツお得意のカスタムシリーズ「ムーヴ コンテ カスタム」も用意し、幅広いニーズに応える。

ダイハツ 新型 ムーヴ コンテ エクステリア(新型車発表会場にて)
ダイハツ 新型 ムーヴ コンテ(ボディカラー:ミストブルーマイカメタリック) エクステリア
新型 ムーヴ コンテ専用の新色、ミストブルーマイカメタリック。乳白色にブルーを溶け込ませたような、独特のやわらかい色調が特長だ。
ダイハツ 新型 ムーヴ コンテ カスタム(ボディカラー:アーバンナイトブルークリスタルメタリック) エクステリア
写真のボディカラーはカスタム専用の新色、アーバンナイトブルークリスタルメタリック。ハイライト部に赤みを帯びた色合いが走るミステリアスなカラー。
ダイハツ 新型 ムーヴ コンテ カスタムRS リアビュー
ムーヴ コンテ カスタムのリアビュー。クリアテールやリアスポイラー、エアロなどでスポーティなテイストを加え迫力と押出し感を与えた。

『あの』クルマとは違う、オシャレなスクエアフォルム

 思えばベースの「ムーヴ」も、先代モデルまではスクエアスタイルだった。老若男女に受け入れられるシンプルな道具感。これこそが最大の魅力だった。ただしこれは、日本一売れている最大のライバル「スズキ ワゴンR」のコンセプトに追従した結果でもある。しかし06年秋のフルモデルチェンジでイメージを一新。アッと驚く先進的なフォルムをまとって大いに注目を集めた。ユーザーのウケも上々で、着実にワゴンRの牙城を崩しつつある現状だ。

先代のダイハツ ムーヴカスタム
先代の「ダイハツ ムーヴ(写真はムーヴカスタム)」はスクエアフォルムが特長だった。
最大のライバル!スズキ ワゴンR
最大のライバルである「スズキ ワゴンR」。こちらも間もなくフルモデルチェンジとのウワサだ。
そしてこちらが最新型のダイハツ ムーヴ(現行型)
そしてこちらが最新型の「ダイハツ ムーヴ」(現行型)。先代とはガラッとイメージを変えている。

 いっぽうでこの四角い軽自動車「ムーヴ コンテ」が、イメージを一新したムーヴに対する保険なのかというと、これがちょっと違うようだ。デザインのコンセプトは「スクエアプラス」。シンプルな四角をベースにしながらも丁寧な面取り処理を実施。シンプルなのにオシャレに見える、モダンな印象を与えることに成功した。あくまでも『シンプル一直線!』なワゴンRとの大きな違いであり、ムーヴ コンテのウリとなるポイント。ちょっと「日産 キューブ」を想起させるのは、デザインやコンセプトの狙いどころが近いせいだろう。
 さらに近年ダイハツ車のお約束バリエーション、エアロフォルムをまとった「ムーヴ コンテ カスタム」では、『このテがあったか!』と驚かされる丸と四角を組み合わせた縦型2灯の異形ヘッドライトが印象的だ。フロントのメッキモールやクリアテールと併せて、カスタムシリーズらしい妖しい雰囲気を漂わす。

ダイハツ 新型 ムーヴ コンテ カスタムのエクステリア(ダイハツ新型車発表会会場にて)
新型 ムーヴ コンテ X-Limited パッケージング(イメージ)
ボディサイズ(全長x全幅x全高)は3395x1475x1645mm。一部のタワーパーキングなど高さ制限のある駐車場には入れることが出来ないが、その分ゆったりしたスペースと伸びやかなスタイリングが完成した。
ムーヴ コンテ カスタム RSのスタイリング
ムーヴ コンテ カスタムのスタイリング。このテがあったか!の縦型異形2灯ヘッドランプが異彩を放つ。メッキとスモークアクリル仕上げのグリルやワイドなフォグなどで迫力も満点だ!
新型 ムーヴ コンテ(ボディカラー:ライトローズマイカメタリック)
ナチュラルカラー中心のムーヴ コンテ、存在感と迫力を主張するモダンなカラー中心のムーヴ コンテ カスタム、各9色のボディカラーを設定する(写真はムーヴ コンテのライトローズマイカメタリック)。

