BMW X6 エクステリア

達人「こもだ きよし」が斬る!

BMW X6 評価

こもだ きよし

職業:モータージャーナリスト
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)、JAF交通安全委員会委員、セーフティドライビング・インストラクター・アカデミー会長、警察庁運転免許制度に関する懇談会委員、BMWドライバー・トレーニング・チーフインストラクターなど...

クーペとSUVを融合させた今までにない新ジャンルのモデル

BMW X6 エンブレム

 BMWではX6をSAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)と呼ぶ。プラットフォームは3列シートもオプションで選べるX5をベースにしているものの、X6は4人乗りに割り切ったクーペスタイルが特徴。日本で見ると小山のように大きく感じるX6だが、このスタイリッシュなデザインがアメリカでは受けているようだ。
 エンジンは直列6気筒3リッターツインターボ(35i)が現在デリバリーされているが、あとから新設計のV型8気筒4.4リッターツインターボ(50i)が追加される。燃費、排ガス、走りのすべてを満足させるためにはターボで解決するというコンセプトだ。
X6にはダイナミック・パフォーマンス・コントロールと呼ぶ新しい電子デバイスが加わった。左右輪の駆動力配分を変えることによって、ハンドルを切っている方向に向かいやすくするというものだ。考え方としてはホンダ・レジェンドに採用されているSH-AWDと同じだが、レジェンドがFFベースの4WDなのに対し、X6はFRベースの4WDだから、駆動力配分のできる範囲がだいぶ異なるようだ。さらにX6はxDriveとダイナミック・パフォーマンス・コントロールのコンビネーションにより、これまでにないハンドリング性能と安定性が確保されている。

BMW X6 フロント
SUVらしい力強さとクーペのような流麗なフォルムを両立させたエクステリア。とても個性的でひと目でX6とわかる独特の雰囲気を持っている。
BMW X6 リヤ
バンパー下部のアンダーガード風のデザインはいかにもSUVらしいが、まるでクーペのようなルーフラインの処理が非常に印象的なリヤビュー。
BMW X6 19インチタイヤ
前後異サイズのタイヤ&ホイールを装着する。フロントは255、リヤは285という幅の広さには驚かされるが、乗り心地はとても快適だ。
BMW X6 フロントマスク
フロントマスクのデザインはクーペというよりはSUV色を強く感じさせる。ヘッドランプやグリルのデザインはいかにもBMWらしいもの。
BMW X6 3リッター ターボ エンジン
エンジンは3リッター直6ターボ(写真)と4.4リッター V8ターボの2種類。2トンを超える車重をものともしない力強い加速を味わうことができる。
BMW X6 シフトレバー
マニュアルモード付きの6速ATを搭載する。xDriveと呼ばれるFRベースの4WDシステムは、安定感と軽快なハンドリングを両立させている。

xDriveによる軽快なハンドリングが最大の特徴だ

BMW X6 エンブレム

 X6xDrive35iの試乗インプレッションをお伝えしよう。
ターボラグのないパラレルツインターボの3リッターエンジンは、2.2トンの車重を軽々と押し出す。重量級のボディだが、それを感じさせないスムースな走りである。
 注目のハンドリング性能も重心の高さと重量を感じさせない軽快なものだ。これはX5を上回るハンドリング性能である。コーナーの中でアクセルペダルを踏み込んだときにもアンダーステアを感じることなくグイグイと加速していく。おもしろいのはインパネに駆動力配分をグラフィックに表示させておくと、前後と左右の駆動力の強さを見ることができることだ。止まったままハンドルを左右どちらかにロックまで(アクティブステアリングだから片側360度)切ると、前輪への駆動力配分はゼロになり後輪のみになる。走行中ならロックまで切らなくてもこの配分になることもある。これはFRベースの4WDだからできることで、xDriveだけでもこの前後配分はできた。曲がることを優先した駆動力配分である。
 走りながらハンドルを切ると後輪の左右で駆動力が刻々と変化する様子も見ることができる。そして実際には外側後輪の駆動力が増えるためにアンダーステアを出さずに大きなトラクションを得られ、素早いコーナリングが可能になる。
重心位置が高く、重量級ボディのX6にとって、このダイナミック・パフォーマンス・コントロールはハンドリング性能向上と安定性のさらなるレベルアップには非常に有効なデバイスである。FRベースの4WDで前後重量配分が50対50という基本性能の良さがあるから、このような電子デバイスも有効に作用するのだろう。
 4WDだけでなく、2輪駆動にも使えそうな技術だと思った。

BMW X6 インテリア
ダッシュボードやドアパネルにソフトな感触の特殊パッドが張られるなど、質感はとても高い。視界もよく広々とした印象を与えてくれる。
BMW X6 フロントシート
フロントシートはサイズも大きめでゆったりとドライブを楽しむことができる。クッションやシート表皮の感触もよく、長距離移動でも疲れにくい。
BMW X6 リヤシート
リヤシートは2人がけの左右独立したタイプ。後方に向かってルーフラインが低くなるため頭上の空間は最小限だが、足元と左右方向にはゆとりがある。
BMW X6 メーター
中央のインフォメーションディスプレーには平均燃費などの情報の他に、前後左右の駆動力配分をリアルタイムに表示させることも可能だ。
BMW X6 ラゲッジ
クーペのようなデザインのため上下方向はそれほどでもないが、不満のない容量を確保している。凹凸も少なく使いやすい形状をしている。
BMW X6 ラゲッジ
リヤシートを倒せば想像以上に広いスペースが現われる。フロアがやや斜めになってしまうのが気にはなるが、実用上の問題はないレベルだ。
BMW X6 走り
BMW X6 走り
BMW X6 走り
代表グレード
BMW X6 xDrive 35i
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4885×1985×1690mm
車両重量[kg]
2250kg
総排気量[cc]
2979cc
最高出力[ps(kw)/rpm]
306ps(225kw)/5800rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
40.8kg-m(400N・m)/5000rpm
ミッション
6速AT
10・15モード燃焼[km/l]
6.5km/l
定員[人]
4人
税込価格[万円]
851.0万円
発売日
2008/6/24
レポート
菰田 潔
写真
佐藤靖彦
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