トヨタ ノア

人気モデルが目白押しの5ナンバーミニバン

 ミニバンがブームになって、それが定着した頃から言われていたのが「中古車があふれる」ということ。そりゃそうだ、街中、ミニバンだらけなわけで、買い取りに出されれば中古車は増える。最初の頃はセダンからの乗り替えも多かっただけに、市場にある中古車のタマも少なかったし、探す人も多かったこともあって、高値維持だった。それが熟成が進んで、ミニバンからミニバンに乗り替える人が増えるに従って、中古車がドンドンと増加。今や、ミニバン専門店があちこちにできるほど。一般的な中古車店や認定中古車を見てもミニバンはメチャクチャ多い。
 と、紹介すると「あふれ続けるミニバン中古車……」みたいな感じで、なんだか悪いことのように思うかもしれないけど、そんなことはまったくなし。もちろん大歓迎である。今回とくに注目してみたのが、日本の道路事情にピッタリ。日本人にジャストサイズの5ナンバーサイズだ。もちろんエンジンによっては3ナンバーだけど、もともとこのクラスの価格帯は200万円ちょい切りから300万円台前半といったところ。ボリュームゾーンは200万円だ。車種/グレード/程度を加味しつつ、逆算していくと、中古車なら150万円以下で狙うというのが正しい予算編成というもの。ノア&ヴォクシー/セレナ/ステップワゴンといった人気車種もモデル末期となる後者2車種は現行モデルでドンピシャ狙えるし、ノア&ヴォクシーはさすがに先代になってしまうが、根っからの人気車種だけにそれこそ迷うほどある。

エコ&エコノミーなコンパクトミニバンならさらに低予算で狙える!

 また5ナンバーサイズだと、シエンタやキューブキュービック、フリードにスイッチしたばかりのモビリオなど、さらにコンパクトなミニミニバンももちろんターゲットになる。このあたりになると新車価格がそもそも安いだけに、程度極上、走行少な目のモデルが150万円以下で買える。財布に優しいのはもちろんのこと、燃費もいいクラスだけに、昨今のガソリン高騰対策としてもコンパクトなほうが有利。
 今までザッと見てきた車種でも100万円以下でもタマはあるが、程度などが気になるところ。150万円であれば、安心感は増し、乗って自慢できる人気車種が狙えるなど、まさに絶妙な予算というわけだ。150万円以下の5ナンバーミニバン選び。ぜひトライしてみてほしい。損はさせません!

おすすめ中古5ナンバーミニバン

トヨタ ヴォクシー

【トヨタ ノア/ヴォクシー】
先代トヨタ ノア/ヴォクシーは5ナンバーサイズミニバンの中でもベストセラーとなったほどの人気モデル。エンジンなどのメカニズムや内装は同じだが、ノアがファミリー向け、ヴォクシーは若いユーザー向けのエクステリアが与えられている。搭載されるエンジンは全車2リッター。ミッションは初期のモデルは4速ATだが、後期モデルではCVTとなり燃費も良好でランニングコストも抑えられる。台数も豊富で好みのクルマを探しやすいのも魅力だ。

日産 セレナ

【日産 セレナ】
トヨタのノア/ヴォクシーの強力なライバルとして投入されたのがこの日産 セレナだ。モデル末期とはいえ販売もまずまず好調で、中古車の台数も多い。搭載エンジンは2リッターで、全車CVTが組み合わされ滑らかな加速と低燃費を実現している。また室内空間が広く視界がいいのもセレナの特徴だ。新車時の価格も売れ筋モデルで200万円前後ということもあり、現行モデルといえども中古車価格で150万円以内で探すのはそれほど難しくはない。

ホンダ ステップワゴン

【ホンダ ステップワゴン】
ホンダ ステップワゴンはこのクラスの他のライバルとは異なり、搭載エンジンは2リッターだけでなく2.4リッターもラインナップ。ミッションは2.4リッターはCVTだが、売れ筋の2リッターは4速ATと、燃費でやや不利な面もある。それでも比較的軽い車重とホンダらしい効率のいいエンジンのおかげで、燃費の低下は最小限に抑えられている。またマイナーチェンジでスポーティな外観のスパーダが追加されたが、年式が新しいこともあり150万円以下で探すのはちょっと難しいだろう。

トヨタ ウィッシュ

【トヨタ ウィッシュ】
ホンダ ストリームのライバルとしてトヨタが開発したのがウィッシュだ。ストリームのことを研究し尽くし、欠点らしい欠点が見あたらない。デザインもミニバンというよりはワゴン的ですっきりとした印象。エンジンは2リッター(CVT)と1.8リッター(4速AT)だが、1.8リッターでも十分な動力性能を持っている。また通常の4速AT仕様でも燃費はいいので、ガソリン代などのコストを低く抑えられるのが特徴。室内の使い勝手もクラストップレベルだ。

ホンダ ストリーム

【ホンダ ストリーム】
強力なライバルであるウィッシュを迎え撃つべく新型を投入してきたが、苦戦を強いられているホンダ ストリーム。ウィッシュにはない走りの良さを追求したグレードもラインアップするのはいかにもホンダらしい。室内の広さやシートアレンジ、そしてラゲッジの使いやすさなどもウィッシュに引けを取らない。ミニバンといえどもスポーティな走りをより重視するなら候補に入れておきたいモデルだといえる。

トヨタ シエンタ

【トヨタ シエンタ】
トヨタを代表するコンパクトミニバンがこのシエンタ。搭載エンジンは1.5リッターで、ミッションはFFがCVTで、4WDは4速ATが組み合わされる。ボディサイズが限られているだけのサードシートのスペースはミニマムだが、シートアレンジやラゲッジの使いやすい工夫が凝らされ、日常ユースではとても便利に使えるクルマだ。外観は丸いヘッドライトを始め女性ユーザーも意識したソフトな雰囲気が特徴。年式によっては100万円以下のクルマも珍しくはない。

日産 キューブ キュービック

【日産 キューブ キュービック】
日産 キューブの全長を延ばし、3列シートミニバンとしたのがこのキューブ キュービックだ。四角をモチーフにした個性的なデザインはベースになったキューブ譲りで、女性ユーザーも多い。デビュー当初は1.4リッターのみだったが、マイナーチェンジで1.5リッターも追加され、余裕のある走りを手に入れた。ミッションはグレードや駆動方式によりCVTまたは4速ATとなるが、エコを重視するならCVT搭載モデルを選んでおいた方がいだろう。

ホンダ モビリオ

【ホンダ モビリオ】
デビューしたばかりのフリードの前身といえるのがモビリオだ。大きなガラス面積を持ち、視界がいいのが特徴だ。エンジンは全車1.5リッターが搭載されCVTによる滑らかな走りと低燃費が特徴だ。また室内空間の広さも魅力で、ベースのフィットにも共通するセンタータンクレイアウトにより、高さ方向の余裕はクラスでもトップレベルといっていい。初期モデルはもちろん最終型でも150万円の予算があれば十分に狙えるのも見逃せないポイントだ。

written by 近藤暁史

達人プロフィール: 近藤暁史
職業:自動車ライター&エディター その他もろもろ…
某自動車雑誌の編集者から独立。その前はファッションエディターだったりして……(笑)。とにかくなんでも小さいものが好きで、元鉄チャンで、今ではナローゲージを大人買い中。メインのクルマは19歳の時に買ったFIAT500で、19年経った今も手元に。エンジンのOHからすべて自分...