ソファーのようなシートはフランス人女性デザイナーの作

 開発テーマに掲げられた「自分らしくいられる”居心地のよさ”」の真骨頂は、やはりインテリアの仕立てだ。フランス人女性デザイナーがデザインしたという「プレミアムソファーシート」はその名の通りソファー風で、掛け心地にもこだわった。また軽唯一のメモリー機構付き運転席パワースライドも採用する贅沢ぶり。ウォームグレーのシート地に赤いパイピングを組み合わせ、さらにインパネやドアの一部に差し色として赤いアクセントカラーを加えた「アクセントカラードラインインテリア」のコーディネイトで、オシャレで個性的な印象を与える。

ムーヴ コンテのインテリア
ムーヴ コンテはウォームグレーのシート地に赤いパイピングを組み合わせ、赤いアクセントカラーを加えた「アクセントカラードラインインテリア」を採用。オプションでブラック系のインテリアも選択出来る。
ムーヴ コンテの「プレミアムソファシート」
フランス人女性デザイナーが手がけたという「プレミアムソファシート」。その名の通り、ソファのような掛け心地が自慢。立ち気味なフロントウィンドウに加え、室内高も1350mmと圧倒的なスペースを確保する。
インパネ
外観にイメージを合わせたという水平基調のインパネは、派手さや奇抜さはないシンプルなもので、むしろ好印象。赤のアクセントカラーがワンポイントになっている。質感の高さも近年ダイハツ車共通の美点だ。

 さらにシート地・グレー+アクセントカラー・シルバー&ブラックの「ブラックインテリアパック」も21,000円のメーカーオプションで用意されるほか、ディーラーオプションでは多彩なアクセントカラー+シートカバーでトータルコーディネイトを図った「インパネ&ドアトリムセット」も複数設定されるなど、こだわりの強いユーザー層に向けた選択肢も多数用意されている。
 いっぽう、ブラック内装色を基本に精悍なシルバーのアクセントカラードラインと組み合わせたムーヴ コンテ カスタムのインテリアも、なかなかモダンだ。圧巻なのは「インパネミスティックイルミネーション」。インパネのアクセントカラーがグラデーションで妖しく発光する!

ムーヴ コンテ カスタムのインパネ周り
ムーヴ コンテ カスタムのインパネ周り。「ムーヴ コンテ」とは一転、ブラック基調のインテリアを採用する。アクセントカラーのシルバー加飾がクールなイメージを強調する。
妖しく光るムーヴ コンテ カスタムの「インパネミスティックイルミネーション」
ムーヴ コンテ カスタム専用の「インパネミスティックイルミネーション」。インパネのアクセントカラー部が、グラデーションで妖しく発光するのだ。カスタムRSに標準装備される。
ムーヴ コンテ カスタムのシートはブラック内装色を基本に精悍なシルバーのアクセントカラードラインと組み合わせられる
「プレミアムソファシート」は異なる素材を凝った縫製で組み合わせたり、シルバーのアクセントカラーを採用するなど、他の軽自動車とは一味違う細部に渡った演出が魅力だ。
ムーヴ コンテ カスタムのインテリア
2490mmのロングホイールベースにより2000mmの室内長を確保し、オトナ4人がゆったり過ごせる室内。左右分割のリクライニング機能により、ロングソファーモード(前席フルフラット)など多彩なシートアレンジも可能だ。
パワーエントリースイッチ
なんと、軽自動車唯一の運転席パワーエントリーシートを採用する(写真はインパネ下の「パワーエントリースイッチ」)。降車用のバックスイッチ(80mmの後方スライド)まで装備される贅沢ぶりに驚かされる。
パワーシートスライドスイッチ
パワーシートスライドスイッチは運転席シート下。乗車時にはあらかじめ設定した「マイポジションスイッチ」を押すとシート位置を合わせてくれる。もちろんエンジンオフでもスライド機能は作動可能だ。

エンジンラインナップは2タイプ

 エンジンラインナップはシンプルな2タイプ。ムーヴでお馴染み660cc「KF-VE」型3気筒DOHC DVVTノンターボエンジンは最高出力58ps(43kW)/7200rpm、最大トルク6.6kg-m(65N・m)/4000rpmと十分な性能を発揮する。CVT(無段変速機)との組み合わせで10.15モード燃費23.0km/L(CVT・2WDモデル)の驚異的な低燃費を実現し、平成22年燃費基準+25%を達成。ダイハツ自慢のスーパーインテリジェント触媒に代表される先進の触媒技術により低排出ガス車認定も達成し、併せてグリーン税制にも適合する。ただし一部グレードでは4速ATとの組み合わせとなりこちらは適合外となる。
 これに加えムーヴ コンテ カスタムの最上級モデル「RS」のみ、最高出力64ps(47kW)/6000rpm、最大トルク10.5kg-m(103N・m)/3000rpmをマークする高性能な「KF-DET」型3気筒DOHC DVVTターボエンジンを搭載。ハイパワーでありながらも10.15モード燃費21.5km/Lを達成している。

ムーヴ コンテ カスタムの最上級モデル「RS」のみ搭載される「KF-DET」型3気筒DOHC DVVTターボエンジン
ムーヴ コンテ カスタムの最上級モデル「RS」のみ搭載される「KF-DET」型3気筒DOHC DVVTターボエンジン。最高出力64ps(47kW)/6000rpm、最大トルク10.5kg-m(103N・m)/3000rpmの高性能をマークする(※写真はムーヴカスタム用)
ムーヴ コンテ」「ムーヴ コンテ カスタム」に搭載される「KF-VE」型3気筒DOHC DVVTノンターボエンジン
ベーシックな660cc「KF-VE」型3気筒DOHC DVVTノンターボエンジンは最高出力58ps(43kW)/7200rpm、最大トルク6.6kg-m(65N・m)/4000rpm。CVTとの組み合わせで10.15モード燃費23.0km/Lを達成する。(※写真はムーヴカスタム用)
衝突安全ボディ「TAF(タフ)」
国内や欧州の安全基準を達成するほか「クルマ対クルマ」(しかも自車より大きい「クラウン」クラス)との正面・側面衝突実験を行うなど、徹底した安全対策が採られ設計されたダイハツの新骨格構造衝突安全ボディ「TAF(タフ)」。

目指すは打倒「ワゴンR」!

 ムーヴ コンテは、先に記載したように「KF-VE」型ノンターボエンジンのみのラインナップ。4速ATが搭載されるベーシックな「L」、装備を充実させた「L Limited」に、CVTが搭載される「X」と、14インチアルミ付きの最上級モデル「X Limited」の、計4グレード展開となり、それぞれ2WDと4WDが用意される。例によって、ベーシックな(しかし、おそらく最量販グレードとなるはずの)4速AT搭載の2グレードでは相変わらずABSがオプション設定(31,500円高)となる点は非常に残念(価格は全て消費税込み、以下同)。毎回記述するのも空しくなるが、ABSくらいは全車に標準装備してほしいところだ。繰り返しになるが、現時点でこの2グレードを買うなら、注文時にはABSの装着を忘れぬように注意したい。価格は「L」2WD 1,039,000円から「X Limited」4WD 1,401,750円まで。
 いっぽうムーヴ コンテ カスタムはノンターボエンジン+CVT搭載の「カスタムX」と、「KF-DET」型ターボエンジン+CVT搭載の「カスタムRS」の2グレードを設定。こちらもそれぞれ2WDと4WDが用意される。価格は「カスタムX」2WD 1,333,500円から「カスタムRS」4WD 1,674,750円まで。
 ムーヴ、ムーヴカスタム、ムーヴラテに続く「ムーヴ」ブランドの更なる拡大で、打倒「ワゴンR」を目指す!

ダイハツ 新型 ムーヴ コンテ カスタムリアビュー(ダイハツ新型車発表会場にて)
ダイハツ 新型軽自動車 「ムーヴ コンテ」 インテリア イメージ

( レポート:CORISM編集部 徳田 透 )

ダイハツ 新型 ムーヴ コンテ 発表会の模様はこちら

いつまでも乗っていたい…居心地、座り心地、乗り心地のよさを追求!ダイハツ「ムーヴ コンテ」発表会レポート

【特集】  written by CORISM編集部 (2008.08.26)

8月25日、東京・江東区のホテル イースト21東京にて、ダイハツ「ムーヴ コンテ」「ムーヴ コンテ カスタム」の発表会が行われた。スクエアなフォルムの「ムーヴ コンテ」は、広い室内空間や快適な座り心地のプレミアムソファシートを特長とし、乗る人の居心地のよさを徹底的に追及した。 >> 記事全文を読む


代表グレード
ムーヴ コンテ X Limited(2WD)
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
3395x1475x1645mm
車両重量[kg]
850kg
総排気量[cc]
658cc
最高出力[ps(kw)/rpm]
58ps(43kW)/7200rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
6.6kg-m(65N・m)/4000rpm
トランスミッション
CVT(自動無段変速機)
10・15モード燃焼[km/l]
23.0km/L
定員[人]
4人
消費税込価格[万円]
128.1万円
発売日
2008年8月25日
レポート
CORISM編集部 徳田 透
写真
ダイハツ・CORISM編集部